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2. 小平市立第八小学校
小平市立第八小学校 校長 土屋 隆之氏
小平ラグビーフットボール協会 理事 峯 剛介氏
 
土屋 皆さんこんにちは。小平第六小学校の「おやじの会」、発足して羨ましいなあと思いながら聞いておりました。
 前回、こういうフォーラムのときに同じようにお話をさせていただいたんですが、そのときは「立ち上げに向けていま取り組んでいる最中です」ということで、応援のメッセージなどもいただいたりして「ぜひ立ち上がることを期待しています」とか言われまして、それから何ヵ月か経っておりますが、立ち上がっておりません。どうして立ち上がらないんだろう、どうして小平第六小学校は同じ小平市内ですぐ立ち上がっちゃったんだろうと思いながら、いま話を聞いていたんですが、そんなところをちょっとお話をさせていただければなと思います。
 レジメのほうは本当に簡単なものしかないので、お手元のほうにプリントが2枚行っているかと思うんですが、あるでしょうか。「子どもの居場所づくりを家庭・地域・学校で」という、こういうホチキス止めしてあるプリントです。ないですか。じゃ、すみません、ちょっと配っていただいて、配っている間、ちょっと話を進めさせていただきたいと思います。
 本校は、後ほど配られたらおわかりになると思いますけれども、「青少年対策八小地区委員会」とか「土ようひろばin八小」ということとか、「はっちールーム」「八の子放課後クラブ」「鈴の子会」とたくさんあるんですが、もともとのいろんな意味での活動母体がそのマル1の青少対と言っている母体があるんですね。
 これはさまざまなイベントをもうやっておりまして、地域としては非常に子どもたちを見ていく土壌がもうある、そういう学校に私は着任をいたしました。ことしで着任して3年目を迎えて、もうすぐ丸3年が終わろうとしているところなんです。
 そこでさらに何かやる必要があったのかどうかということもあるんですけれども、ちょうどその着任した年が週5日制に変わるときでした。平成14年度で、土曜日がもう完全になくなって学校週5日制になるということで、その土曜日の子どもの居場所をどうしたらいいか。特に居場所がなくても、そういう地域だから心配はないだろうとも思いましたが、いままで学校に来ていた月2回、来なくなるわけで、子どもたちの生活はどう変わるか、どういう生活を送らせたらいいかということで、地域の方々と話し合ったりしました。
 その結果、生まれたのが「土ようひろばin八小」でした。第2、第4の土曜日に子どもたちのために、じゃ、居場所づくりをしようということで始まったんですね。その前からあったのが「はっちールーム」、これは第1、第3の金曜日、本校は30分の中休みがあるんですけれども、この30分間に地域の方たち、主に民生委員の方を中心として、そこにこの青少対のメンバーなんかも加わって、あとPTAも加わって、子どもたちのために居場所をつくっています。
 お手元の資料でいうと、いまの2つのことについては、2枚目のプリント「平成16年度年間スケジュール」、左側にあるのが「土ようひろばin八小」です。これが今年度の年間計画で、こういうような活動をずうっと第2、第4土曜日を中心に進めています。
 それから「はっちールーム」というのは、これは年間通して行っているんですが、同じように第1、第3の金曜日、右にあるような内容ですね。3カ所で八の子ホール、ランチルーム、交流室というところで行っています。子どもたちはこの30分間に大体150名ぐらいから200名ぐらいの子どもたちの参加、それを約20人ぐらいのスタッフで面倒みてくれています。
 なんとか学校のなかにそういう居場所を広げようということで、右側の「はっちールーム」の下のところの上のポチに「昨年11月から交流室が新たに加わり」とありますけれども、1部屋、畳の部屋にいたしました。そこでさらに何か活動が広がればいいなあという期待をもって行いましたところ、有効活用をはかって下さっています。あとは、授業でもずいぶん使えるようになりまして、畳の部屋を1つつくったことでずいぶん子どもの居場所がまた広がったし、変わったなあと思っているところです。
 そういうなかでなんとかあとつくるとしたら、学校帰りの子どもたちで、そのまま家に帰っても本当にぼーっとしている、何もすることがない。それから本校はちょっと学区域が面白いところで、いまこの画面がこうあるとしますと、これが学区域だとすると、このへん(右下)に学校があるんですね。これが真ん中にあれば、本当に最高だと思うんですが、ここにあるために、特にちっちゃい子たちは一旦家に帰ると、また学校に来るということがほとんどないですね。子ども同士のつながりが放課後にはもう何もないという状態が起きていて、放課後の居場所をなんとかしたいというふうに思っていた。
 そのところに、そこにあります文科省からの、これは委託事業なんですけれども、文部科学省の生涯学習政策局子どもの居場所づくり推進室というところから東京都に降りてきたものが、こんど小平のほうに降りてくると。
 これは小平の教育長からの話がちょっとありまして、八小でいままでこういう青少対の活動や、土曜ひろば、はっちールームなんかをやっているので、何か八小で受けられないかと。ただしものすごい文書量だ。その文書量を1週間ぐらいから10日の間にまとめ上げて提出をしないとこれは受けられないということで、地域の方たちのほうに話をしましたところ、「ぜひやりたい」ということで、ものすごいパワーでそれをまとめ上げて提出しました。
 それを今年度受けることができて、子どもの居場所づくりに本当にさらに拍車をかけるような形で、実をいうと予算をいただいたんですね。これが年間予算で150万というのをいただきました。実質取り組み始めたのが9月過ぎぐらいからなので、実績としてはまだまだそんなにないんですが、その9月過ぎからの青少対などの活動も含めて、取り組み回数が約90回、約5,000人ぐらいの子どもたちが人数としては参加しているということで、平均すると何人ぐらいだろう。1回の取り組みにおよそ50人ぐらいの子どもたちが来て参加しているというようなことです。非常にありがたいなと思っています。
 学校でいままで別々にやっていたものが、この「地域子ども教室」というそれをいただいたために、1つの組織ができました。八小のいままでのそれぞればらばらのものが1つの地域子ども教室というものにまとまったわけです。そのなかに全部青少対の活動や土曜ひろば、はっちールーム、それから新しくつくったんですが、私がつくりたい、つくりたいと思っていた「八の子放課後クラブ」というのができました。
 これには地域の方たちの力よりも、PTAの力の方を借りたいということで、保護者の方に投げかけをして、「何か皆さんの持っている力で子どもたちのために教えて下さることがないでしょうか。ただし、時間帯としては放課後です」ということでお願いをしましたところ、何名かの方たちが「こういうことならできるよ」ということで申し込んでくれました。
 それが2枚目のプリントの先ほどの裏のほうですね。これは11月19日に出した最終の居場所づくりの募集プリントなんですが、これをもっとずうっと前に出しておりまして、いま現在は、ここにある「よさこい」「英会話」「サッカー」「ソフトテニス」「囲碁」の他に「バレーボール」と「パソコン」があります。少しずつ少しずつ増えてきておりまして、もうパソコンとバレーボールについては、キャパシティーを超えているので募集はしないということで、「現在まだ入れますよ」ということで11月の19日段階でこれを出したんです。
 そんなことで、子どもたちの居場所が少しずつ少しずつ広がっております。こういう非常にありがたい予算をいただいている活動とは別に、1枚目のプリントの裏ですが、子どもの居場所づくりだけじゃなくて、親子の居場所をなんとかして広げていきたいと考えて、親子の居場所づくりを少しずつ取り組んでいます。
 昨年度、後ろにいらっしゃる吉田さんのアドバイスもいただきながら、何か活動するといいということで、リュウノヒゲというのを学校で植えるという活動をしました。その前から少しずつ父親のほうにも呼びかけをしたりして、何人か集まって、集まってはその後やはり飲んでということもやっていたんですが、なかなか「おやじの会」を立ち上げるには至っていないんですけれども、おやじさんたち、父親の参加は結構増えています。
 何か「これでもいいのかな」と最近はちょっと、弱気になっちゃっているわけじゃないんですけど、思っているところもあるんですが、何かをやれば八小の親は来てくれて手伝いもしてくれるし、子どもと関わってくれるし、面倒も見てくれると。
 タグラグビーというのをこの前、やりました。きょうお話をいただく峯さんもいらしていらっしゃる。後できっと事例発表をなさるんだと思いますけど、今日の参加者、そちらのほうには橋本さん、辰野さんという方の名前も入っていますけれども、そういう方たちにお世話になりながら、11月28日に「親子でスポーツ」というのをやりました。
 明日第2弾でクアトロというのをやります。クアトロというのについては、先ほどの2枚目のプリントの裏に募集の要綱を付けましたけれども、これはサッカー型です。およそ50名。親子でということを言っておりますので、なかなか多いのか少ないのかということはわかりませんが、要するに20組以上の親子が来て参加してくれています。大変楽しく一時を過ごすことができまして、明日のこのクアトロも楽しくできたらいいなあと思っています。
 もう1つは、スポーツ関係だけじゃなくて文化的な活動もということで、書き初めをやりました。これはせいぶ通り商店街というのが本校の地域のなかにあるんですが、そこの商店会長さんからよく街路灯にFC東京のペナントがかかっていたりするんですけれども、それと同じようにそこに書き初めを吊るしたいんだという話があって、「八小の子どもたちに書かせてくれないか」という依頼がありました。
 もう終わったもので持ってきたんですけど、こんな大きさのものを50枚ぐらいですか、持ってきて、街路灯が50本ぐらいあるので、これを1本1本吊るしたいということで、なんでもいいからとにかく子どもたちの字をそこに乗せたい。私は親子で何かするということ、六小さんの稲田校長先生も「地域に風がいきかう」ということがあるんですけれども、子どもたちの作品とかいろんなものがそういう商店街に張られることによって、親はそれを楽しみにして見に行く。見に行けば、商店街にとってはそこに人が来るわけですから、何らかの形で、例えばちょっとお店を覗いて買物をしていってくれるんじゃないかということも期待できるわけですね。
 学校が地域に貢献できることは何かというと、そういうことでもいいんじゃないかなと思っています。だから積極的に地域の人たちのつながりを何か持つことができたらということで、これはいい地域連携になるだろうということで、お受けして書かせてもらいました。
 これは私が書いたのでちょっと下手くそですけれども、こんなものを楽しく書きながら、子どもたちと2時間ぐらい、午前中、ちゃんと習字の先生に教えていただいて書いたものがたくさん張られたんですね。子どもたちは喜んで見に行っていたと思います。
 きょうのテーマは「おやじの会」ということなんですけど、本校ではなかなかそこまで行かないんですが、これから先、少しこういう親子で触れ合える活動をたくさんつくっていきたいと思っています。
 計画としては、土曜日にパソコン教室というのはどうかなあと。「パソコンだったら教えられるよ」というお父さんがたくさんいました。それから山の好きな人がいて「ハイキング」。本校の教員のなかにもいるので、これからちょっと季節が良くなったらハイキングを計画しようとか。それから花を植えてくださる方がいて、校庭に、「じゃあ花一杯運動をやってみよう。」とか、あと、ちょっとこれは奉仕活動的なものとして、砂場の改修だとか、駐輪場がだいぶ傷んできているので補修補繕をしていくとか、そういうことに関わっていただいて、学校にたくさん来ていただく機会をつくりたいと。
 で、何回も来ているなかで、大体もう既になんですけれども、来ると同じ顔ぶれがいるというところあたりで、「あっ、また会いましたね」「また会いましたね」と、そのへんのところから自然発生的にスタートをしていってくれるのが、これから先、長続きしていく「おやじの会」じゃないかなと考えています。
 実際問題、そういうことについてお父さんたちと面と向かって話し合う機会を持ちたいと思って、何も企画なしで「話し合いの会」というのを持ったことがありますが、そのときに言われたのは「校長の思いはもう十分わかっている。言われれば言われるほど、みんな引いていく」(笑)「だからあんまり『おやじの会』をつくりたい、つくりたいと言うな」ということを言われました。
 十分理解してくれているおやじが何人か今います。ですから「次に立ち上げたときには、こんどは僕のほうから来た人たちに声かけをしていくから、だから何かおやじさんたちの集まれる機会を学校はつくってくれればいいよ」と言ってくれている人たちが何人か出てきているので、まあ、この次あたりは発足に向けての何か動きが出てくるかなと期待しています。
 最後、ちょっと長くなって申しわけありませんでしたが、課題です。なぜ私がこの小平地域子どもの教室が素晴らしいかなと思っているところは、そこに幾つか挙げさせてもらいましたけれども、予算をいただいたということもあるんですけれども、安心して子どもたちが活動できる場が広がっているということは事実です。
 たくさんの居場所があって、そしてここに関わってくれている、特に放課後クラブができたことによって、保護者の人たちの参加が増えて、お母さんたちの意識が高まっています。安全指導員というのを必ず置かなきゃならないことになっているんですが、それぞれの放課後クラブのところには、3、4人ずつぐらい、多いところでは10人ぐらい、「私が安全指導員をやってもいい」と言ってくれているお母さんもいて、「いまの悩みは、自分の子どもはここに来ていないのに、なんで私はここで安全指導員やっているんだろう。先生、うちの子は家にいるんですけど、どうしたらいいですか。子どもの居場所のためにやっているのに、私の子どもには居場所がない」とかって言っている親がいるんですね。
 でも、「ありがとうございます」って言って、そういうお母さんたちが増えてくれることを期待しています。いろんな活動をするなかで、要するにみんなが顔なじみになっていると、地域が1つの大きなコミュニティーとして育っていって、「おじさん、こんにちは」とか、「おばさん、この前ありがとう」とかって、そういう会話が地域のなかで、地域といっても八小地区、学区域ぐらいしか広がらないかも知れないけれども、でも、そのなかでそういう言葉が交わされることによって、子どもたちが健やかに育っていくという図式が見えるので、これはぜひこれからも続けていきたい。
 ただ、この予算をいただけるのが、ちゃんと1年間活動をして、その活動を「ちゃんとしたな」と都なり文科省なりが認めてくれて、次年度も「いいよ」と言ってくれないと150万くれないんですね。いまちょうどまとめの時期に来ていて、その文書作成とかが大変です。もう資料がこんな山ほどあって、それを全部提出して、オーケーが出ないと来年150万もらえないので、もう地域の人たちも必死にやっています。たぶんもらえるだろうと思っているところです。
 「おやじの会」の結成に向けては、そこに書きましたけど、計画・実施・評価・改善と、これは教育活動なんですけど、こういうことの繰り返しが、先ほど船切さんの話にも「飲んでばかりでいいのか」ということがありましたが、やはりやったことに対して、計画がどうだったか、実施してどうだったか、改善をはかれることは何か、という評価をちゃんとしながら、「じゃ、次はこうやっていこう」ということにならないと継続していかないなと思うので、そんなことがちょっとでもできるようなこれから態勢づくりを私のほうとしてはしていきたいなと考えているところです。
 
 次に小平ラグビーフットボール協会の峯さんです。峯さんは、いまお話のありました土屋先生の学校でタグラグビーを指導されております。
 
 小平ラグビーフットボール協会の理事をやっております峯でございます。あと、スクールの校長と、それからこのテーマになっていますタグの普及委員長もやっております。よろしくお願いいたします。
 小平が船切さんと土屋先生と私と続いて、何か小平のフォーラムみたいになっちゃっているんじゃないかと思いますけれども、ラグビーは皆さんご存じでいらっしゃいますよね。タグラグビーってご存じの方、いらっしゃいますか。ちょっと・・・。ああ、ありがとうございます。約1割の方ですね。
 実はタグラグビーは約15年ほど前にイギリスで発生したスポーツで、日本にすぐ紹介されたんですけれども、ご存じのようにラグビーは、一時はブームになったんですけども、サッカーのように底辺を育てなかったものですからだんだん尻すぼみになりました。
 そういうことも相まって、実は日本ラグビー協会のほうから「タグラグビーの小学生の日本選手権をことしの3月5、6日に秩父宮で開く。よって協会の面々、スクールの面々は早急にタグラグビーの何たるかを紹介して回ってくれ」ということが正直なところ発端でして、私ども小平ラグビー協会としましては、まず出場するということよりも、まずタグラグビーをこれを機会に広めようということで、10月に日本ラグビー協会のほうから言われましてから約10日間で19校、小平の小学校を回ったわけです。
 各小学校の反応はさまざまでして、ラグビーというと、「危ない」「汚い」という印象。これは昔でございまして、タグラグビーは、簡単に申しますと、タックルの代わりにタグという腰に巻いたベルトを取るだけで、これがタックルとみなされるわけですね。だから接触はないんです。だから危なくないですよと。
 それからラグビーのルールでは、パス、これはもう全く同じで、スローフォワード、自分より前の者にはパスできないんです。後ろの者にパスするわけです。
 基本的なものはパス。いまの子どもたちは、丸いボールは非常に馴染み深いんですね。サッカーですとかバレーですとか。ところが楕円形のボールというのは見ても触ったことないわけなんです。これがまず持っていって「何だ、これは。転がるとどっち行くかわかんない」というようなことで興味を持ったわけです。
 それで実は土屋先生の八小でやらせていただいたときは、日曜日で、保護者の方々、それから子どもたちで約2時間の予定が2時間半になったんですけども、われわれ協会のほうから、これはもう最初に小平で取り上げていただいたので、コーチの半分を派遣しようということで、でかい、図体の大きいのが7、8人来まして、先生もちょっとギョッとなさっていたようなんですけども。
 まあ、みんなでかいんですけど、気は優しい連中ばかりでして、簡単なルールの説明から、これはやはり激しく動きもあり、走りますから、ストレッチから入って、コーチのいちばん若い20歳の、これは世界ラグビー連盟のほうの試験を合格した者に初めて「おまえ、やれ」ということで、マイク持たせて指導させました。
 参加した生徒さんの数が「26名」って書いてありますけど、もうちょっといらっしゃったように思うんですね。低学年だけで二十何名だったように。
 後で協会のほうから出ているルール、ガイドブックをお見せいたしますし、ご希望の方にはお渡ししますけれども、とにかく最初はもう物珍しさが多かったわけです。タグラグビーをやるために必要な基本的な動きを子どもたちに教えることから始めました。
 そうすると面白かったのは、低学年はルールを説明しても、低学年ってそんなに聞いていないんですよ。いざ、始まりますと、「接触プレー、だめだ」と言ってもタックルしちゃうんですね。これはちょっとどうかなと思ったんですけど、見ていて楽しそうにやっているので、そのままやらせました。こっちのサークルのなかにはコーチをつけました。それで3、4年生か4、5年生はちゃんとルールをいちおう守って、タグをぱっと取って「タグーッ」と言って、そこからまたゲームが始まるんですけれども。
 タグの指導も、2時間が2時間半になりまして、われわれコーチも非常に勉強になりました。あと、それこそお父さんたちも参加しておられて、お母さん方も参加していただいて、皆さん、やはり真剣になるんですね。普段、闘争することはないのかどうかわからないですけれども、必死になって旦那を追っかけたり、奥さんを追っかけたりして、とっても面白い雰囲気だったんですけれども。
 全部終わりまして「みんな、楽しかったかーい」って言ったときに、低学年の1人が間髪入れず「ストレス解消になったーっ!」って言ったんですよ。何か私、ちょっと笑えなくてですね、「ええーっ。でもまあ、楽しかったんだろうな」という印象を持ったんですけれども、これが八小さんでやりました、とてもわれわれにとって収穫のあったものだったですね。
 その次が上宿小学校で、小平でいちばん新しい小学校です。女の校長先生で、最初、お電話したとき剣もほろろだったんです。「ラグビー? いや、別にそんなこと」っておっしゃったんで、「まあ、とりあえずご説明に伺いたいんですけど」と言ってお伺いしたんです。そうしたら2、3日してから、「3、4年生で体操の授業でやりたいんだけど、来て下さい」っていうわけですよ。「えっ、あの先生だぜ」って。
 それで慌てて私ども、日本ラグビーフットボール協会のほうに連絡しまして、全国タグの指導で回っておられる飯原さんという指導員の方に、「小平で初めて授業に取り上げられるんですけれども」とお話しましたら、全部タグ用具一式持って助手の方と2名いらっしゃいました。生徒さんは3、4年生でしたので、いちおうルールきちっと、理解して、約二時間のタグ授業は終わりました。
 このときに初めて『朝日タウンズ』という朝日の地域紙、有線テレビを呼びまして取材してもらって(これはその1週間後か2週間後に両方ともオンエアされたり、配付されました)、このときの収穫といったら、3年生の授業が終わった途端に「楽しかったラグビー教室」ってみんな感想文を寄越してくれたんですよ。協会の飯原さんも、いままで全国回っているけど、こんなに反応が速くて、しかもみんな「楽しかった」ということを書いてあるのは初めてのケースだと。
 「ラグビー」という言葉も耳新しいお子さんもいたでしょうけれども、「ラグビ」と書いてあったりして、そういうところがまた可愛いところがあるんですけれども、終了後、インタビューを子どもたちにしたり、先生方にインタビューしたんです。担任の先生が「いつもの体操の授業よりも目が生き生きしていました」とか、お子さんによっては「またやりたいんですけど、いつやりますか」とか。「それは体操の先生に聞いてよ」って言ったんですけども、そんなことで、われわれが想像しなかった効果があったわけなんです。
 「タグラグビーの実施記録と予定表」というのもありますけれども、これは後で、サークルで細かくご説明しますけれども、2月の10日と3月5日、また小平一小と小平十二小からオファーが来まして、いまこれの準備に追われているところです。
 どうしてタグラグビーがこんなに子どもたちに、まあ、まだそういう結論を出すのは早いかもわかりませんけど、さっきの八小のときに、低学年が非常に接触プレーをある意味で喜んでいたというか、普段「これはだめ」とか「危ない」とか言われていたのが全力でできる。それからお父さん、お母さんもなかに入って一緒にできる。これはタグラグビーを通しての、それこそ子どもの居場所をおやじがつくる。おやじがいま居場所がないんじゃないかなと私も考えたりしたんですけれども、そういう何かタグラグビーが、われわれから考えて意外な効果だったような気がするんです。
 ちょっとタグラグビーの宣伝にもなっちゃったかもわかりませんけど、小平はたぶんこの分で行くと、全小学校でやるんじゃないかと思います。それでいずれは授業でやることになるのでは、もう地方では授業で取り上げられているところはたくさんあるんですね。地方のほうが多いんです。福島とか佐賀とか長崎、これを通して、またわれわれ指導者も、私はラグビーに携わって50年ぐらいになりますけれども、こういうことで底辺を広げて、これがラグビースクールヘ入ってくる、学校にラグビー部をつくるという形で広めていきたいなと考えています。







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