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1991/02/24 毎日新聞朝刊
競馬の単複配当金、5%アップへ──農水省
 
 農水省は二十三日、競馬ファンへの利益還元として単勝(一位の馬を当てる)と複勝(一位から二、三位までに入る馬一頭を当てる)の配当金を平均五%程度引き上げる方針を固めた。三月上旬までに競馬法と日本中央競馬会法の改正案をまとめ、今国会に提出。早ければ、この夏の中央競馬から実施したい意向だ。人気の高い連勝複式馬券への配当金上積みは、財源問題から今回は見送られる。
 わが国の競馬は国と主催者が受け取る「テラ銭」といえる控除率(馬券売り上げの二五%。残りの七五%が配当金に回る)が、欧米先進国に比べて高過ぎ、ファンへの還元が少ないと批判が出ている。農水省は、この控除率の引き下げは、競輪、競艇など他の公営競技との兼ね合いから難しく、配当上積みの財源として剰余金の一部を充当させることで、ファンサービスの向上に努めることにした。
 控除率の二五%は、一〇%が第一国庫納付金として国に、一五%が競馬会の収入となる。この競馬会の収入から賞金や運営費などを支出した後に残るのが剰余金。日本中央競馬会(JRA)の場合、この剰余金を積み立てた特別積立金総額は五千億円を超えており、このうち百億円弱を単勝、複勝の配当引き上げ財源に充当していく考えだ。
 
 
 
 
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