(2)微小プランクトン数
(微小藍藻,全バクテリア,独立栄養微小鞭毛虫,従属栄養微小鞭毛虫)
表3-2には、沖ノ鳥島(東小島と沖合)における微小プランクトン数を他の日本沿岸海域における分布数と共に示した。
貧栄養海域における重要な一次生産生物である微小藍藻・Picocyano Bacteria(写真3-5・6参照)の分布数は、東小島および沖合共に105細胞/mlであった。
同じく、貧栄養海域における重要な一次生産生物である独立栄養微小鞭毛虫・ANFの分布数は、東小島および沖合共に102細胞/mlであった。
一方、分解生物である従属栄養細菌・Heterotrophic Bacteria(写真3-7・ 8参照)の分布数は、東小島および沖合共に10 5細胞/mlであった。
同じく、分解生物である従属栄養微小鞭毛虫・HNF(写真3-9・10 参照)の分布数は、東小島および沖合共に10 3細胞/mlであった。
これら沖ノ鳥島の礁池内および沖合の微小プランクトンの分布数は、表3-2に示したように、日本沿岸各地における分布数と同じレベルである。つまり、これら微小プランクトンによる生産と分解活動も、先の大きな動植物プランクトンと同様に、海水中の栄養塩類濃度が高い日本の他の沿岸域と匹敵するポテンシャルを持っている可能性があることを示している。
表3-2 沖ノ鳥島の微小プランクトンの分布数と日本沿岸各地の分布数2)3)4)
Picoplankton |
Oki-no-Torijima |
Miyako Island |
off Ikitsuki
Island
(Nagasaki) |
Suruga Bay |
Higashi-kojima |
Off-shore |
Heterotrophic Bacteria |
4.48 105 |
3.5 *105 |
1.65-8.10 *105 |
6.0-9.0 *105 |
7.4 *105 |
Picocyano Bacteria |
0.9 *104 |
1.6 *104 |
0.43-2.38 *104 |
3.7-7.4 *104 |
4.5 *104 |
HNF
(heterotroph. nano-flagellates) |
4.14 *103 |
1.7 *103 |
0.46-3.70 *103 |
8.0 *103 |
2.3 *103 |
ANF
(autotroph. nano flagellates) |
0.35 *103 |
0.4 *103 |
0.2-0.6 *103 |
0.1-0.2 *103 |
0.2 *103 |
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写真3-5
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東小島の微小藍藻(赤い点,直径約1μm)
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写真3-6
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沖合の微小藍藻(黄色い点,直径約1μm)
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写真3-7
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東小島の従属栄養細菌(白点,直径約1μm)
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