―アンケートより― みなさんからもらった宿題
専門家参加型授業・地域参画型授業が取り組まれている社会状況に対して、何を期待されますか?また、ASAPのようなコーディネーターに望まれることはどんなことですか?
こうした活動は大いに進めるべきだと確信しています。コーディネーターとしての的確な紹介や作業範囲の指示、基本計画をたてて進めてほしいです。
(有田小/専門家 濱砂圭子さん)
前例が少ない、それぞれの(仕事の)流儀が違う、時間が足りないなど様々な困難があるとは思いますががんばってよい授業を生み出してください。
このような試みではいきおい結果良ければすべてよしとなりがちですが、結果よりも過程にこだわりを持ったものになっていけばよいと個人的には思っています。
(有田小/専門家 本村博さん)
子どもたちが教師に限らず、様々な場で活躍する大人たちに学べるということは、とても良いことだと思う。子どもたちの夢や可能性を広げることのできる活動となることが大いに期待できる。ASAPの方には、学校の事情も理解してもらいながら、打合せ等を進めていきたい。また、学校、専門家、地域の連携(これが一番大変と思うが)の方法をもう少し考えなければならない。
(有田小/先生)
教師は万能型の方が主流だと思いますので、テーマによっては専門家による授業のほうがより深い理解を得られる効果があると思います。また、子ども達も世代を超えた社会の様々な人との交流の機会は貴重だと思います。
(大名小/専門家 副島信次さん)
学校と社会の間にあるギャップが何か、一緒に教師と考え、子ども達の学びが社会の中で生きるような取り組みをしていきたいです。やるからには、本物の体験をさせたいです。
(大名小/教員 土井三幸先生)
今後どのような授業をやってみたいと思われますか?
子供たちと感覚を共有できるような体験をしたいと思います。たとえば一枚の絵を見て、その感動を私たちに伝えてもらう。また、私たちは触れる美術作品をそれから感動を子供たちに伝えると言うような企画はいかがでしょうか。
(有田小/専門家 小山田稔さん)
社会的環境問題等も必要と思います。自給自足の生徒工程もいいと思います。使い捨て意識の変革等や、さらに今後、福祉の問題等も小学生の頃から知ってもらいたい。
(有田小/地域の方)
医学部志望の子もいたので、小さな時から、健康に気をつける等といった総合的な学習の時間を行ってみたい。
(大名小/専門家 柿本忠俊さん)
どのような形、内容でもいいが、自分たちがこだわって調べたもの、とりくんだものを、自分たちが企画した方法で、まわりの人たちへ表現していく授業
(HP、ビデオ、○○広場(教室)、○○集会、新聞など)(大名小/楠原貴己子先生)
福田 忠昭
都市計画プランナー・有田まちづくり企画委員・(株)環境デザイン機構
近年、子どもたちの情操教育や「生きる力」などの必要性がさけばれ、これまでの学校教育も大きく変わろうとしている。そのような時代の流れのなか、この「地域と学校をつなぐ」ということで、まちづくりにとっても、大きな可能性が広がると感じている。
現在、小中学校の先生は、平均年齢が43歳、管理職を除いて担任をもっている女性の先生が8割で、必然的に、足りないのは「ものづくり」、「スポーツ」・「パソコン」となるという。そこにPTAや出前授業などで、サポートしようという動きがある。つまり、閉ざされた学校、限られた人材でできることは、非常に少なく、実社会にいる様々な専門家が子どもたちと関わることで、子どもたちにとっても、リアリティの感じられる学習の機会が生まれるはずである。そして、本当は、それだけにとどまらず、子どもたちが「まちへ出る」、「社会とつながる」ことで、まちや社会自体にも、よい影響を及ぼし、双方にとって、非常に有益な活動が生まれると確信している。子どもたちの感性で見た社会には、非常におかしなことが多いのではないだろうか。我々が、それを省みるきっかけのひとつが、子どもたちのような気がする。そのような子どもたちの感性を研ぎすますためにも、単なる出前授業ではない、感性を活かし、地域社会とつながるようなプログラムの必要性を感じる。
ASAPのような活動が、子どもを通じて社会に投げかける新しい価値観に期待している。
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