「アルベド」って何?
◆やってみよう
明るくするほど、風車は速くまわります。どうしてでしょう。
◆考えてみよう
「アルベド(反射率)」という単位を使って、ある面が光を反射する強さを知ることができます。明るい面は光を強く反射し、暗い面は光を吸収して熱くなります。ここではこの原理が風車を回しています。
地球の表面はいろいろな色からできていて、場所によって光を反射する力が違います。この反射の強さを0から1の段階(あるいはパーセント)で表しますが、それが「アルベド(反射率)」です。海や湖の上では5%以下、森では5から10%、湿った土では10%です。氷の表面では50%以上になり、新しく降った雪の上では90%にもなり、積もった雪の上では80%です。
●解説
この装置はクルックス(CROOKES)のラジオメーター(放射計)と呼ばれます。「風車」の羽はそれぞれ、赤外線を吸収する黒い面と光線を反射する明るい面とでできています。風車の入った容器の中のわずかな空気は黒い面と接触して熱され、空気を構成する気体分子が活性化されて風車に衝突し回転させます。
地球表面の「アルベド(反射率:太陽からの入射光エネルギーに対する反射光エネルギーの比)」は、次の条件によって変わります。
・地面と雲の特質(明るい表面は暗い表面に比べてたくさん反射します)
・地面に対する太陽光線の角度(角度が小さいほど反射が大きくなります)
北極や南極に近づくほど、太陽光線の入射角は小さくなるためにアルベド(反射率)値は上がります。
つまり、ある一定の面積で吸収される太陽エネルギーは、両極よりも赤道の方が大きくなります。さらに、両極圏の雪や氷は太陽光線の大部分を反射します。アルベド(反射率)は%で計算されるか、0(0%)から1(100%)の間の値で示されます。
温室効果は両刃の剣
◆やってみましょう
ランプをつけて、もう片方の手をかざしてみて下さい。
1と2と、どちらが熱いでしょう?
◆考えてみましょう
ランプが発する赤外線は水に吸収されます。水は熱くなると、今度は自分が赤外線を放出します。
同じように太陽からでる赤外線は地球に吸収され、次に地球がそれを放出します。赤外線は大気を通過するとき、水蒸気、二酸化炭素、メタンなどによって弱められます。私たちの生活空間は、このように、あたたかい「まゆ」の中に包まれています。これは温室の中にいるのと同じことです。ただし、このアクリル容器はありませんが・・・
●解説
地球表面の平均気温は現在15℃です。
もし大気が地球から放射される赤外線を完全に透してしまうとすれば、地球の温度はもっと低くなるはずです(約-18℃)。
この違いが生じるのは、大気中のいろいろな気体が、地球から発散される赤外線の熱放射の大部分をさえぎるためです。これを温室効果といいます。温室の中と同じ原理で、熱が貯えられます。陸や海の発散する赤外線を反射する「カバー」の役を果たしている気体は、主に水蒸気、二酸化炭素(CO2)、大気中のオゾンです。
地球は太陽エネルギーを吸収して熱くなり、宇宙に赤外線を放射して部分的に冷却します。年単位で見ると、吸収エネルギー量と放射エネルギー量は一致しています。そうでなければ、地球の温度はどんどん上昇してしまうでしょう。
吸収エネルギーの一部は暖かい地帯で熱い季節に貯えられ、寒い季節に大気や宇宙に戻されます。このエネルギーは、より冷たい海域に流れていく海流によって伝達されたり、あるいは水の蒸発エネルギーとして消費されたりします。
何と何を作りますか?
◆やってみよう
ブロックでいろいろなものを作ってみましょう。あなたは何を作りますか?
車を作りますか? お家を作りますか? 動物ですか?
◆考えてみよう
ブロックは創造力を発揮することでいろいろなモノができあがっていきます。
さまざまな形を作るうちに新しい形を作りたくなることもあります。そしてさらに想像力は広がります。新しい形を作ったときにもそれを構成しているブロックはどれも前と同じブロックです。ブロックはいったんできあがったものを分解して再び利用し、違う形を作ることができます。ただし、もっともっとたくさんの種類、あるいは大きなものを作ろうとすると、ブロックは足らなくなってしまいます。それでも作りたいときは、それまでに作ったものをこわすしかありませんね。もちろんブロックならば買い足すもできます。でも、地球の資源は買い足すことはできません。
●解説
地球は人類が存在するよりはるか何十億年も昔、宇宙に誕生したときから循環型といえます。地球が循環型であるのは、宇宙に浮かぶひとつの閉じた環境だからです。閉じたという意味は地球の外と内の物質の出入りが無いということです。地球の中ではどれも限りある物質たちが循環しています。この閉じられた環境の中で私たちは暮らしています。人類は地球外で活動できる科学と技術を既に手に入れていますが、一般の人びとの活動範囲は今のところ地球を超えることはありませんから、生産、消費、文化、芸術など日常生活にかかわる人間の活動のすべても地球の大きな循環の中に組み込まれているのです。人間の活動が地球規模で大きくなってきている今日では、地球の物質循環に対する影響力が、時間的にも量的にも大きくなってきています。地球環境の中で何かが増えているとすれば、同じくこの地球のどこかで何かが滅っているのです。もちろんその逆もあります。「人口」「温室効果ガス」「ゴミ」などが増えているということは、どこで何が減っているのでしょうか?
どれを回しますか?
◆やってみよう
どれでも好きなコマを選んで回してみましょう。
回し方を工夫すると、思ったよりも遠くのコマを回すことができます。
◆考えてみよう
コマの3本の腕には磁石が入っていて、お互いに引きつけあったり反発しあったりしています。それぞれはお互いにかかわり合っています。
回すときにどれかひとつのコマを目標に決めて、そのコマからできるだけ離れたコマから目標のコマを回してみましょう。目標のコマを回すためには、途中のいくつかのコマも回ることになります。思ったよりも遠くのコマや動かすつもりの無かったコマまで動くことがあります。お互いにかかわり合っている状態ではひとつの動きがまわりの全てに影響を及ぼすことがあります。環境とはお互いにかかわり合っている状態のことでもあります。
●解説
どのようなものでも周りと関係なく存在することはありません。それは、お互いに影響し合っているということでもあります。「環境」は複数のコトやモノそれぞれの関係で成り立っています。人と人。モノと人。それらの集まったモノと自分などなど。
自然や地球との関係だけでなく、家族や社会と個人の関係やひとりの身体の中のいろいろな組織や細胞どうしの関係も「環境」と捉えることができます。さまざまな場面でこのかかわり合いを意識することが「環境」を考える上で大切な「環境感覚」です。
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