はじめに
約46億年前、誕生したばかりの地球の大気はヘリウムや水素などで構成されていたといわれています。その後、二酸化炭素や水が主成分となり、生命活動が活発になると共に酸素が増加し、成層圏にオゾン層が形成されました。約4〜6億年前のことです。
現在の地球の大気は容積の約78%がチッ素、約21%が酸素、残りはアルゴンや二酸化炭素などの微量なガスで構成されています。しかし20世紀に入り人間の活動が急速に進展することによって、このバランスは、かつてないほど急激に変化しています。
地球環境展では、こうした現状を踏まえ3カ年で制作しました。初年度は今急速に変化している地球環境全般を見渡して環境問題の導入部分としました。二年度では、生命にとって欠かすことの出来ない“水”をテーマに水環境問題を取り上げております。三年度目では、“大気”をテーマに大気問題を主に持続可能な社会のために、環境問題が一人ひとりにとって身近な問題として捉えられるように構成しております。
地球環境問題は、それぞれの問題が複雑に絡み合い、地球のバランスを大きく変化させています。いま私たちに求められていること、地球のためにできること、そして持続可能な社会を求めるためには何をすべきか等について本展を通じて、さまざまな角度から考えていただければ幸いです。
人間の営みによる大気環境の変化
−身近なオゾン層の破壊と影響−
1. 装置概要
→成層圏に存在するオゾンは太陽光の有害な紫外線から地上に住む生物を守ってくれる『日除け』みたいなものです。
→展示装置は実物の紫外線ランプ、オゾン発生器、実験用酸素の缶詰、及び紫外線に反応する蛍光画で構成されます。
→来館者は自ら描いた蛍光画を普通の空気、オゾン発生器によって作られたオゾンを入れたそれぞれのポリ袋の下に置いて紫外線ランプを照射し、オゾンの紫外線フィルター効果を観察します。
2. 実験手順
(1)運営員が来場者に出し・蛍光ペンを渡して絵を描いてもらう
(2)酸素ボンベ、オゾン発生器を操作してポリ袋にオゾンを充填する
(3)空気の入った普通のポリ袋を準備して、それぞれの場所において紫外線ランプを点灯し、空気とオゾンを透過した紫外線によってどのように絵が変化するかを観察してみる
(4)実験が終了した後はオゾンを活性炭の除去装置に通し大気に放出する
3. 主な機器の仕様
(1)オゾン発生器:空冷式・流量1L/min、オゾン発生量5gr/hr、
(2)酸素ボンベ:日酸TANAKA(株)製620ml・4.5L・95%(島津理化器械)
(3)紫外線ランプ:FL6W殺菌灯254nm/6W
(4)ポリ袋:0.03mm厚透明
(5)台紙:白色名刺サイズ
(6)蛍光ペンなど:市販品
(7)オゾン除去装置:活性炭200〜1000cc特型
(8)本体寸法:W500×H450×D300mm 重量約8kg
4. 消費電力
AC100V0.7KVA
−火山の噴火と影響−
1. 装置概要
→ 異常気象は、火山の噴火によって火山灰が上空に吹き上げられ、上空に滞留することによって太陽光が地表に届きにくくなり地表の温度に変化が起きた場合におきることが多い
→ この展示装置は、ステップ式の行灯装置を用いて火山の噴火 ⇒ 成層圏の環境の変化、例えば太陽光の状態など ⇒ 対流圏の環境の変化 ⇒ 地表温度などを順番に従って点灯させてわかりやすく説明する
2. 操作
→ スタートスイッチ操作による1シーケンス動作
3. 主な機器の仕様
(1)行灯ボックス本体:フォーレックス樹脂製特注品・内部行灯仕切り
(2)制御装置:特型
(3)行灯ランプ:IL AC100V20W
(4)本体寸法:W760×Hl000×D580mm 重量約40kg
4.消費電力
→ AC100V0.3KVA
−3R(Reduce, Reuse, Recycle)−
1. 装置概要
→ 私たちの日常生活の中でちょっとした工夫で消費量を減らし、ごみを減らせるものがかなりあります。また、再利用や再資源化することでこれまで『ごみ』としてその処理に頭を痛めてきた商品もかなりあります。ここでは減量、再利用、再資源化(3R)を実践することの大切さを実物及び解説グラフィックによって展示します
→ 装置は、3Rをイメージした三角柱什器のそれぞれの面に3Rの解説グラフィック、反転型の円筒形実物展示ケースによって構成されます
→ 来場者は、正面の解説を見ながら円筒ケースに展示された、例えばスーパーのレジ袋やリサイクルによって生まれ変わったペットボトルなどを見ながら理解することを狙いとします。
2. 操作
→ 回転型展示装置を手前に回転する
3. 主な機器の仕様
(1)展示台:合成木材(MDF)・クリアー塗装仕上げ
(2)グラフィックパネル:フォーレックス樹脂 t=10mm 加工・グラフィックシート貼り
(3)回転メカ機構:スチールベース・ベアリング内蔵・バランスウエイト付エンドレス回転特型:3台
(4)本体寸法(組み立て後):W1150xH1800xD1150mm 重量約70kg
4. 主な展示実物
使用済ペットボトル 使用済ペットボトルからリサイクルされた製品
レジ袋 マイバック
ポンプ容器入りシャンプー 詰め替え用シャンプー
使い捨て型商 繰り返し使用できて長持ちする商品
5. 消費電力
→ AC100V0KVA
−身近なライフスタイルを考える−
1. 装置概要
→ 環境破壊の元凶はなんと言っても経済拡大です。先進国は後進国の約100倍の資源を消費しないと成り立たないのです。僅か30年前までは殆どなかったエアコンやパソコン、携帯電話など、生産、使用、廃棄に至るまでエネルギーを使い環境の汚染を引き起こす製品に囲まれて私たちは生活をしています
→ このような問題に対して私たちはどのようなアクションを起こせばよいか、(1)自分でできること、(2)家庭でできること、(3)企業の取り組み、(4)社会の取り組みを通してライフスタイルを提案します
→ 装置は、それぞれの取り組みをわかりやすい照光式グラフィック、『ライフスタイルの提案の扉』で構成され、来場者が扉を開けるとそれぞれのテーマに関連した解説が内照式行灯によって読むことができます
2. 操作
→ 扉を開けてグラフィックの内容を読む
3. 主な機器の仕様
(1)行灯ボックス本体:フォーレックス樹脂製特注品・内部行灯仕切り
(2)行灯ランプ:IL ACl00V10w
(3)本体寸法(グラフィックパネル取付時):Wl130×H987×D400mm 重量約30kg
4. 消費電力
→ AC100V 0.2KVA
−自然エネルギーってなに−
1. 装置概要
→ エネルギーの問題は子孫に引き継がれる地球規模の問題であり、私情や偏見を排した大局的な視野に立って考える必要があります。そのために私たち一人一人がエネルギーに対して無責任な立場を取らないためのしっかりした知識を身につける必要があります
→ また、エネルギー問題は子孫へと引き継がれる大切な問題であり、日本はその大部分を海外に依存していることを認識しなければなりません
→ ここで取り上げる『新エネルギー』は環境負荷が少なく無尽蔵で枯渇の心配がないことを理解し、これまでの化石燃料依存の大規模集約型設備から地域密着分散型のエネルギーに転換する必要性を理解することを主な狙いとします
→ 装置は、『新エネルギーの扉』を開けると、図解グラフィックとともにそれぞれの新エネルギーに関する解説が表示されています
2. 操作
→ 扉を開けてグラフィックの内容を読む
3. 主な機器の仕様
(1)行灯ボックス本体:フォーレックス樹脂製特注品・内部行灯仕切り
(2)行灯ランプ:IL AC100V10w
(3)本体寸法(グラフィックパネル取付時):W1150×H987×D400mm 重量約30kg
4. 消費電力
→ AC100V0.2KVA
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