生態学的特徴 2
題名 |
Deep-Water distribution of the tropical alga introduced into
the Mediterranean : Caulerpa taxifolia. |
著者名 |
BELSHER T., MEINESZ A. |
誌名 |
Aquatic Botany |
年 |
1995 |
巻・号・ページ |
51:163-169 |
キーワード |
イチイヅタ、地中海、海底探査 |
要約 |
1984年に熱帯産のイチイヅタが地中海に移入し深層に拡散した模様を調査した。フランス海軍の潜水艦“Griffon”を使って行われた。イチイヅタは、モナコ近くの水深45〜100mのところでもっとも高濃度での繁茂が確認された。藻体は、泥の海底に漂流しているか、硬い基盤では固着していた。 |
その他 |
水深100mという通常、大型海藻が見られない水深でもイチイヅタが生育していたという生育水深についての報告 |
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生態学的特徴 42
題名 |
Caulerpa taxifolia (Caulerpales,Chlorophyta)in the
Mediterranean sea.
(地中海のイチイヅタ) |
著者名 |
内村真之 |
誌名 |
Japanese Journal of Phycology(藻類) |
年 |
1999 |
巻・号・ページ |
47:187-203 |
キーワード |
イチイヅタ、移入種、地中海、沿岸生態系 |
要約 |
イチイヅタは、サンゴ礁水槽内の飾りとして世界中の水族館で利用されてきた。その海藻が偶発的に地中海に移入したのが1984年である。新しい環境下で、この外来種は恐ろしいスピードでその生育地域を拡大し、フランス、イタリア、スペインやクロアチアにおいては、すでに広範囲で繁茂している。1992年にはイチイヅタの生育範囲は400ha、1993年には1300ha、そして1997年には5000haまで増大した。
この素早い拡大は、冬期における低温耐性と、地中海のイチイヅタの繁殖方法が熱帯に生育するイチイヅタと異なり、より活発であることに起因していると思われる。また、イチイヅタは岩礁域、砂、泥、海草の藻場の中でもどこでも生育が可能である。水面下0から35mまでは、100%の被覆が可能である。生育する水環境も、港の中などの汚染された海域でも、きれいな場所でもどこでも生育が可能である。
イワヅタ類には、50以上のテルペン類が忌避物質として報告されている。イチイヅタの主要含有物は、セスキテルペンのコーレルペニンであり、その含有量は、地中海の方が、熱帯のイチイヅタよりも多く含んでいる。また、コーレルペニンは、他の海中生物に毒性を示し、食物連鎖も懸念される。現在もその生育の拡大は続いており、地中海の生態系破壊の大きな原因となっている。 |
その他 |
地中海のイチイヅタ問題について日本で最初に紹介された総説である。 |
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