題名 |
Molecular ezidence for the aquarium origin of the green alga
Caulerpa taxifolia introduced to the Mediterranean sea. |
著者名 |
JOUSSON O., PAWLOWSKI J., ZANINETTI L., MEINESZ A., BOUDOURESQUE
C.F. |
誌名 |
Marine Ecology Progress Series |
年 |
1998 |
巻・号・ページ |
172:275-280 |
キーワード |
イチイヅタ(Caulerpa taxifolia)、地中海、水族館、ITS r DNA |
要約 |
イチイヅタの分子系統学的な解析をITS r DNAを使って初めて実施し、報告した。
イチイヅタ藻体は、地中海に生育しているもの、世界各国の水族館で飼育されているものと、熱帯域で生育している原種をサンプリングして行った。
その結果、地中海に生育しているイチイヅタは、1970年代から、ヨーロッパ各地の水族館で展示されている株と同株であることが示唆された。また、この株はすでに世界的に水族館の展示用(フランス、ドイツ、スイス、日本、ハワイ)として広がっており、これは新しい移入種として生物学的にたいへん危険である。
日本においては、江ノ島水族館で展示されている株は、地中海の株とほぼ同株であり、沖縄で生育している原種のイチイヅタは、地中海の変異型とは離れていた。また、紅海や地中海に生育しているコーレルパ・メキシカーナ(Caulerpa
mexicana)と、地中海のイチイヅタが分子系統学的には別種であることも示した。
イチイヅタの分子系統樹
Fig. 2. Maximum likelihood tree of Caulerpa spp. inferred from ITS rDNA sequences. Numbers at nodes are percentages of 100 bootstrap replicates. The same tree topology was obtained using neighbor-joining and maximum parsimony phylogenetic methods
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その他 |
地中海に異常繁茂したイチイヅタの起源について最初に決定付けた論文である。 |