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広町の自然
 「かまくら緑の探偵団」が勉強や見学や体験に利用している鎌倉市の広町は、約50ヘクタールの面積があります。
 その中には、開発が行われなかったため、たくさんの自然が残っています。数年前までは稲を作る田んぼや、そして畑もありました。そのため動物や植物も、鎌倉で貴重なものがたくさんあります。
 鎌倉市の「自然環境調査」でもその様子を知ることができます。
 植物が約400種、動物では哺乳類で7種、鳥類38種、爬虫類3種、両生類5種、昆虫類約460種、鳥類2種、底生動物38種がいます。
 広町は市内で一番広い緑地で、緑地内に多くの谷戸(やと)があって、それぞれ水辺環境が形成されていました。その谷戸では今、乾燥化が進んでいます。
 
《珍しい「カヤネズミ」を紹介しましょう》
 
かわいい川辺の生き物
カヤネズミ
直径10cmくらいの巣

ネズミ目ネズミ科
体長(鼻の先から尾のつけねまで)
約5cm〜8cm
 
 ぼくは世界最少(せかいさいしょう)のネズミといわれているんだ。
 たしかにチビだよ。しかし自分(じぶん)でいうのもなんだけど、ぼくはハンサムだし、きようだし、きれい好き(ずき)だ。その上、畑(はたけ)をあらすなど人のめいわいになることはしないよ。
 食べ物(たべもの)は、エノコログサなどイネ科(か)の植物(しょくぶつ)やイナゴなどの昆虫(こんちゅう)だ。くらしているところだって河原(かわら)などのススキやオギなどが生い茂る(おいしげる)場所(ばしょ)だよ。ススキやオギは、茎(くき)や葉(は)が長くて(ながくて)じょうぶだから、これをじょうずにからませて巣(す)をつくるのだ。
 茎がのびればその分(ぶん)、巣の位置(いち)は高く(たかく)なる。そよ風にゆられ実(じつ)に快適(かいてき)だよ。
 しかもヘビなどの敵(てき)におそわれるにくいというわけさ。だからさ、ススキやオギなどが茂る川辺(かわべ)の自然(しぜん)を大切(たいせつ)にしてほしいんだよ。
 お願い(ねがい)するよ。
 
 昭和30年代・40年代の、人口がどんどん増えた成長期に、鎌倉市長を務めた山本正一さんが、当時若い人たちに配った「手紙」をみなさんにお見せします。
 その頃の鎌倉市は、大船方面や深沢方面には、工場や住宅が増えてきました。町の将来を考え、古い歴史のある町を大切にするため、「古都保存法」という法律をつくる努力をされました。そして、町を囲む鎌倉の山の緑は保存されました。
 また、横須賀にあった「栄光学園」や「清泉女学院」を大船に移転することに協力しました。これは大船を教育・文化の地域にしたい、という計画からでした。
 この文章は、年寄りの人の多い鎌倉でも、高齢者を大事にする心が、自分も将来大切にされるという心に通じ、家族を大切にし、良い社会をつくるということにもなると思います。
 自然を大切にし、人々も大切にしたいですね。
 
少年も青年も
やがて年寄になる
年寄を大じにすることは
やがての自分を
大じにすることである
この意味を知りこれを
行うことが人間として
大切なことだと思う
年寄はこの人間の作法を
子や孫に篤と訓えておきたい
これが社会や子孫に遺す
何よりの贈りものである
山本正一書
 
 平成15年度に発足した「かまくら緑の探偵団」は、神奈川県内の6つの団からなる「緑の少年団」に加盟しています。そしてその組織は農水省の指導のもと、全国組織につながっています。
 「かまくら緑の探偵団」は県内三浦半島地区では唯一の少年団で、県のみどりトラスト財団の指導を受けて活動しています。
 
「探偵団」が活動、学習の舞台にしている「広町」は、平成15年に鎌倉市が宅地造成を計画した民間業者から買い上げた場所です。このあまり人の手の加わらない地域には貴重な動植物の育みがあり、県の環境調査や鎌倉市の自然環境調査でも、貴重な地域と確認されています。
 鎌倉市の調査では、植物は101科404種、哺乳類6科7種、鳥類21科38種、爬虫類2科3種、昆虫類122科462種などが生息しており、大変自然環境に恵まれています。
 この場所を、次世代を継ぐ若い人たちの体験学習の場に出来ることは有意義であります。
 NPO法人かまくら緑の会は、この場所でじっくり小中学生に緑を含めた自然環境を学んでほしいと願っています。
 
平成16年度のテーマ
◎木の下の整備 ◎水辺の生き物 ◎ホタル観察 ◎海・水辺の生き物
◎木や葉っぱの工作 ◎鳥の巣箱・道標づくり ◎鳥の巣箱・道標の取付け
◎野鳥の観察 ◎春の野山を歩く
 







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