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解剖学への招待 −私と献体 解剖学習を終えて−

 事業名 篤志献体の普及啓発
 団体名 日本篤志献体協会 注目度注目度5


十一月十八日
山形大学しらゆき会 石川 佐伎子
 
 今日は嬉しい日、朝七時すぎ、長女の裕子から最初の電話。
 「ポインセチアを届けようと思ったけれど早過ぎるって。お気に召さないかも知れないけれど」
 続いて次姉、倭文子姉から、
 「一寸面白い電報出したのよ」
 長姉から、
 「佐伎子さん、おめでとう。今さわやか(施設)にいるので、カード電話なの、残り少ないので切るわ」と短い通話。東京に嫁いだ娘の定例電話は「午前中家にいらしてね、ご免下さい」と相変わらずぶっきらぼう。
 八時を過ぎて妹から、のんびりかかってきた。去年は日にちを間違えたが、今年は間違わなかった。年に一日だけ、娘や姉妹に祝福される日、私は晴れがましかった。
 十時過ぎ、高いダンボール箱の花が届く。私の欲しかったシクラメン、真紅の花がピンと立っている。
 次の電報はメロディーピアノとある。入れ替わって宅急便は長姉の娘、彩子ちゃんからのお菓子、カードに「叔母様、八十二歳おめでとうございます。昨日母のところに行って、明日佐伎子叔母様のお誕生日、と言って来ました」とある。道理で去年は電話のなかった九十二歳の姉が早やばやと電話をくれたのだ。
 午前中留守にするなと言われた。香苗の花が未だだが、十一時半プールに出かけた。第三日曜の翌日でプールは監視員が三人、手持ち無沙汰そう。一人に頼んでカメラで、『飛び込み台に立った所』と『飛び込み』を四回続けて撮っていただいた。去年のように水飛沫だけでなく、何か写ったことでしょう。
 久し振りで一コースに飛び込み、クロール、日本泳法の一重伸ばしを練習しながら二十五メートル泳ぐと、五回ジャンプしてから飛び込み台に立つ。地上で跳べない私だが、水中では未だ跳べる。目標の五十回を跳び、飛び込みも二十回クリアすると五十分、たった一人のプールから上がる。例年に比べて今日は暖かい。乾いた道を自転車のペダルを踏む。加山雄三の歌ではないけれど、「幸せだなあ、八十二歳で泳げるし、自転車にも乗れる・・・」と帰宅した。
 シクラメンに水をやり、窓辺に置くと、花屋からお届けしますと電話があった。二十分後には届くかと出たり入ったり落ちつかない。一時間近く経っても辛抱しきれず道路に出たら小型車が止まった。「成沢から交通渋滞で遅くなってすみません」と恐縮しながら帰った。
 篭一杯にピンクとクリームの花が溢れ、早速居間に飾り写真を撮る。シクラメンも撮り終わると、未だ見てない電報を開いた。台紙を開くと紙のピアノが立ち上がる。左のボタンを押すと宇多田ヒカルの歌、右のボタンを押すと付属の楽譜通りハッピーバースデートゥーユー、ジングルベル、リトルスターと三曲が弾ける。ひとしきり弾いたあと、電文を読んだ。
 「八十歳を過ぎたのですから、体と相談して慎重に行動なさって下さい倭文子」八十四歳の姉だ。
 おだてられるといい気になる私は、慎重に行動するようにと自戒した。
 
白菊会日本大学松戸歯学部支部 石川 凉子
 
 この人生で自分は何をなすべきか、七十一才になっても求めて、いました。そんな時私の読んだ本に心の中の宇宙をそっとのぞけば豊かで愛に満ちた貴女にきっと、出会えるとありました。
 松戸第四号の学生文集の中に一番に目にとびこんで来たのは、人間の中には宇宙があるが、目にとびこんで来ました。「ああ」とつぶやきました。
 医学生として、眞執に敬虔な気持で医者になると自分を持って勉学に励んでいられる、皆様を尊敬し、有難く、思います。そんな皆様からこんなにも感謝していたゞき、一生に一度あるか、ないか位です。
 お会いすることもない人間関係、こういう関係もあるのですね。同じ宇宙に生かされているのですから改めてこの体は自分の体で自分の体ではない、その時まで大切に生きなければと思いました。
 どうか皆様がすばらしいお医者様になられますように。
 
弘前大学白菊会 石田 信
 
 主人が青森で鉄道勤務の頃、私は小学校卒業の春、目を患い危うく失明しそうになり、久保木眼科へ通院のため、浦町のきよめ教会へ同居させて頂き八ヶ月で癒されました。青森は私達にとって思い出の街になっております。
 毎年白菊会から送って頂く「弘大しらぎく」をもう一度目を通してみました。「特集解剖実習を終えて」の医学部学生の手記を読んで、黙祷から始まった解剖実習から教科書では得られない専門知識を学んで、人間に対する愛と畏敬を持ち続ける立派な医者になりたいと思うと、医学生の心がひしひしと伝わってきました。やはり献体してよかったと感謝しております。北見の兄に感化されて献体登録して早十七年位になるでしょうか、採卵養鶏もオイルショックで苦労しましたが御恵の中に守られ八年前に終え身軽になり只今隠居です。
 四人の子供達も娘三人は夫々の家庭の人となり、長男は「人の為になる仕事をしたい」と、千葉の「風の学校」(NGO)からフィリピン振り出しに、今はメキシコの山岳地帯の井戸掘りに四年目の仕事に九月に又出かけました。原住民の人達と水対策に取組んでいるようです。
 白菊会の集いには、浅虫での時と、平成十年十月弘前での総会と慰霊祭に出席させて頂きました。弘前には、何年来からの願い叶っての事本当に感謝でした。前の日、車で主人と出かけ弘前城と菊まつりも見ました。春の桜は遠いので今はTVで観桜会を楽しんでおります。主人は若い頃たしなんだ囲碁をひとりでTVに只今熱中して毎日楽しんでおります。若い頃弱かったので、貝原益軒の様にとよく噛んで食べ、ホーレン草と納豆を毎日頂き、ウォーキングと自己流の体操をかかさず今は風邪心引かなくなりました。私は腰は曲り、白内障の手術、今年は難聴が進んで、補聴器の生活になりました。主人はそれでも母に似て百歳までも大丈夫と思っているらしいですが、私は家庭菜園と下手なガーデニングを楽しんで居ります。日曜日は必ず教会に集い、聖書からのメッセージを頂き日毎の心の糧にしております。主人も以前は一緒でしたが今は趣味にとらわれ長期欠席で家庭集会だけ守って居ります。後何年一緒に出かけられるのかと思うのですが、すべてに時があるとの事ですから其の時のために祈り続けております。
 でも主人が健康なので私も通院出来るので今は感謝しております。
 私達生涯終えた時、霊は天国へ亡き骸は医学のために役立てる事が出来ると思うと、毎日を大切に過ごしたいと思います。
 「常に喜びすべての事を感謝して、たえず祈りなさい」聖書
 世界に平和が来ます様に平和の神様に祈りつつ歩んで参りたいと思って居ります。
 
福島県立医科大学志らぎく会 石橋 誠
 
 今朝方のこと、入口を見ると何と銀の玉が所せましとおいてあるではありませんか。私はあまりの美しさに目をみはって何気なく指でさわってしまいました。銀の玉はきらきらと輝いて私の目をみつめていました。何という幸せと私は思わずそばにいた妻の顔をみました。妻は当然のことといった顔でいましたが、こんな恵みが私という人間にもあるのだろうかと感きわまってしまいました。妻にその話を言おうとした時、銀の玉と思っていたのは水道からおくられた美しい水玉である事に気がつきました。何と言う幸せだった事でしょうか。私はしばらくの間ぼう然としていましたが、恵みだねと思ってしまいました。よろこびとか、感謝は多少の差こそあれ、すべての人に与えられるものであることを改めて受けとめられずにはおられませんでした。その後のわが家は、二人の息子と娘はそれぞれ孫を与えられて幸福な日々をおくっております。この幸福な、なんの不満もなく私と家内の生活は感謝の生活を続けております。不満と不平は家庭生活を一瞬のうちに暗くするものです。それにくらべて水の玉を銀の玉と受けとったことで家庭内は明るくなるものではないでしょうか。
 春先のある日、福島駅前の長椅子に腰をおろしていると、品の良い老齢の男の方と知り合いになりました。この方はかつて旧満州におくられたという方で生きるすべを学ぶことが出来ましてね、と話をしてくれました。10分と思っていたのが30分近くなり厚くお礼をのべてお別れしましたが、実に、会うは別れの初めとなりあの日を忘れることが出来ずにおります。生まれたからには何かをやらなければならないとの方と、接触を通して教えられたのでした。そう言えば会うは別れの初めであると教えてくれたのは、今はなき高校時代の校長先生でした。一粒の麦となりなさいと訴えられていたあの姿が昨日のように目に浮かんできます。人生よいことばかりではないものです。奉仕とは損して徳とする生き方に他なりませんと教えてくれたのは先輩のある方でした。世の移り変わりの中で、その経験から名訓示を残される方はすばらしい林檎のようなものではないでしょうか。
 影響し合って生きることは人間の特権ではないでしょうか。心のうたは年と共に尽きること無く続いています。皆様の上に祝福豊かにありますようにとお祈りさせて頂きます。
 
千葉白菊会 伊藤 祐二
 
 私が「白菊会」に入会したのは、現在、会長でおられます丸山武文様との出逢いからでした。丸山様は以前より私の理容店のお客様でしたが、ある日偶然「献体」の事が私と丸山様との話題になった時、私が以前から強い関心を持っていた事を丸山様がお知りになり、早速「白菊会」の説明書を手配して頂き、それまでの私の想いを実現できたのでした。その「献体」に強い関心を持つようになったのは、今から二十数年前、都内にある「バーバーウスイ」という理容店での修業時代のことでした。店のオーナーご夫妻から、ご自分達のお子様が生まれながらに心臓に障害があったため、八方手を尽くした甲斐もなく亡くなられた事を話されたと共に、生まれて数ヶ月の短い人生だった不愍なお子様を思い、一人でもそのようなお子様が出ないよう医学の発展を願い、ご夫妻で「献体」の提供者として登録された旨を私に告白された時のことを今でも忘れられません。
 それにもう一つ、丸山様から「白菊会」の事をお聞きする半年程前に私の父が他界し、その人生の締めくくりに子供として携わり、ふと自分の人生に思いを巡らせていた頃でもありました。人生は全て人と人との関わりから始まり、関わりの中で終えるものでしょうから、人と人との縁というものを大切にして行きたいと考えて来ました。その中で「白菊会」に入会する事ができた丸山様との出逢いは、私の人生において大きな意味を持つ縁でした。これからもどうぞ宜しくお願い致します。







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更新日: 2018年9月15日

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