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しおかぜ
Shiokaze
 
しおかぜ 新春号 平成16年1月1日発行 第60号
 
初日の出 富士晴姿
 
釣人へ
釣り安全「五管五則」
ひとつ ひごろの気象の把握 気象の把握
 常に気象を把握して、無理のないレジャーを楽しみましょう。
 「せっかく遠いとこに来たんやから、これくらいの風や波でやめて帰るんはもったいない・・・」と、思ったことはありませんか
 「時には、やめる勇気を持とう」
ふたつ ふだんの携帯持って
携帯電話で118番
 海水をかぶっても濡れないように携帯電話を防水パックに入れる。海中転落したら、「海のもしもは118番」通報で海上保安庁に救助要請
みっつ みんなで ひとりで行かぬ
単独行動の回避
 海中転落の時でも、仲間がそばにいれば、助けてもらえる。救助要請してもらえる。「釣り仲間ほどありがたい者はなしや」
よっつ 予期せぬ 高波注意
一発波、高波に注意
 高波に呑まれると、ライフジャケットを着けていても海中に引き込まれる場合があります。
 気象の把握とともに、波にも十分注意しましょう。「波に背を向けるな」ベテラン釣り師の忠告です。
いつつ いつものライフジャケつけて
ライフジャケットの着用
 ライフジャケットを着用していれば、海中転落しても救助が来るまでの長時間浮いていられる。
 「ライジャケ着けて 大きな安心 ごっつい釣果」
(第五管区海上保安本部)
 
社団法人 関西小型船安全協会
会長 山村 彰
 
 
 新春にあたり一言ご挨拶申しあげます。
 会員の皆様ならびに第五管区海上保安本部本部長はじめ、海上保安部の方々「新年明けましておめでとうございます。」日頃は安全な水上レジャー活動確保のためにご協力とご指導を賜り心より深く御礼申し上げます。
 さて、昨年後半より日本の経済も低迷状態から脱したかと思われる様々な数値が発表されておりますが、プレジャーボート業界におかれましては近年国民の余暇活動の多様化により水上オートバイ等による水上レジャー活動は益々活発化しておりその健全な発展を願うところであります。
 残念なことにプレジャーボートによる海難事故は毎年増加傾向にあります。しかし当協会会員による事故は一度もありません。今年もより一層の会員数の増加をはかり、さらなる安全確保のために必要な知識と意識の普及活動を強力に推進し事故防止に役立ってまいりたいと考えております。
 昨年琵琶湖で起こりましたヨットの沈没事故は皆様方の記憶に新しいところであります。当事故に於いてもライフジャケット着用の重要性を再認識させられました。乗船の時、いかなる場合にもライフジャケットの着用をしていただくようお願いしたいと思います。
 藤井副会長のご協力により当協会もホームページを立ち上げることができました。
 今後は当協会の活動状況やイベントの御案内等を会員の皆様に直接お知らせすることも出来るようになり、又会員の皆様から当協会にたいするご意見などもどしどしいただき、より良い協会活動の参考にさせて頂きたいとおもいます。
 今年も会員の皆様方の安全で楽しい海洋レジャーを祈念いたしますとともに当協会の活動意義をご理解いただき会員数の増加にもご協力賜りますようお願い申し上げます。
 最後に会員皆様方の益々のご健勝と海上保安本部の皆様方のご活躍を祈念し、新年のご挨拶といたします。
 
第五管区海上保安本部
本部長 伊藤 隆
 
 
 新年あけましておめでとうございます。
 21世紀に入り、ますます激動する時代にあって、心安らかに新たな年を迎えられたことを大変喜ばしく思います。
 関西小型船安全協会会員の皆様方には、平素から海上保安業務に深いご理解とご協力をいただき、心から御礼申し上げます。
 貴協会における小型船舶の海難防止・運航マナー向上等の幅広いご活動に対しましては、深く敬意を表する次第であります。
 さて、近年はマリンレジャーもかなり広く国民に普及いたしました。
 多くの方々が、海に関心を抱き、海に親しむことで有意義に余暇を楽しまれるのは、非常に喜ばしいことでありますが、その反面、これらに起因する海難も多発しております。
 当管内のみならず、全国的にみましても、プレジャーボート海難は全海難の約半数を占めており、これをいかに減少させるかは海上保安業務上、大きな課題の一つでもあります。
 昨年6月には船舶職員法が改正され、子供や水上オートバイ操縦者のライフジャケット着用が義務付けられました。残念なことに、その直後に琵琶湖でヨットの転覆という大きな事故が発生しましたが、ライフジャケットを着用していた方はすべて生存しており、その必要性が改めて認識されたことは記憶に新しいことと思います。
 マリンレジャーの広がりとともに、増加する事故を未然に防止するためには、海難防止思想の普及・高揚、運航技能の習得・向上等が必要不可欠であり、貴協会会員皆様の地域に密着した精力的な活動に負うところは多大であります。
 第五管区海上保安本部におきましても、このような海難を一件でも減少させるべく、海の安全に関する情報の提供や海難防止思想の普及・高揚に努める所存でございます。
 会員の皆様には、今年も更なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。
 最後に、貴協会のますますのご発展と会員皆様方のご健勝・ご安航を祈念いたしまして新年のご挨拶とさせていただきます。
 
海図
 プレジャーボートの海難事故が多発する中、安全航行に不可欠な「海図」。
 私たちプレジャーボート愛好家も、何となくこの海図を軽視してはいないでしょうか。
 一歩まちがえば命につながる大惨事を招く海上の航行に際し、事前にこの重要な「海図」への認識を新たにしたいものです。
 そこで、皆様方の海図への関心を喚起する願いを込めて、海図に関わる記事をとりあげてみました。
(資料は(財)日本水路協会ご提供によるものです。)
 
 
 
 
海図の見方
 海図は、海の案内図で航海をするうえに欠かせないものです。
 海図は使う目的によって種々に分類されており、一般に航海用に使用される図と航海の参考用に使用される図とに分けられます。前者は狭義の海図で航海用海図といい、後者を水路特殊図といいます。
 このほかに、海洋開発等に広く使用される海の基本図があります。
 
〔電子海図比較表〕
  航海用電子海図
Electronic Navigational Chart
航海用電子参考図
Electronic Reference Chart
PC用航海参考図
Personal Electronic Reference Chart
表示装置 ECDIS (Electronic Chart Display and Information System)
☆PCに表示するソフト多数あり
ECS(Electronic Chart System)
専用の表示装置
OS:Windows NT,95,98,Me
2000,XP
対象船舶 外航大型船 内航船、漁船等 プレジャーボート等
媒体 CD-ROM ICメモリーカード(512kb) CD-ROM
データ更新 月1回(電子水路通報) 原則年1回更新版発行 原則年1回更新版発行
収録情報 海図同等 海岸線、等深線(5,10,20m)、航路標識航路、水中障害物(5m以浅は省略)、架空線、海底電力線、著目標等 航海用電子参考図に同じ
データ密度
(1画面)
約7〜8万点 約8,000点 8,000点以上
初版年 平成7年3月 平成5年 平成12年2月
 
電子海図
 電子海図(Electronic Chart)は、紙に印刷された航海用海図をデジタルデータに変換し、電子的にディスプレイ上に海図情報を表示するシステムの総称として使われています。その一つは、紙の海図と同等の機能をもつ電子海図表示システム(Electronic Chart Display and Information System : ECDIS)と呼ばれるもので、海図情報及び装置のいづれも国際的な仕様に基づいて作製されています。二つ目として、電子海図システム(Electronic Chart System : ECS)と呼ばれ、紙の海図と同等ではないが、航海に必要な主要情報を表示するシステムです。日本水路協会が発行している航海用電子参考図やラスター海図を利用するシステムなどがこれにあたります。
 
海図の分類
〔I〕航海用海図
 一般に海図といえば、この海図のことです。航海用海図はその縮尺によって、さらに次の5種類に分けられます。
 
(1)総図
 地球上の極めて大きな区域を一図に収めたもので、主として航海計画立案用に、また長途の航海にも使用されます。遠洋航海計画の際に、大圏航法図とともに使用されるのは、この種の海図です。縮尺1/400万よりも小縮尺のものがこの分類に入ります。
(2)航洋図
 長途の航海に用いられ、沖合の水深、主要灯台の位置、遠距離からの視認可能の自然目標などが図示してあります。縮尺1/100万より小縮尺のものがこの分類に入ります。
(3)航海図
 陸地を視界に保って航行する場合に使用され、船位は陸上物標により決定できるように表現されています。縮尺1/30万より小縮尺のものがこの分類に入り、日本近海は1/50万の縮尺の図で全部包含されます。
(4)海岸図
 沿岸航海に使用するもので、沿岸地形が詳細に表現してあります。縮尺1/5万より小縮尺の図がこの分類に入り、日本沿岸は縮尺1/20万シリーズの図(一部1/25万、1/30万の図を含む)で包含されており、船舶が輻輳する海域や大港湾へのアプローチ用として縮尺1/10万の図が刊行されています。
(5)港泊図
 港湾、泊地、錨地、漁港及び水道、瀬戸のような小区域のものを詳細に描いたもので縮尺はいろいろあるが、1/5万未満の大縮尺の図は、すべてこの分類に含まれます。
 航海用海図には、電波航法用の格子(Lattice)を加刷したロラン海図(Loran Chart)もあります。
 このほか国際海図がありますが、これは国際水路機関の決議により各担当国が分担刊行しているもので、全世界を19版で覆う1/1,000万シリーズと1/350万シリーズ(60版)の2組があります。
 
〔II〕水路特殊図
 航海の参考に使用される図で、次のようなものがあります。
 海流図、潮流図、磁針偏差図、大圏航法図、パイロットチャート、位置記入用図、天測位置記入用図、漁具定置箇所一覧図、測地系変換図、ろかい船等灯火表示海域一覧図、海図図式などです。
 
〔III〕海の基本図
 海図が航海専用の海の主題図(Thematic Map)ならば、「海の基本図」は海の多目的な利用(海洋開発、環境保全、防災等)に供する一般図(General Map)といえ、次の種類があります。
(1)大陸棚の海の基本図
 大陸棚の海の基本図には縮尺別に、1/20万、1/50万、1/100万の3種類があります。
(2)沿岸の海の基本図
 沿岸の海の基本図には、縮尺別に1/1万、1/5万の2種類があります。







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