中国からの招聘と準備
招聘と渡中準備
1. 当センターは、毎年3月段階で派遣予定教師(登録教師)の「履歴書」「健康診断書」を中国国家外国専家局へ送付します。中国側はそのリストをもとに、当センターが行う派遣教師オリエンテーションの推移を見守り、中国各地の大学・学院と連絡し、「招聘希望教師」の集約を行います。
2. 中国からの招聘は「招聘者名、招聘先」を記して、早ければ6月上旬頃から7月中旬まで、ある時はまとめて、ある時は個々に当センターへ到達します。
センターはそのつど、招聘をうけた登録教師へ、連絡し、渡中準備をお願いします。
〔渡航に必要な準備〕
★旅券・・・旅券の有無の確認。有効期間の確認。
(有効期間は残余が1年以上。)
★健康診断書〔外国人体格検査記録〕
・・・中国語で記載された固有の「健康診断書(外国人体格検査記録)」により、国公立(当センターの場合は、公務員共済組合設立の病院)の病院でエイズ、梅毒、B型肝炎の検査を含む健康診断を受けていただきます。(有効期間3ヵ月)
(末尾※参照)
(注)1. 貼付した写真に、検糞を受けた医療機関の公印で割印を貰うこと。
2. 最後の証明欄に、医療機関名のほか公印と、担当医師の署名・捺印を貰うこと。
●血液検査データー・・・元本(エイズ、梅毒、B型肝炎の検査記録)
●心電図データー・・・元本
●胸部X線撮影フィルム・・・元本
★検査のデーター
・・・上記検査データー(血液検査、エイズ・梅毒、B型肝炎、心電図検査、胸部X線検査のネガ)は、その検査方法及び結果が記載されたもので、特定項目について他の病院へ委託した場合はその病院の印鑑押印と、担当医の署名が必要です(有効期間は3ヵ月)。
この元本を中国へ持参してください。
★写真
・・・在日中国大使館へのビザ申請の際に必要ですから、ビザ申請書、健康診断書に貼付するほか、予備として写真1枚を必ず一緒に提出してください。(3cm×4cm、胸より上部、無帽)
なお、中国の学校へ赴任してから、「居留証」「工作証」「外籍文教専家証」の交付を受ける際にも必要ですから、3〜4枚を中国へ持参してください。
★ビザ申請書
・・・所定の位置〔  証申請表〕に写真を貼り、必要事項を記入して提出してください(不明な部分は当方で記入しますから、空白でよい)。
なお、赴任中の傷病の治療費は協定により中国側が負担しますが、疾病のため任期途中で帰国し、日本の医療機関で診療を続ける場合は、中国は負担しません。万一の場合を考慮して、日本の「海外旅行傷害保険」に「傷病」を付加して、保険を掛けておかれることをお勧めします。
なお、中国は現在、医療制度の見直しを行っている過程であり、地域によっては若干の費用負担を求められる場合があります。
同伴者の場合
ビザには次の種類があります。
Z: 就業ビザ(ZHI YE ジィー イェ)・・・「就労ビザ」。派遣教師はこれが必要
F: 訪問ビザ(FANG WEN ファン ウェン)・・・友好訪問や業務会談等。
L: 旅遊ビザ(Lu YOU リィ ユー)・・・「観光ビザ」。有効期間は一カ月。
X: 学習ビザ(XUE XI シュエ シィ)・・・「留学」などに使う。長期。
D: 定住ビザ(DING JU ディン ジュ)・・・中国に定住する場合。
G: 過境ビザ(GOU JlNG ゴーア ジン)・・・国境を単に通過する場合。
J: 記者ビザ(JI ZHE ジュ ジュア)・・・常駐と臨時ビザがある。
同伴者が長期の場合はZビザが必要で、招聘状、健康診断書などは本人同様です。短期の場合、招聘状があれば健康診断書不要で3ヵ月滞在可能なFビザがとれます。招聘状が無くても、1ヵ月以内のFビザ、Lビザがとれます。
1. 招聘をうけた登録教師には、(1)招聘先の大学もしくは学院名。(2)所在地。(3)当センター派遣の日本語教師の有無について情報をお伝えします。
2. 当センターからの派遣教師がある場合には、その教師宛、いない場合にはその学校の「外事弁公室」宛に、(1)教育の対象(2)日本語教育の程度(初級、中級、上級の別)。(3)準備する教科書または教材。(4)パソコン、ラジカセ等の機器の必要性。(5)生活環境等々について個別に信書で問い合わせるほか方法がありません。
赴任校の「事前情報」については、専家局も極力招聘校へ「報告」するように求めていますが、ちょうど招聘状を発する時期から大学・学院が学年末休暇に入ることもあって、的確な情報が得られるかどうかは不明です。
〔宛て名の書き方〕
ただし、外国から中国へ出す信書には「郵便番号」の記載は必要ありません。
中国での疾病については、専家局との協定で「公費医療」が保障されますが、海外旅行者傷害保健に加入しておれば、領収書によって、保険で補填できます。また、途中帰国で「治療継続」も、その保険で賄えます。特約で「携行品損害」「賠償責任」なども付保しておけば、まず安心でしょう。もちろん、加入するかどうかは自由です。
(保険料は年々変動していますから、後日お知らせします)
保険金額 |
傷害 |
死亡・後遺障害
治療費用 |
死亡と後遺障害に1,000万円〜 の保険金と治療費用に300万円〜500万円程度の保険金 |
疾病 |
治療費用
死亡 |
30万円程度から50万円程度までの保障と、疾病死亡に1,000万円〜2,000万円の保障 |
賠償責任 |
3,000万円程度の賠償を保障 |
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上記に「特約」として「携行品損害(30万円で7〜8千円)」「救援者費用(200万円で1.500円程度)」を付ければ万全と思われます。
〔注〕特約をつけ、一時帰国中の日本での事故も担保。回数は何回でも可。但し一回は30日限度。(保険料は同じ)
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1. 招聘状がきて、ビザも取って、中国での教育・生活の準備も整いました。いよいよ出発です。
中国の新学期は9月からです、当センターからの派遣も8月に集中しています(大学側の事情によって9月や2月に派遣する場合もあります)。
2. 大量に渡航する8月の派遣では、当センターでは、出発日を決め、当センターが誘導して訪中するようにしています。
なお、出発日の前日には「派遣前日のミーティング」を行い、旅券、航空券(注)、「添付資料」の返還を行います。
(注)当センターは派遣する教師へ、1年間有効の往復航空券(帰路は搭乗期日を自分で指定するオープン方式)を支給しております。
3. 渡航便は、招聘先の所在地にあわせて、「北京組」「上海組」に分け、新東京国際空港(成田)から出発します。
北京組も上海組も午後2時過ぎの出発ですが、成田空港第2ターミナルの集結時間を正午にしています。周辺のホテルに前泊の必要な方は「予約」をお世話します。
◎★ホリディ・イン東武成田 TEL 0476-32-1234
★成田エアポート レストハウス TEL 0476-32-1212
4. 出発当日は、指定した集合場所(成田空港第二ターミナルJAL○○カウンター)、時間に、遅れないように集合し、直ちに「搭乗手続き」を行います。この際、託送便等で、空港へ荷物を送った方も、荷物を受け取って集合してください。
例年、搭乗手続き終了後予約してある特別待合室で乾杯(見送りの人々も参加)したのち、旅客機に搭乗しています。
5. 北京空港、或いは上海空港には中国国家外国専家局の担当者及び大学・学院の関係者が車を準備して出迎え、派遣教師の名札(予め配付)を頼りに自校の招聘教師をキャッチし、北京の場合は中国国家外国専家局のある友誼賓館か、北京外国専家大厦、上海の場合は同済大学へそれぞれ案内します。
6. 到着後、観光や専家局主催の「歓迎日程」に従ってください。
7. 歓迎行事終了後、招聘した大学側の責任で、招聘教師を任地へ案内します。(中国の交通事情は大変逼迫しており、航空券が入手できないときは、数日を北京或いは上海で過ごすこともあり、或いは長時間の列車の旅を経験することになるかもしれません。)
事前情報
赴任する場合の悩みの種は「携行する荷物」です。日本語教師として、教育上必要な教科書、教材、教育機器、参考書等々、前述のとおり、大学、学院によって異なりますから、個々に確かめるしか方法がありません。(中国国家外国専家局は、93年度より、招聘に際しては必要事項を報告するように学校側に求めていますが、必要かつ充分な情報が得られるかどうかは不明です。)
派遣教師の経験では、日本からチョークと黒板消しの持参が必要と言われています。
日常生活に必要な物資も、或るものは大量にあり、こんなものがと思う物が入手困難であったりします。中国は考えている以上に広大ですから、地域によっては文化も習慣も違います。(大都市では日本の味噌、醤油まで入手できるといいます。)
荷物の搬送
1. 出発時の航空荷物は、機内預けの重量は無料分は通常20kgとされていますが、大勢で出発する8月末には航空会社と交渉し、これを30kgとかに拡大してきました。しかし、最近は厳しくなって拡大できるかどうか不明です。
招聘時期により、単独渡航となる場合は、この交渉は無理ですから、およそ20kgまでを目安としてください。中国の税制では、「文教専家」の教育用のバソコンも課税の対象とされてきましたが99年中国郵政部第5号の通知では「外国人専門家として、初めて中国へ入国する際、個人使用のビデオカメラ、VCD、携帯型コンピュータ等、教育用器機、サンプル、工具等、免税待遇にあたる」としています。しかし、申請手続きが複雑で現実的ではありません。
注〕
1. 大きなスーツケース類は、運送会社に頼んで空港で受け取るようにしておくと便利です。出発便名を言って空港で受け取れるよう手配してください。
(例、日通のABC便、「宅配便」「託送便」等)
2. 赴任後も家から、身の回りの品物や缶詰、食料品等を送ってもらうことは可能です。郵便局や運送業者にご相談ください。ただし、船便の場合は、上海とか天津とかの港まで、荷物を取りに行かなければなりませんから、ご注意ください。中国には「宅配便」という制度は、まず無いものと思ってください。(地域によっては大都市中心に宅配便制度があるところもあります。)
国際航空券
派遣に際して、CA等の航空券のように当センターから支給する「国際航空券(往復は、限られた派遣予算で、できるだけ多くの日本語教師を派遣するために、「格安航空券」を入手しています。(帰路はオープンになっており、事前予約が必要。)
そのため、ノーマル航空券とは異なり、幾つかの制約があります。
(1)キャンセルができません。(帰路、記載された搭乗地以外の空港から乗るために、キャンセルをしようとしても、割戻しがありません。)
(2)他の航空便に乗り換えることができません。(搭乗地をかえることもできません。)
以上のことをご了承いただいて、利用してください。
当センターでは、事前に十分に説明したつもりでも、なかには帰国後、使わなかった航空券の払戻しや、ご自分で購入された航空券代金を請求される方があります。当センターでは、これらのご請求には対応できませんので、あらかじめご了解ください。
3ヵ月以上の居留者は日本国大使館(領事館)へ「在留届」を提出する義務があります。(旅券法第16条。届け出は郵送でもいい。但し罰則はありません。)
駐中国日本国大使館:北京市建国門外日壇路7号
TEL:北京010-6532-2361
領事部:北京市東三環北路北京南銀大我厦2階
TEL:010-6410-6970
広報文化部:北京市建国門外大街21号北京国際倶楽部弁公大楼2階
010-6532-2361
駐上海日本国総領事館:上海市万山路8号
TEL:上海021-6278-0788
駐広州日本国総領事館:広州市環市東路368号花園大厦
TEL:020-8334-3009,3090
駐瀋陽日本国総領事館:瀋陽市和平区十四緯路50号
TEL:024-2322-7490
在瀋陽日本国総領事館在大連出張駐在官事務所:大連市沙河口区黄河路582号博愛大厦5階
TEL:411-462-5606〜7
在中華人民共和国日本国大使館在重慶出張駐在官事務所:
重慶市渝中区民生路283号陽光大厦14階
TEL:023-6373-3585
在香港日本国総領事館:香港中環康楽廣場8号光易廣場第一座46楼及47楼
TEL:852-2522-1184〜8
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〔大使館の資料の活用〕
中国での教材用に、日本国大使館に準備されている資料を活用する方法があります。
例えば、「日本文化史」、「季刊日中画報」、「今日日本」(雑誌、いずれも中国語)などは、何冊でも貰えます。
ビデオでは「日本の生活ガイド」「健一、夏子の東京・京都紹介」「向21世紀日本対華経済合作」(いずれも中国語)などがあり、貸出しをしています。
大使館では、その利用を歓迎しています。
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