◆21世紀若者賞◆
吉岡 大祐(よしおか だいすけ)
(昭51.3.27生)
愛媛県松山市/ネパール
ネパールの貧しい人々を医療面から援けようと、無料の鍼灸鎮痛治療、老人の無料往診、末期がん患者の鎮痛治療、小児B型肝炎のワクチン普及運動、僻地での医療キャンプと衛生指導等を行い、貧困家庭の児童の就学を支援されている。
(推薦者 荒木仁美)
Mr. Daisuke Yoshioka
(Born on March 27, 1976)
Nepal / Shibuya-ku, Tokyo
To provide medical assistance to the poor people of Nepal, Mr. Daisuke Yoshioka has been providing free acupuncture and moxibustion for pain relief, free house visits for the elderly, pain relief treatment for terminal cancer patients, dissemination of vaccine for infantile hepatitis B, medical camps and hygienic guidance in isolated areas, etc. He also helps to send children from poor families to school.
Recommended by Ms. Hitomi Araki
吉岡さんは、平成10年に日本の鍼灸学校を卒業し、語学修得のためネパール国立トリヴバン大学に留学した。そこで日本では考えられない貧困の現実を目の当たりにし、余暇を利用して近所の老人達に無料のボランティア治療を始めたところ、噂を聞いて村中の老人達が治療を求めてきた。一年が過ぎた頃、吉岡さんのひたむきな治療に感動したネパール癌協会理事長から治療室の提供を受け、がん患者をはじめ痛みに苦しむ患者の鎮痛治療を目的としたペインクリニックを開設した。治療費は無料で現在も続いている。
平成14年、ネパール初のホスピスが完成し、吉岡さんは、そこで末期がん患者への鎮痛治療に力を入れることになった。また、歩行困難な老人のために無料の往診治療を行い、小児B型肝炎のワクチン普及運動に尽力し、友人の医師とともに月1回程度、医療施設のない僻地・僻村で医療キャンプを開催して衛生指導も含めた医療活動を行っている。
このほか、48名の里親会員に支えられて母子家庭や被差別階級の貧しい子ども達の就学を支援し、また日本の高校生をネパールに受け入れて子供達との交流活動を行い成果を上げている。
カースト制度と宗教思想のため、衛生指導の受入れ・普及には困難が伴い、長期にわたる忍耐強い活動が必要と知った。貧しさ故に就学率の低い同国には現在も100名超の就学希望者がいる。
受賞の言葉
ネパールは雄大なヒマラヤの麓に純朴な人々が暮らす素晴らしい国ですが、小学校卒業率は僅か20%程度、多くの子供達は教育をうける機会がありません。読み書きが出来ないために多くの問題を抱え、医療キャンプ地で会う子供達の大多数が、感染症に罹っている現実も教育と大きな関係があると考えます。平成16年は日本の高校の協力を得て、現地の村に小学校が完成します。また、30校を目標に「寺子屋」の普及活動を行い、現在5教室250名の子供達が、小さな寺子屋で瞳を輝かせ勉強しています。これからもネパールでの医療活動、子供達の未来のため全力で頑張る決意です。多くの方々がヒマラヤを訪問し、子供達を励まして頂くことを強く願っております。
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