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V 地方税制
[1 税収規模と税収構成]
 
○地方税収は、州税収1,380億加ドル(約9兆8千億円)、地方政府税収314億加ドル(約2兆2千億円)であり、連邦税収は1,615億加ドル(約11兆5千億円)である。(※2000年、1加ドル=71円で計算、社会保険料除く)
○連邦においては、個人所得課税が税収の55%を占める基幹税であり、州においては個人所得課税と消費課税がそれぞれ40%近くを占める基幹税となっている。また、地方政府においては資産課税が91%を占めている。
 
※カナダ(2000)の税収構成
(単位:百万カナダドル)
  国(48.8%) 地方(51.2%)
州(41.7%) 地方政府(9.5%)
金額 構成比 金額 構成比 金額 構成比
個人所得課税 89,158 55.2% 53,007 38.4% 0 0.0%
法人所得課税 28,372 17.6% 14,434 10.5% 0 0.0%
その他の所得課税 4,317 2.7% 0 0.0% 0 0.0%
資産課税 0 0.0% 8,589 6.2% 28,686 91.3%
  不動産税 0 0.0% 3,098 2.2% 27.058 86.1%
  純資産税 0 0.0% 4,098 3.0% 0 0.0%
  その他 0 0.0% 1,393 1.0% 1,628 5.2%
消費課税 39,648 24.6% 53,911 39.1% 604 1.9%
その他 0 0.0% 8,082 5.9% 2,126 6.8%
合計 161,495 100.0% 138,023 100.0% 31.416 100.0%
(出典 Revenue Statistics 1965-2001)
 
※課税ベースの種類別税収シェア(2000)
出典:「Revenue Statistics 1965-2001」
 
※主要地方税目の概要
 
税目 課税団体 徴税事務 その他
個人所得税 全州・準州で課税 連邦−州間の徴税協定により、連邦が行う(ケベック州除く) 連邦の課税所得に州が独白の累進税率を適用して計算(ケベック州のみ比例税率)
法人所得税 全州・準州で課税 連邦−州間の徴税協定により連邦が行う(3州(アルバータ、オンタリオ、ケベック)除く) 課税所得に税率を直接乗じる方法で算定、税率は各州で異なる
売上税 5州は小売売上税を課している
ケベック州では独自の付加価値税を課している
税率は州毎に異なる
統合売上税 3州で課税(ニュー・ブランズウィック、ノヴァ・スコシア、ニューファウンドランド) 連邦法により連邦が課税・徴収 多段階の売上一般に課税
連邦の財貨・サービス税と共通の課税標準
固定資産税 殆どの州で地方政府の専管的税目 地方政府が行っている州が多い 税率は毎年市町村議会で決定
歳出予算から計算された必要税収額を基に税率を逆算
 
[2 課税権]
 
○州
・憲法では、州の課税権については、直接税に限定して認めている。
(しかし、通常、間接税に分類される付加価値税や売上税についても直接税と解釈して課税している。また、天然資源に対する間接税の課税権は憲法改正により州に付与されており、実際上は連邦も州も課税権については大差がなく、州ごとにそれぞれ独自の税体系を構築している。)
○地方政府
・課税権は、憲法上の規定がなく、州法によって授権。
・税目については、州法で規定し、税率についでは、一定の制限内で地方政府が任意に設定。







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