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 2 中央政府と地方政府との関係 
1)中央政府による地方政府支配の歴史 
  
 
| 年 | 
決定事項 | 
その内容 | 
 
 
| 1973-74 | 
中央政府と地方政府連合会との間の税率引き上げストップの合意 | 
同様な合意が1976/77、1979/81にもなされた。 | 
 
 
| 1977 | 
Kommun法改正 | 
次年度から収支の均衡を要求 | 
 
 
| 1979 | 
Kommunの借り入れに対する規制の撤廃 | 
Kommunはもはや借り入れに対する許可や保証義務を負わなくなった。 | 
 
 
| 1991-92 | 
税率の引き上げストップ法 | 
1991〜1992年については、1990年よりも高い税率へ引き上げることが禁止された。 | 
 
 
| 1991 | 
Kommun法改正 | 
収支の均衡要求が撤廃された。 
その代わりにKommunは健全な経済状態を保持することが義務付けられた。現行の活動を維持するために施設の売却からの収入を当てることが可能になった。 | 
 
 
| 1991 | 
年金債務の繰り入れ | 
1991年から地方公務員の年金債務を収支勘定に含めなければならなくなった。 | 
 
 
| 1993 | 
国庫補助金制度の改正 | 
多くの特定補助金が一般補助金に変更された。 | 
 
 
| 1995 | 
Kommunの会計制度の改正 | 
活動分類の変更に伴う会計監査等ルーティンワークの変更。 | 
 
 
| 1996 | 
国庫補助金制度の改正 | 
所得平衡化補助金と費用平衡化補助金の導入 | 
 
 
| 1998 | 
Kommun会計法の導入 | 
Kommunの会計上の義務を規定 | 
 
 
| 1998 | 
予算の収支均衡を要求 | 
2000年までに収支均衡の要求を提案 | 
 
 
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2)国庫補助金の変遷 
1993-1995 
 Kommunについては、従来の租税平衡化補助金と特定補助金に変わって、1993年に平衡化補助金が導入された。平衡化補助金は次の3つの部分から構成されていた。 
・すべてのKommunに平均的な担税力を保証する基礎的な部分 
・構造的な条件が異なるために生じる平均的な担税力からの乖離を微調整するための追加部分 
・人口の減少に見舞われたKommunに対する追加部分 
 Landstingについては、租税平衡化補助金(とその財源としての「負担金」)は残されたが、1993年に大幅に削減され、結局1994年に廃止された。また6つの特的補助金が一般補助金に替えられた。 
  
1991/92年度と1992/93年度の国庫補助金 
 
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 注)スウェーデンでは従来、年度は7月から翌年の6月までであった(現在は暦年と同じに変更されている)。したがって1991/92年度は1991年7月から1992年6月までの年度をさす。 
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1996-1999年 
 1995年12月に、国会はKommunとLandstingへの国庫補助金について、1996年度から新しい制度を導入することを決定した。新しい制度では、補助金は所得格差つまり担税力格差を是正するための所得平衡化補助金と、構造的条件の格差を是正するための費用平衡化補助金とで決まるものとされた。つまり平均水準より高い担税力や構造的条件をもつ地方自治体は負担金を支払い、逆に平均水準より低いそれをもつ地方自治体は補助金を受け取るという仕組みである。費用平衡化補助金は、Kommunについては15のモデルに基づいて、Landstingについては4つのモデルに基づいて、それぞれの活動の必要性や費用が評価されて決定されることとされた。さらにこの制度に、住民数に応じて支払われる一般補助金が付け加えられることになった。 
 Kommunについては、1997年から住民の年齢構成(子どもや高齢者の数)に応じて補助金が支払われることになった。またこの新しい制度への以降に伴って生じる混乱を小さくするために移行措置が導入された。 
  
2003年の一人当たりの補助金額 
 
| 7-15歳 | 
16-18歳 | 
65-74歳 | 
75-84歳 | 
85歳以上 | 
 
 
| 2,621Kr | 
3,371Kr | 
365Kr | 
1,864Kr | 
6,873Kr | 
 
 
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2000年以降 
 2000年に費用平衡化補助金と移行措置について改正が行われた。費用平衡化補助金については、KommunやLandstingの間にある経済的格差を是正するという基本原則は堅持されたが、いくつかのモデルの計算方法に改正がなされた。例えば外国籍の子どもや若者が多い場合のモデルも新たに加えられた。 
 2001年度に国会は、所得平衡化補助金について若干の改正を決議した。それはKommunやLandstingの補助金の限界的なマイナス効果をできるだけ小さくするような工夫である。2年間の所得つまり担税力の変化(所得の平衡化が行われた後のネットの変化)を、その95%は全国平均によって、残り5%だけを自分の自治体の変化によって計算するものとするものである。 
 2002年度にも、費用平衡化補助金について、2000年に行われたのと同じような改正が行われた。すなわち基本原則は変えないで、いくつかのモデルの計算方法に改正がなされた。今度はKommunについては人口減少モデルについて、Landstingについては過疎モデルについて補正が行われた。 
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