日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

東京財団研究報告書2004-4 我が国の外周離島(外周領域)保全のあり方

 事業名 相互交流による国際ネットワークの形成及び政策課題研究等
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


ウ. 主要な措置事項
(ア)即応態勢の基準(DEFCON)の明示
 領域警備は、平時から途切れなく対応できる時間的連続性が重視されねばならない。このためには、警察・海保及び自衛隊に対して事態の進展に応じ必要な「警備態勢の基準(DEFCON)」を明示し、また平時から警戒監視、情報収集あるいは重要警護対象の直接警備等に関して任務を付与し、警備出動命令の発出に伴い即応行動を可能にしておく必要がある。
 警察・海保及び自衛隊といった実動組織は、一般的に常に即応体制にはなく、平時においては機能的にまた量的に多くの不足を抱えている。したがって、政府がこれら組織の即応レベルを常時把握し、また、事態の切迫あるいは発生に伴いいかなる体制を何時までに整えるのかを指令することは、即応態勢を維持する基本となる。
 米国政府は、一般的な軍事危機事態に即応できるように軍隊に対し次の5つの即応体制を指令する。要するに、危機事態のレベルに応じて軍隊の即応体制を明確にすることが定められている。即ち、DEFCON5: 平時体制、DEFCON4: 情報と安全保障手段の強化、DEFCON3: 強化体制、DEFCON2: 更なる強化体制、DEFCON1: 最高の部隊即応性、である。(16)
(イ)国際法規に基づく権限行使の法制化
 国連海洋法条約によれば、軍艦は、公海上において海賊船等の臨検、拿捕を実施できるが、我が国の場合、国内法の規定がないために実施できない等自衛隊の行動には大きな制約がある。
 国家としての実力行使は、警察・海保と自衛隊が主体となるが、前者の場合は警察作用、後者の場合は警察作用または防衛作用による対処となる。警察作用は、国内の公共の秩序を維持するために領域内に所在する人に対する作用であり、主として国内法により律せられ、その程度は警察比例の原則に支配される。防衛作用は、国際法に規定された個別的自衛権に基づき国を防衛する機能であり、原則として無制限の実力行使が認められるが、一般的には、(1)緊急やむを得ない場合にのみ発動する、(2)攻撃を除去する最小限度に限る、(3)攻撃の程度と均衡のとれたものとする(比例の原則)、といった国際法及び慣例に従うことになる。従って、これらについて国内法に明記することが、領域警備を確実にするために重要である。
(ウ)即応性のある平時態勢
 領域警備事態の予防または早期排除を確実にするには、平時からの警戒監視と事態生起前後からの情報収集・処理が必要であり、また意思決定機関に適時適切な情報がタイムリーに提供される仕組みの構築が不可欠である。このためには、重視する地域及びインフラを含む重要施設が予め指定され、また所定の計画作成、関係装備品等の整備、訓練等により即応性のある初動態勢が確立されていなければならない。また、離島保全を考えた場合、平時におけるEEZを含む領域での海上自衛隊によるプレゼンス(OPK、Ocean Peace Keeping)(17)は、今後検討すべき課題である。
 
第四章 脚注
(1)平成15年度「防衛白書」第3章緊急事態への対応:解説 諸外国の緊急事態法制
(2)(財)ディフェンス・リサーチ・センター 2003年度「DRC年報」:吉田曉路
「有事法制の実効性を問う」から抜粋
(3)自治体情報政策研究所 http://www.jj-souko.com/elocalgov/contents/c051.html
「総合行政ネットワーク」を参照して図4-1を作成
(4)社団法人 日米文化振興会 安全保障研究所「国土安全保障警報システムに関する大統領令(2002.3.11)による
(5)「A Strategy for Improving Interoperability of Weapons System Electronics」
及び
「Interoperability: A Continuing Challenge in Coalition Air Operations」:RAND 1998.5を参照
(6)海上保安庁レポート 2003
(7)Jane Defense Weekly(JDW)誌2002.5.1号
(8)独立行政法人 国際協力機構(JICA)国際緊急援助隊事務局事業報告:
(9)読売新聞(東京朝刊 2003.08.04)
(10)思想新聞(2003.6.15):http://www.ifvoc.gr.jp/2003/ss030615nsc.htm
(11)WIRED ECO NEWS:
(12)読売新聞(東京朝刊 2003.11.05)
(13)読売新聞(大阪朝刊 2003.07.10)
(14)防衛研究所「防衛紀要」(第3巻2号2000.11)高井 晉/坂口 賀朗/橋本 靖 明/林 宏/吉田 靖之/富井 幸雄「諸外国の領域警備制度」及び産経新聞「各国のEEZにおける対応」(2001.12.27)から抜粋
(15)インターネットとテロリズム「国土安全保障省の創設」:
(16)(財)ディフェンス・リサーチ・センター 2003年度「DRC年報」:吉田曉路「有事法制の実効性を問う」から抜粋
(17)防衛研究所図書館長 高井晋「OPKと海洋安全保障協力」
(ブリーフィング・メモ)
 
研究体制
 
■代表者
特定非営利活動法人 環境・災害対策研究所
理事 元谷 豊
 
■共同研究者
森野軍事研究所
理事 中村征人
同  吉田暁路
 
□執筆担当区分
第1章 元谷 豊
第2章 吉田暁路
第3章 中村征人
第4章 元谷 豊、中村征人、吉田暁路







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
1,036位
(31,571成果物中)

成果物アクセス数
9,364

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年12月7日

関連する他の成果物

1.WORKING PAPER 12. 「『専守防衛』策と日本の安全-自衛を全うすることが可能か-」
2.政策提言書「日台関係強化の為の6つの提言-良き隣人を再確認しよう-」
3.東京財団研究報告書2004-1 教員免許状取得希望大学生に対して障害児教育に関する知識、技能をいかにして身につけさせるか
4.東京財団研究報告書2004-3 安楽死合法化に向けて-オランダの安楽死法をベースに-
5.東京財団研究報告書2004-5 外国犯罪の動向とその対策-若干の提言-
6.東京財団研究報告書2004-6 日本の近未来ビジョンと初等教育改革
7.東京財団研究報告書2004-7 国際協力NGO活性化の方策
8.東京財団研究報告書2004-8 電子自治体における情報活用-地方自治体における介護情報を事例に-
9.東京財団研究報告書2004-2 日本人の安全保障に関する新構想
10.東京財団研究対策シリーズ 『地方分権改革の経済学』 土居丈朗編著
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から