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はじめに
 歴史を見ると、日本の社会を変えていくような出来事はしばしば地方から現れています。鎌倉幕府の成立、戦国時代、そして日本の近代化への幕開けとなった明治維新。それらの変革の原動力となったのは、地方が長年培ってきた文化から生まれた革新精神、独立精神でした。
 
 21世紀を迎えた今、日本は方向性を見失い新たな時代の精神を求めています。
 そのような時こそ、地方から発信される文化が輝きを持ち始めます。中央の古い体制に頼らない地方の革新精神、独立精神を見直すことが、未来を切り拓く視点をつかむことになるのです。
 
 東京財団は、既存の価値観に捕われることなく常に時代を先取りした先見的な視野を持ち、先駆的なアイデア・情報を創造・発信することを目指しています。
 これから先端的・独創的なものはグローバリズムに覆われている中央ではなく、ローカリズムに端を発する地方から生み出されてくるのです。そのような認識のもと、地方の文化や人材などに注目し、それらにスポットを当てた地域文化シンポジウムを開催しています。
 
 今回は、祭りをテーマにシンポジウムを行います。
 昨今では祭りの形態も様々なものがあり、伝統的な祭りだけではなくYOSAKOI ソーラン祭りのような新しい祭りも注目されています。YOSAKOI ソーラン祭りは高知のよさこい祭りが源流ですが、札幌で進化を遂げ、現在全国200ヶ所もの地域で行われている祭りです。
 まさに地方で生まれ地方に広がっている祭りです。
 
 そのような新しい祭りを通して、地域を元気にする祭りについて考えていきたいと思います。
2003年12月
東京財団
 
14:30〜14:40 オープニング(神集島炎の太鼓クラブ)
 
14:40〜14:50 坂井唐津市市長挨拶
 
14:50〜15:35 講演「街は舞台だ!日本は変わる!」
  長谷川岳(YOSAKOI ソーラン祭り組織委員会専務理事)
 
15:35〜17:00 パネルディスカッション 「街がにぎわう祭り文化」
  パネリスト
  長谷川岳
  香瑠鼓   振付家・アーティスト
  小山陽子 内町まちづくり女性の会会長
  日下公人 東京財団会長
 
  コーディネーター
  後藤季男 佐賀新聞社報道局部長
 
17:00〜17:10 日下会長挨拶
 
17:10〜17:20 「Yosakoi ソーラン・エンヤ!!」
  内町まちづくり女性の会
 
17:20〜17:30 「招待チーム・デモンストレーション」
  させぼ飛躍年隊2003
 
パネリスト
長谷川岳(はせがわ・がく)
YOSAKOI ソーラン祭り組織委員会専務理事
株式会社yosanet取締役
 
 
 愛知県生まれ。
 92年、学生仲間で第1回よさこいソーラン祭りを開催。以後、「YOSAKOI ソーラン祭り普及振興会」を設立、事務局長、理事総括プロデューサーを勤める。98年からはYOSAKOI ソーラン祭り組織委員会専務理事に就任し、現在に至る。「日本イベント大賞新テーマ賞」「サントリー地域文化賞」「日本生活文化大賞 生活文化賞」「社会起業家賞」などを受賞。02年、早稲田大学政治経済学部教授坪井善明氏と共著で「YOSAKOI ソーラン祭り〜街づくりNPOの経営学」(岩波アクティブ新書)を出版。
 
香瑠鼓(かおるこ)
振付家・アーティスト
 
 
 東京都生まれ。
 CM、音楽、映画、舞台など手がけた振付は600本以上。振付の受賞暦は、89年のウィンク「さびしい熱帯魚」や、90年のBBクイーンズ「踊るポンポコリン」でレコード大賞、木村拓哉出演のCM「JRA」シリーズで2000年ACC金賞など。2000年エイボン女性年度賞芸術賞受賞。代表作に「慎吾ママのおはロック」他、近作CMに「ANA」(Smap)、「ピザーラ」(ボブ・サップ)などヒット作話題作を発信し続ける。海外でも上演のダンスの公演活動と、障害者へのダンス指導をライフワークとしている。98年長野パラリンピック開会式振付。著書に「ふう〜はっ!」(NHK出版)。
 
小山陽子(こやま・ようこ)
内町まちづくり女性の会会長
 
 
 4番山義経の兜の呉服町生まれ。
 11月2日の宵曳山は、自分の誕生日を祝っていると、明言する父の下、一年中曳山の話を聞かされて育った。十年間唐津を離れていたが、“唐津くんち”には、毎年帰省。根っからの唐津っ子。但し、今まで一度も曳山を曳いたことはない。
 昨年“よさこい”に誘われ土曜夜市で踊る。それまで、踊りの経験など全くなく、他の人からも「途中で止めると思った」といわれるが、まだ踊っている。メガネのハシムラ勤務。
 
日下公人(くさか・きみんど)
東京財団会長
 
 
 兵庫県生まれ。
 55年日本長期信用銀行入行。60〜63年経済企画庁総合開発局へ出向。75年業務開発第一部長、83年取締役を経て、現在、(社)ソフト化経済センター会長、東京財団会長。
 著書に「日本経済新聞の読み方」(ごま書房)、「悪魔の予言」(講談社)「人間はなぜ戦争をするのか」(クレスト社)、「新・文化産業論」「人事破壊」「これからの10年」「どんどん変わる日本」「すぐに未来予測ができるようになる62の法則」「5年がこうなる」(PHP)など。
 
コーディネーター
後藤季男(ごとう・すえお)
佐賀新聞社 報道局部長
 
 
 佐賀市生まれ。
 72年佐賀新聞社入社。編集局社会部(スポーツ担当)、報道部(経済担当)、伊万里支局、社長室、編集局整理部、広告局企画部、開発部、武雄支社などに勤務。83年10月から87年2月まで唐津支社勤務。02年4月から報道局部長。







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