日本財団 図書館


表紙説明
名詩の周辺
 
坂本龍馬(松口月城)
坂本龍馬を思う(河野天籟)
高知・高知市
 幕末、広い視野と行動力で不可能と思われた薩長同盟を成し遂げ、大政奉還の立役者となった土佐の英傑・坂本龍馬。その衝撃的な死とともに彼の人生は深く人々の心をとらえ、小説や演劇、テレビドラマなどに数多く描かれています。
 坂本龍馬は、天保六年十月十五日、土佐城下、高知本町(現在の市内上町)の郷士坂本直方の次男として生まれました。幼児から文武をよくし、嘉永六年十九歳の時江戸に出て千葉周作に剣を学び、また多くの志士と交流を持ちました。二十八歳で脱藩、勝海舟(前号表紙に登場)を刺殺しようとしましたが、逆に世を見る眼を教えられ、以来海舟を師とし、海援隊を組織します。
 一方、維新推進の原動力として薩長同盟を成立させ、勝海舟の思想を背景に大政奉還を建言、実現させますが、これによって新撰組の急迫を受け、慶応三年十一月十五日、京都四条河原町の近江屋で中岡慎太郎とともにいるところを襲撃され、絶命します。司馬遼太郎の小説にもあるように明治維新実現のために天が遣わした男、それが「坂本龍馬」だといえるでしょう。
 (坂本龍馬誕生地=高知駅より路面電車で約15分。上町一丁目下車。桂浜・坂本龍馬像=高知駅より車・バスで約30分、桂浜下車)
 
取材――株式会社 サークオン
 
[あなたの本誌購読期限はご存じですか?期限切れとなる一カ月前に購読手続きをお済ませ下さい。期限の見方は本誌最終頁に載っています]
ホームページアドレス〈財団〉http://www.ginken.or.jp 〈本誌〉http://www.ginken.or.jp/monthly
 
水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
 
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
 
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
 
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの量あるは水なり。
 
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
 
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
 
 水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
 
OPINION
明日への提言
百四歳八ヶ月の天寿を全うされた作曲家・舩川利夫先生の御母堂のご葬儀に参列しました
河田和良
 
 吟剣詩舞道界が一方ならぬお世話になっている作曲家・舩川利夫先生の御母堂・美祢代様が八月二十五日、百四歳八ヶ月の天寿を全うされました。ご葬儀は、八月二十七日に静岡県西伊豆町のご自宅で、九月十日、鳥取県米子市の菩提寺(妙本寺)の二ヶ所で執り行なわれました。西伊豆のご自宅での葬儀には、鈴木吟亮専務理事が参列、米子の菩提寺での葬儀には私が参列、弔辞を捧げました。
 舩川利夫先生と御母堂・美祢代様は、長年、ご一緒に生活されてこられました。御母堂様は、舩川先生の芸術活動を一身にささえられることで、その素晴らしい人生を全うされ、舩川先生にとっても、それこそ余すところなく孝養を尽くされたという安堵感をうかがい知ることのできるご葬儀でした。
 九月十五日の敬老の日を前に、厚生労働省は同月九日、全国高齢者名簿(長寿番付)を発表しました。百歳以上のお年寄りは、昨年より二千六百二十七人増の二万五百六十一人となり、初めて二万人を超えることになったということが報告されました。三十三年連続で過去最高を更新、女性の長寿化が目立っているとも報告されていました。
 長寿者の皆様からの取材で、長寿の秘訣は、健康も第一ですが、自然で居心地のいい環境で暮らすこと、周囲の人たちに恵まれ、よい付き合いができるということが大切だということも紹介されていました。
 高齢化時代を迎え、高齢者の皆様のよりよい人生のために吟剣詩舞を積極的に役立てることができないかどうか、再考してみたいと思いました。
 
場所・・湘南国際村センター・国際会議場
日時・・8月9日(土)〜10日(日)
 
研修会で講師を務めた財団役員の皆さん
 
台風禍にもかかわらず、ほぼ全員出席
少壮吟士としての意気を示す
財団を代表してあいさつする河田和良会長
 
 去る八月九日(土)と十日(日)の二日間にわたり神奈川県・湘南国際村センター・国際会議場において少壮吟士並びに同候補夏季特別研修会が行なわれました。ちょうど台風十号が日本列島を縦断中とあって、特に九州・四国地方の方々の出席が危ぶまれましたが、一部の方を除いてほぼ全員出席。少壮吟士としての意気と熱意を示しました。
 
笹川前会長への黙祷でスタート
 第二十五期研修会は、午後一時、まず故笹川鎮江前会長に一分間の黙祷をささげ、スタートしました。つづいて国歌斉唱、役員紹介の後、少壮吟士侯補を出された特別参加の流派代表により候補者四名の人となりが紹介されました。(侯補者の猪飼扇宝さんは、都合により欠席。規定により今回の候補からは除かれました)四名の候補者の紹介については、カラーページの写真をご覧下さい。引き続いて、河田和良会長から「財団代表挨拶」と「吟剣詩舞道憲章の解説」が話され、鈴木吟亮専務理事は「吟剣詩舞の向上と指導者の役割」、入倉昭星常任理事は「剣詩舞道家からの期待」、工藤龍堂常任理事は「吟道における師のあり方、弟子のあり方」についてそれぞれ話されました。
 
個人演習で舩川利夫氏の指導を受ける矢田星旺吟士
 
個人演習で、声の響かせ方の実技指導を受ける八代光晃子吟士
 
 昼食後、舩川利夫先生による個人吟詠演習をはじめとする、厳しさでなる二日間の実技研修が本格的にスタートしました。その頃、外は嵐の風雨が一段と激しくなっていました。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION