平成十五年四月六日（日）恒例の「吟道の碑祭」が松山市南江戸朝日八幡神社境内の吟道の碑広場で、昨年度亡くなられた会員十一名の合祀にご遺族、来賓、会員約二百名が参加し厳粛に執り行なわれた（合祀者五百五十六名）。

　神事では、修祓、降神の儀、献饌の儀、のりと奏上、清祓の後、玉串奉奠を祭主野中清峰会長、ご遺族代表、来賓の国会議員及び、委員長が行ない、続いて撒饌の儀、昇神の儀、退下と厳粛に終了した。

　式典では、祭主野中清峰会長の挨拶、「本日合祀された方々の吟道発展に対する尽力に感謝し、在りし日のお姿を偲ぼう」。続いて参議院議員関谷勝嗣様、衆議院議員塩崎恭久様（代理）の挨拶があった。

　次に、亡き吟友を偲び、各ブロック毎に会員の献合吟を行なった。

　最後に、ご遺族の代表者がお礼の言葉を述べ式典を終了した。

　直らいでは、広場の桜花欄漫の下で互いに胸襟を開き親睦を深めた。

　

　

　若葉が萌え、多摩丘陵が緑色に染まる四月十三日、八王子市民会館大ホールに於いて、財団法人日本吟剣詩舞振興会などの後援により「春洋流東洋吟詠会第六十四回吟詠剣詩舞道大会」が吟詠、剣詩舞各会派の諸先生をお招きして盛大に開かれた。当会の優れた吟、力強い剣舞、華やかな詩舞の舞台を見ようと当日の会場は七百人以上の観客で賑わった。開会に先立ち、一分間の黙祷、三月にご逝去された笹川鎮江先生のご冥福を祈らせて戴く。開会の辞、国歌斉唱に続き、石川春洋宗家先導により「東洋吟詠会七訓（しちくん）魂（だましい）」（「朗詠心」「友和心」など七つの「心」を「訓」としたもの）を参加者全員で朗読した。

　午前十時から始まった百を超えるプログラムは、二十六支部対抗による合吟コンクールあり、短歌入り吟詠、和歌、琵琶吟詠ありと多種内容で観客の皆さんの共感を呼んだ。プログラムの最後を飾る、当会の十八番（おはこ）は何と行っても師範等による「スライド吟詠」である。今年は「自虎隊物語」が企画・演出された。琴、尺八伴奏に加えナレーションの美しき構成は見る人、聞く人の感動と涙を誘った。

　「白虎隊物語」の最後を飾り、宗家親子が漢詩「宗社滅びぬ」を吟じ、拍手喝采の鳴りやまぬ中に、スライド吟詠の幕が降りた。来年は記念大会でもあり、スライド吟詠にも一段と熱が入り、「菅原道真物語」も企画・構成が準備されている。すでに企画委員等が九州に出かけ、資料集めに取り掛かっている。

　当会の吟詠剣詩舞道大会は青少年育成運動の一環として行なわれている為、当日の参加者や観客の皆さんから戴いた七万円近い愛吟募金は恵まれない子供達の為に役立てて欲しいと八王子市社会福祉協議会に寄贈された。

　大会の最後は全員で「富士山」を合吟し、万歳三唱で閉会した。

　

　晴天の春日、千三百席を数える前橋市民文化会館大ホールを満席にして、恒例の心彰流吟剣詩舞道大会が開催されました。

　会員数の多い心彰流総本部の大会では、吟詠に必ず剣詩舞が付くのが特徴です。記念式典は冒頭に、去る三月十六日永眠された財団前会長笹川鎮江先生のご冥福を祈念して黙祷が行なわれ、荘厳な雰囲気の中で開式されました。

　式典のメインは二代目宗家の継承行事で、金井心彰初代宗家が、家元金井心將と成り、志塚心鵬宗嗣を志塚心彰と改名させて二代目宗家に指名し、「心彰流の証」と書かれた桐箱入りの分厚い檜の盤を引き継ぎました。

　

　

　このあと、心彰流一門がこの慶事を記念して集めた青少年吟剣詩舞道育成基金募金を、会長から矢萩保三財団事務局長に贈呈し、矢萩事務局長が、鄭重な御礼の言葉に添えて、笹川鎮江前会長がこの大会の為に生前に託された祝歌、しかも先生直々の肉筆の和歌三首をご披露くださいました。

　壇上に列席された六十名餘のご来賓を代表して、佐田玄一郎衆議院議員、小野寺弘之群馬県知事、萩原弥惣治前橋市長、桜井直紀前橋市教育長等地元名士に引き続いて、横山岳精財団顧問様、鈴木吟亮財団専務理事様にご祝辞を頂戴いたしました。

　昼食後は、この日の為に心彰流総本部が創作した構成吟「殷鑑遠からず」から始まりました。この構成吟は、恵まれた物質文明におぼれ、より大切な「日本の心」を忘れている世情に警鐘を鳴らす内容のものです。

　この大会に花を添えてくださったのは、全国からご来駕戴いた五十数名の先生方の御来賓吟詠でした。

　この後、宗家吟詠として志塚心彰二代目宗家が祥刀流祥煌館の剣舞を添えた松口月城作の「鉢の木」にセリフを加えて発表し、家元吟詠として金井心將家元が静風流宗家志村靜風先生、志村靜世先生の詩舞を添えた松口月城作の「母」に非行少年が悔悟の気持ちを詠んだ短歌を添えて発表しましたが、素晴らしい熱演で客席は固唾を呑んで聴き入っておりました。

　かくて大会は、二代目宗家誕生の喜びのるつぼの中に、大変な感動を残して時間どおり終了しました。

　

　

六月NHKラジオ

●放送日時

●再放送

一、和歌・鎌倉や

二、和歌・わが庵は

三、初夏即事（王　安石）

四、海南行（細川頼之）

五、天門山を望む（李白）

六、寧楽懐古（太宰春台）

☆五月三十一日、NHK教育テレビ吟詠放送「吟詠・風薫る」の放送時刻は同日午後一時四五分〜同二時○○分でした。（五月号締め切り時には未定で、掲載できませんでした）

　

　

　

吟剣詩舞　好評放送中

　

「コンクール優勝者に聞く（剣舞優勝者）」

「水の訓え」

「孝養のこころ」

6月中にそれぞれ6回再放送。

　

CSデジタル衛星放送スカイパーフェクTV!

「伝統文化放送」

電話　03-3544-1371へ。

　

［●番組に対するご意見・ご要望は］

［TEL: (03)-5443-2713まで］

〒108-0073　東京都港区三田3-12-12　笹川記念会館　月〜金9:00〜17:00（土・日・祝日）

　

■NHKは、三月二十七日（木）午前十一時から同三十分（再放送、翌朝五時二十分から五十分）までのラジオFM放送「邦楽のひととき」の番組を変更して、笹川鎮江先生の追悼番組「笹川鎮江の芸と人」を放送しました。番組では琵琶の弾き語りで「川中島」を、吟詠は舩川利夫先生の編曲伴奏による「春夜洛城に笛を聞く」（李白作）と「兜」（大野恵造作）が放送されるとともに、NHKの邦楽ディレクターとして先生と親交のあった邦楽研究家の山岡知博氏が、先生の芸歴やその功績の数々を語ってくださいました。放送後、財団事務局へ多くの人たちから、たいへん感銘を受けたとの感想が寄せられました。

　

　

■本欄で禁煙のことを書かせていただくのは何年ぶりのことでしょうか。私の周囲でも多くの方々が禁煙されました。これまでは主に喫煙者の健康被害が叫ばれてきましたが、五月一日からはタバコを吸わない人の健康被害（受動喫煙）を抑えることを主目的とした「健康増進法」が施行され、首都圏の大手私鉄各社が終日全面禁煙になりました。しかし、今日でも日本人男性の喫煙率は五十パーセントを超え、先進国中でも群を抜いて最悪の状態となっています。国際連合、WHO笹川健康賞を創設され、禁煙運動の先頭に立たれた財団創始会長笹川良一先生、そして、喫煙者には特に厳しかった前会長笹川鎮江先生、さいわい、河田和良現会長も喫煙をされません。吟剣詩舞道家の禁煙環境は十分に整ったといえるのではないでしょうか。

　

　四月号のコンダクター当選者は、埼玉県川口市の吉田庄吉さんに決まりました。また、新規購読者プレゼント当選者は、長崎県佐世保市の古川祐一さんです。おめでとうございます。

* “吟剣詩舞”購読倍増キャンペーンの賞品（詩吟コンダクター「吟詠ハーモニー」／本体価格二六、〇〇〇円）は日本コンダクター販売株式会社の提供によります。

　

★吟剣詩舞愛好者には手放すことができない本誌月刊「吟剣詩舞」を、あなたの周囲でまだ購読していない方がおいででしたら、是非とも購読をお勧め下さい。新規読者の中から毎月抽選で1名様に、詩吟コンダクター「吟詠ハーモニー」（新型・本体価格2万6千円）をプレゼントいたします。

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