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柱立てをめぐって・・・足立崇
 ヤミ族の住む蘭嶼は、平坦地はいたって少なく、九本の川に沿って扇状地が発達しているだけである。集落はこうした扇状地に山を背に海を望むことのできるかたちで形成されている。蘭嶼には現在六つの集落(イモロド村、イラタイ村、イヴァリヌ村、イラヌミルク村、イララライ村、ヤユ村)がある。それらのうち伝統集落が保存されているのはイヴァリヌ村((1)(2))とイララライ村のみである。
 ここでは伝統集落における伝統的家屋のなかで、最も重視される主屋バアイに着目する。主屋バアイについてはこれまで多くの研究がなされているが、その中でよく指摘されるのは、主屋バアイにおける親柱トモックのもつ象徴的価値の高さである。本稿ではこの親柱トモックを手がかりとし、主屋バアイの場所秩序の一端を明らかにしたい。その前に、主屋バアイがどのような家屋であるか簡単に見ておきたい。
 
(1)イヴァリヌ村見下ろし
 
(2)イヴァリヌ村見上げ
 
(3)家屋宅地
 







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