大洋州諸国
1)キリバス共和国(Republic of Kiribati)
2)サモア独立国(Independent State of Samoa)
3)ソロモン諸島(Solomon Islands)
4)ツバル(Tuvalu)
5)トンガ王国(Kingdom of Tonga)
6)ナウル共和国(Republic of Nauru)
7)バヌアツ共和国(Republic of Vanuatu)
8)パプアニューギニア独立国(lndependent State of Papua New Guinea)
9)パラオ共和国(Republic of Palau)
10)フィジー諸島共和国(Republic of the Fiji Islands)
11)マーシャル諸島共和国(Republic of the Marshal Islands)
12)ミクロネシア連邦(Federated States of Micronesia)
大洋州諸国とは外務省ホームページによれば、オーストラリア、ニュージランドに次の12カ国を加えた南太平洋上の島嶼国を言う。
1)キリバス共和国(Republic of Kiribati)
2)サモア独立国(Independent State of Samoa)
3)ソロモン諸島(Solomon Islands)'
4)ツバル(Tuvalu)
5)トンガ王国(Kingdom of Tonga)
6)ナウル共和国(Republic of Nauru)
7)バヌアツ共和国(Republic of vanuatu)
8)パプアニューギニア独立国(lndependent State of Papua New Guinea)
9)パラオ共和国(Republic of Palau)
10)フィジー諸島共和国(Republic of the Fiji Islands)
11)マーシャル諸島共和国(Republic of the Marshal Islands)
12)ミクロネシア連邦(Federated States of Micronesia)
(1)一般事情
1. 面積:720km2(対馬とほぼ同じ)
2. 人口:9万人(98年PC)
3. 首都:タラワ(2.6万人)
4. 人種:ミクロネシア系(98%)の他若干のポリネシア系及び欧州人が居住
5. 言語:キリバス語及び英語が公用語
6. 宗教:ローマ・カトリックとプロテスタントが主な宗派
7. 略史:
1606年 スペイン人キロスがブタリタリ島(ギルバート諸島)を発見
1892年 英国、ギルバート諸島、次いでエリス諸島を保護領と宣言
1916年 英国、ギルバート、エリス諸島を併合、植民地とする
1939年 英国及び米国、カントン島及びエンダベリ島(フェニックス諸島)を共同統治
1941年 日本軍、バナバ、タラワ、マキンを占領
1979年 7月12日独立
8. 政治体制・内政
1)政体:共和制
2)元首:
大統領は2003年4月現在空席であり、シオンオタン国政評議会議長(Tion Otang)が国家元首の職務を代行中。
3)議会:一院制、42議席(内2名は法務長官及びランビ島評議会代表者)、任期4年
4)政府:(1)首相なし(2)外相2002年4月現在空席
5)独立以来大統領を務めてきたタバイの任期終了により、1990年7月にテアンナキ新大統領が就任。1994年の総選挙で与党が大敗し、テブロロ・シトが大統領に選出される(シト大統領は1998年11月の大統領選挙で再選される)。漁業を主とした経済開発と地方分権化離島振興政策。英国からの財政援助に依存してきたが、経済自立の達成が最大の課題。2002年11月に実施された総選挙では与党が苦戦し、つづく2003年2月の大統領選挙では現役のシト大統領がかろうじて三戦を果たしたものの、3月に不信任案が可決されシト大統領は辞任、議会は解散した。2003年5月に次の選挙が予定されており、それまでは国政評議会が選挙管理内閣を努める。
9. 外交基本方針
豪州、ニュージーランドを含む太平洋諸国との友好関係維持・強化、経済自立達成、財政収入確保のため多様な国際関係を模索(1985年、ソ連と漁業協定締結、1986年失効)。
10. 経済
1)主要産業:漁業、コプラの生産
2)GDP: 76百万豪ドル(2000年キリバス政府資料)
3)一人当たりGDO: 75豪ドル(2000年キリバス政府資料)
4)経済成長率:1.6%(2001年世銀)
5)物価上昇率:0.61%(1999年キリバス統計局)
6)総貿易額:
(1)輸出14.4百万豪ドル(1999年キリバス統計局)
(2)輸入62百万豪ドル(1999年キリバス統計局)
7)貿易品目(1996年):
(1)輸出:コプラ(53%)、なまこ(21%)、観賞用魚(18%)
(2)輸入:食品(34%)、輸送機器・機械(18%)、工業製品(14%)
8)貿易相手国(2000年):
(1)輸出:日本、バングラディッシュ、ブラジル
(2)輸入:豪州、日本、フィジー
9)通貨:豪州ドル
10)為替レート:1豪ドル=65.46円(2002年7月現在)
11)経済概況:1979年に燐鉱石が枯渇して以来、漁業開発の促進等により新しい経済構造を模索中。
12)我が国との経済関係
(1)対日貿易(2001年、大蔵省通関統計)
(イ)貿易額 輸出1,579百万円 輸入911百万円
(ロ)主要品目(%)
輸出:魚介類(まぐろ、かつお)
輸入:機械類、自動車
(2)我が国からの直接投資 1件 35千円(1993年度)
(3)政府間漁業協定(1978年発効)
11. 我が国の政府開発援助
概説
1)1979年に英国より独立した。日付変更線及び赤道の両側に広がる広大な水域に散在する島嶼群で、域内で国際市場からの地理的隔絶及び国土の拡散牲が最も顕著であり、社会経済開発には多くの困難を伴っている。1998年9月に総選挙が行われ、与党キリバス共同体党が勝利し、11月にはシト大統領が再選された。基本政策としては、近隣諸国との経済関係強化や離島振興を実旛している。
2)外交面では、豪州、ニュージーランドを含む南太平洋諸国との友好協力関係の維持・強化を基調とし、米国、我が国、ドイツなどの先進諸国との友好関係を推進している。また、キリバスにとっては広大な200海里経済水域が唯一・最大の資源であり、環境保護の観点からその汚染には極めて敏感で、1996年5月には、パルミラ環礁への核廃棄物の廃棄に反対する旨の決議が議会でされ、核に関する厳しい態度を表明した。1996年9月、シト大統領が中国を公式訪問、香港にはキリバスの名誉領事を設置、また、1996年10月には10万ドルの援助を受けるなど、中国との関係に進展がみられた。1999年9月に国連に加盟した。
3)経済面では、1979年に燐鉱石が枯渇して以来主要な輸出産品はコプラと魚類であるが、天候等の要因により大きく影響を受けるため経済状況は安定していない。政府は旧宗主国である英国からの財政援助と、燐鉱石枯渇後に傭え設立していた収入均衡準備基金等により国家財政を支えてきたが、英国からの経常予算に対する財政援助が1986年に打ち切られたことから、援助源の多元化を図っている。また、キリバスは過去8次に亘って国家開発計画を策定・実施してきている。
4)我が国とは、キリバスが広大な200海里経済水域を有しており、我が国のかつお・まぐろ漁業にとり重要な漁場になっていること、2000年2月に宇宙開発事業団とキリバス政府の間でHOPE-X(宇宙往還技術試験機)着陸案験計画のため、キリバスのクリスマス諸島の土地利用契約が締結されたこと等関係は深い。1997年10月の日・SPF首脳会議及び2000年4月の太平洋・島サミットに参加するため、さらに200 年2月、PIF議長としてシト大統領が訪日している。1998年8月、我が国は両国間の対話を促進するため、長谷川前駐豪大使を団長とする政策対話ミッションをキリバスに派遣した。
12. 我が国の政府開発援助の実績とあり方
キリバスは、広大な水域を有する島嶼国であることから、これまで水産分野、人造り及びインフラ整備に対する協力を中心に援助を実施してきている。
LLDCであるキリバスは、地理的に国際市場からの隔絶性及び国土のの拡数性が極めて高い。かつての主要輸出品であった燐鉱石が枯渇した現在、水産業が同国の主要産業として経済を支えている。こうした状況に鑑み、無償資金協力では、広大な200海里経済水域に恵まれ、また基幹産業である水産業の底上げを図るべく、水産無償を供与してきており、1999年度には、「総合水産施設建設計画」を実施し、水産加工施設及び機材の整備を行っている。また、1997年度から4カ年にわたる「ベシオ港整備計画」が実施されており、同国の島嶼国海上輸送の改善を目的として、岸壁、スリップウェイ及び陸上施設の整備を行っている。技術協力については、研修員受入を中心に実施しているが、1998年3月より漁業分野の広域専門家を派遣しているほか、1999年度からは輸出振興、投資促進分野の広域専門家を派遣している。国際機関を通じる援助としては、我が国は1991年より1994年までUNDPへの拠出を通じ、太陽光発電を基礎にした電力供給システムの構築に協力した。1998年1月には、ADB主催の支援国会合を東京で開催した。また、1999年10月には、プロジェクト確認調査団を派遺し、援助重点分野、今後の援助の方向性等について意見交換を行った。
サモア独立国(Independent State of Samoa)
(1)一般事情
1. 面積:2,935km2(鳥取県よりやや小さい)
2. 人口:17.2万人(98年、世銀アトラス)
3. 首都:アピア(3.2万人、86年国勢調査)
4. 人種:
サモア人(ポリネシア民族)90%、その他(欧州系混血者メラネシア民族、中国民族、欧州民族混在)
5. 言語:サモア語、英語(共に公用語)
6. 宗教:100%キリスト教でローマン・カトリック、メソジスト、モルモン教等の各派が布教
7. 略史:
1722年 オランダ人初めて上陸
19世紀末 ドイツ・英国・米国による3国統治時代
1919年 ニュージーランドの委任統治地域
1945年 国際連合信託統治地域
1962年 独立(1月1日、但し独立記念日は6月1日)
1997年 国名をそれまでの「西サモア」から「サモア」に変更
8. 政治体制・内政
1)政体:立憲君主国家
2)元首:マリエトア・タヌマフィリ二世(Malietoa Tanumafili II)
3)議会:一院制、49議席、任期は5年
4)政府:首相 トウィラエパ・サイレレ・マリエレガオイ
(Tuilaepa Sailele Malielegaoi)(1998年11月就任)
5)内政:
(1)1988年以来首相を務めていたトフィラウ首相は1998年11月に病気を理由に辞任を表明、後継首相にトウィラエパ副首兼蔵相を指名し、国会は同氏を直ちに首相として信任した。
(2)2001年3月の総選挙では、与党の人権擁護党(HRPP)が大き議席数を落とした。しかし、野党のサモア国家開発党(SNDP)の得票数も伸びなかったため、1996年4月の総選挙と同様に、人権擁護党が無所属議員5名を取り込んで過半数を上回る28議席を確保し、引き続きトウィラエパ首相率いる同党が政権を維持することになった。
9. 外交基本方針:
豪州及びニュージーランドとの緊密な関係維持、南太平洋地域諸国との協力関係重視、国連活動への貢献。
10. 経済
1)主要産業:農業(ココナツ、ココア)
2)GNP: 200百万米ドル(1996年、世銀アトラス)
3)一人当りGNP: 1,271米ドル(1999年、サモア中央銀行)
4)経済成長率:7.3%(2000年、サモア中央銀行)
5)物価上昇率:0.39%(1999年、サモア中央銀行
6)総貿易額:
(1)輸出:451百万タラ(2000年推定、サモア中央銀行)
(2)輸入:348.7百万タラ
7)貿易品目:
(1)輸出:魚介類、衣料、ココナッツ製品、コプラ、ビール
(2)輸入:機械、工業用原材料、燃料油、加工食料・飲料
8)貿易相手国:
(1)輸出:米領サモア、米、NZ、独、豪
(2)輸入:NZ、豪、米、フィジー、日
9)通貨:サモア・タラ(Samoan Tala)
10)為替レート:1タラ=0.297米ドル(1999年、サモア中央銀行)
11)経済概況
コプラ、タロ芋等の伝統的農業に労働人口の約60%が従事。1999年に始まったパイプライン開発プロジェクト等による建設業の伸び、水産物輸出増加、観光収入の伸びなどにより、近年好調な経済成長が続いている。他方、市場規模の倭小性、海外市場へのアクセス難などの問題をかかえており、国際収支は常に赤字となっており、経済、社会開発を進めるため、外国よりの借款と援助に頼っている。
11. 我が国との経済関係
対日貿易(1999年、通関統計)
1)貿易額:
(1)輸出:535千ドル
(2)輸入:18,494千ドル
2)主要品目:
(1)輸出:機械類(69%)
(2)輸入:電気機械(53%)、自動車(18%)、ゴム製品(9%)
12. 我が国の政府開発援助
概説
1)ニュージーランドを施政国とする国連信託統治領を経て、1962年、南太平洋島嶼国の中で初の独立国となった。現在マリエトア・タヌマフィリ二世を元首とする立憲君主国家である。1997年7月、国名を西サモアからサモアヘ変更した。
1996年4月の総選挙では、1988年以来与党の人権擁護党が1994年の付加価値税の導入や閣僚等の汚職疑惑の影響により大敗したが、無所属議員を取り込み、第3次トフィラウ政権が発足した。1998年11月、トフィラウ首相が健康不安のため辞任したため、トゥイラエパ副首相が首相に就任した。
2)外交面では、大洋州諸国の一員として平和的・友好的にその国益を追求することに主眼が置かれており、SPF(南太平洋フォーラム)、PC(太平洋共同体)等地域協力機関を通じて積極的な役割を演じているほか、ニュージーランド及び豪州との緊密な関係を維持し、かつ先進諸国、中国等とも外交関係を持ち、国連、世銀、IMF、ADB等にも加盟している。
3)経済面では、主要輸出品目であるコプラ(乾燥したやしの実)、ココア等を生産する伝統的農業(労働人口の約半数が従事)に大きく依存しており、これら産品の国際価格の低迷と、輸入産品価格の高騰という構造的問題を抱えている。こうした問題を解消し、社会経済開発を進めるためのサモアの援助ニーズは極めて高く、ニュー・ジーランド、豪州、我が国等による無償資金協力等の擾助及び国際機関からの借入に大きく依存している。1999年は、マグロ漁業の急速な成長、民間セクター育成強化の政策に支えられ比較的順調に推移した。
4)我が国との関係では、経済協力、人的交流や民間企業によるホテルの買収、自動車部品工場の進出等を中心として関係の緊密化が図られつつある。1996年6月には、長谷川前駐豪大使を団長とする政策対話ミッションを、また1998年7月には堀元駐フィジー大使を団長とする政策対話ミッションを派遣し、二国間関係の強化に努めた。2000年4月に行われた太平洋・島サミットにはトゥイラエパ首相が参加した。
|