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(3)造船事情
 マレーシアの造船業は、政府よりマレーシア経済の戦略部門として認知されてきた。しかしながら造船産業はいまだに揺籃期にあり、第2次マレーシア産業振興マスタープラン(1996〜2005年)でもボート及び小型船舶の建造を潜在的成長分野の一つとして認めている。その他に有望な分野として、15,000DWTから30,000DWTの特定用途向け船舶、例えば自航バージ、セメント運搬船、フェリー等の建造があるが、マレーシアの造船所はその大半が小規模の造船所でまとまりのない状況にある。造船所は、設備、建造可能船型によりA級からE級の5ランクに分類されており、1999年12月現在で39の造船所が大蔵省に登録されている。
 
表3-(1)造船所の分類
分類 排水量 造船所数 備考
A級 600トン超 6 PSC, MSE, SASHIP等
B級 400〜600トン 6  
C級 200〜400トン 14  
D級 50〜200トン 1  
E級 50トン未満 12  
出典)第25回APSEM会議提出資料
 
 その内、外航向け船舶の建造あるいは修繕できる能力・規模を持つ造船所は、
(1)Malaysia Shipyard & Engineering Sdn Bhd(MSE)
(所在地)
Pasir Gudang Industrial Estate, Pasir Gudang, Masai,81707 Johor
Tel: +60-7-259-2000 Fax: +60-7-252-3701
(建造設備)
船台 135.00m×25.00mm 10,000G/T
(修繕設備)
ドライ・ドック(No.1) 385.00m×80.00m 450,000DWT
ドライ・ドック(No.2) 270.00m×46.00m 140,000DWT
シンクロリフト 188.40m×33.80m 70,000DWT
注)この設備は建造設備と兼用できる。
(事業実績)
 
新造
船舶の種類 1998年 1999年 2000年
外国顧客 オイルタンカー 2 2 -
ケミカルタンカー - 1 1
国内顧客 コンテナ 1 - -
タグボート 2 - -
バージ 1 - -
その他 2 - -
 
修繕
船舶の種類 船舶数 合計(百G/T)
98年 99年 00年 98年 99年 00年
外国顧客 オイルタンカー - - - - - -
ケミカルタンカー 25 21 16 2.7 1.6 12.1
一般貨物船 3 3 5 0.05 0.05 0.07
コンテナ船 2 8 4 0.03 0.06 0.06
タグボート 4 2 - 0.1 0.06 -
漁船 - - - 0.001 - -
バージ - 1 - - 0.01 -
その他 1 - - 0.3 0.3 0.4
国内顧客 オイルタンカー 10 13 15 0.1 0.1 0.3
ケミカルタンカー 1 4 3 0.02 0.2 0.01
一般貨物船 3 4 3 0.02 0.04 0.03
コンテナ船 8 6 9 0.07 0.01 0.1
タグボート 1 - - 0.001 - -
漁船 - - 1 - - 0.001
バージ 1 - - 0.004 - -
その他 14 19 19 0.4 0.43 0.3
 
(2)Sabah Shipyard Sdn Bhd(SASHIP)
(所在地)
Km 9, Jalan Ranca Ranca, 87008 F.T. Labuan, Sabah
Tel: +60-87-425577 Fax: +60-87-410136
(建造設備)
シンクロリフト 140.0m×28.0m 6,940mt
修繕設備と兼用
(事業実績)
新造1998年〜2000年 新造の経験なし
 
修繕
船舶の種類 船舶数 合計(G/T)
98年 99年 00年 98年 99年 00年
外国顧客 オイルタンカー - - 1 - - 3,300
ケミカルタンカー - - - - - -
一般貨物船 4 2 1 12,000 6,000 3,500
コンテナ船 - - - - - -
タグボート - 3 2 - 2,700 1,800
漁船 - - - - - -
バージ - - - - - -
その他 - - - - - -
国内顧客 オイルタンカー - - 2 - - 7,200
ケミカルタンカー 2 - 4 600 - 1,200
一般貨物船 24 24 15 69,000 72,000 45,000
コンテナ船 1 - 3 3,500 - 10,500
  5 2 4 3,000 1,200 2,400
タグボート 8 27 15 7,200 24,300 13,500
漁船 - - 2 - - 8,000
  2 - 1 200 - 600
バージ - - 1 - - 1,200
その他 16 13 29 4,800 3,900 6,000
 
(3)Penang Shipbuilding Construction Sdn Bhd(PSC)
(所在地)
Rulay Jerejak, 10760 Penang
Tel: +60-4-874 239 Fax: +60-4-832 405
(建造設備)
船台 150.00m×25.00m 100DWT
(修繕設備)
フローティングドック 42.18m×14.20m 450DWT
(4)PSC Naval Dockyard(PSC-NDBC)
(所在地)
Naval Base,
Pengkalan TLDM, 32100 Lumut, Perak
Tel: +60-5-935 701/10 Fax: +60-5-935 708
(建造設備)
引き上げ船台 60.00m×13.00m 450DWT
引き上げ船台 120.00m×23.00m 3,500DWT
修繕設備と兼用
 
 などがあるが、その他の造船所は、一般に内航海運を対象とし、建造能力は2,000DWT以下の船舶に限られており、鋼材の加工と舶用機器の組み立てが主体であって大半の資機材は輸入依存である。
 建造船種は、漁船、プレジャーボート、バージ、タグ、交通艇、オフショアーサプライボート、戒艇、時にコンテナー船、タンカー、貨物船などである。マレーシアの造船及び関連業者はマレーシア造船工業会(AMIM)を組織し、56社の通常会員と7社の賛助会員から構成されているが、実際は70社程度あるといわれている。
出典)JETROシンガポール事務所報告書
 
表3-(2)船舶建造実績
(100G/T以上の鋼船)
建造年 隻数 G/T
1998 42 28,000
1999 35 24,000
2000 30 7,000
2001 26 7,000
2002 29 9,000
出典)ロイド統計 World Shipbuilding Statistics 2002(Table 11)
 
表3-(3)船舶受注実績
(100G/T以上の鋼船)
2002年 2003年 2004年
隻数 G/T 隻数 G/T 隻数 G/T
33 9,761 32 8,961 1 800
出典)ロイド統計 World Shipbuilding Statistics 2002(Table 2)







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