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海外における造船・海運動向レポート I (アジア・大洋州)

 事業名 海外における造船・海運動向レポートの作成
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5


ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Vietnam)
(1)一般事情
1. 面積:32万9,241km2
2. 人口:約7,971万人(2002年)、人口増加率:1.36%(2001年)
3. 首都:ハノイ
4. 人種:キン族(越人)90%、約60の少数民族
5. 言語:ベトナム語
6. 宗教:仏教(80%)、カトリック、カオダイ教他
7. 略史:
 千年を超える中国支配を経験した中国文化圏最南端の国
 1883年仏の植民地化。
 1945年ベトナム民主共和国成立。
 1949年ベトナム国(親仏)成立。
 1954年ジュネーヴ協定により南北分割。
 1955年南部で共和制成立。
 1965年米軍直接介入開始。
 1973年パリ和平協定。
 1975年南越崩壊。
 1976年南北統一(社会主義共和国)。
8. 政治体制・内政
1)政体:社会主義共和国
2)元首:チャン・ドゥック・ルオン国家主席
3)国会:
(1)一院制(498名)、任期5年
(2)議長:グエン・ヴァン・アン
4)政府:首相:ファン・ヴァン・カイ
5)内政:
(1)1986年の第6回党大会にて採択された市場経済システムの導入と、対外開放化を柱としたドイモイ(刷新)路線を継続、外資導入に向けた構造改革や国際競争力強化に取り組んでいる。他方、ドイモイの進展の裏で、貧富の差の拡大、汚職の蔓廷、官僚主義の弊害などのマイナス面も顕在化している。
(2)2001年4月には、第9回共産党大会が開催され、共産党一党支配による社会主義体制の維持とドイモイ路線継続という基本方針の継承が打ち出されるとともに、党員の腐敗撲滅に向けての各種対策が示された。また、同大会において、マイン国会議長が新書記長に選出された。同年7月の第11期第1回国会では、ルオン国家主席、カイ首相がいずれも再任された(任期5年)。
9. 外交基本方針:全方位外交の展開、特にASEAN、アジア・太平洋諸国等近隣諸国との友好関係の拡大に努めることを目指している。1995年7月には、米国と国交正常化を達成し、ASEANに加盟した。1998年11月には、APECに正式参加した。
10. 経済指標
1)主要産業:農林水産業、鉱業
2)GDP: 301億米ドル(2000年IMF資料)
3)一人当りGDP: 388米ドル(2000年IMF資料)
4)経済成長率:7%(2002年政府公表暫定資料)
5)物価上昇率:0.8%(2001年政府公表)
6)失業率:6.01%(都市部のみ、2002年政府公表)
7)貿易額(2002年):
(1)輸出:165.3億米ドル
(2)輸入:193億米ドル
8)主要貿易品目(2002年):
(1)輸出:原油、繊維、水産物
(2)輸入:機械、繊維品、石油製品
9)貿易相手国(2002年):
(1)輸出:日本、米国、中国
(2)輸入:台湾、シンガポール、日本
10)通貨:ドン(Dong)
11)為替レート:1ドル≒15,413ドン(2002年12月)
12)経済概況
(1)1989年頃よりドイモイの成果が上がり始め、1995〜1996年には9%台の高い経済成長を続けた。しかし、1997年に入って、成長率の鈍化等の傾向が表面化したのに加え、アジア経済危機の影響を受けて外国直接投資が急減し、また、輸出面でも周辺諸国との競争激化に晒された結果、1999年の成長率は4.8%に低下した。
(2)2000年の成長率は6.7%、2001年は6.8%を記録し、経済は回復過程に入ったと見られる。しかし、慢性的貿易赤字、主要農産物の国際価格低下、未成熟な投資環境等、懸念材料も依然残っている。
(出典)外務省ホームページ
11. 貿易概況
 2001年の実質GDP成長率は6.8%と、年初目標の7.3%は下回ったものの、ASEAN諸国の中では高成長を記録した。2001年の貿易は輸出入ともに前年比5%台の低い伸びにとどまった。日本、中国など主要国向け輸出が減少するなか、米国向け輸出が米越通商協定発効(2001年12月)の期待効果で前年比45.4%増加、第3位の輸出先となった。2001年の対内直接投資は4年ぶりに前年比で増加に転じた2000年に続き、484件(前年比110件増)、24億7,190万ドル(同22.8%増)と、件数、金額とも伸びた。日本からの投資も、ハノイなど北部を中心に大型進出案件が相次ぎ、投資額が倍増した。
 2001年の輸出は前年比5.5%増の15億ドルと、伸び率では前年の24.2%増から低下した。国際価格の下落により原油、農産物などの輸出額が減少したことが影響した。
 品目別にみると、シェア20.4%で最大の輸出品目である原油が、数量ベースでは前年比9.7%増加したが、金額ベースでは9.9%減少した。2000年の原油輸出額が国際価格の高騰により同63.2%増加したのと対照的な結果となった。計画投資省(MPI)管轄の中央経営管理研究院(CIEM)によれば、2001年の原油価格下落によるベトナムの原油輸出額減少分は約7億4,000万ドルに上る。これはべトナムの全輸出額の4.9%に当たる額であり、ベトナムの輸出は原油価格に左右されやすい体質であることを示している。また、主要輸出農産物であるコーヒー、コメも、数量ベースではそれぞれ前年比34.2%、6.5%増加したが、国際価格の下落により輸出額は同26.3%減、42.7%減と大幅に減少した。一方、水産物は、2000年の伸び率(前年比53.8%増)には及ばないものの、米国向けを中心に同18.1%増と好調を維持している。多くの地場水産企業がHACCP(危害分析重要管理点)方式の導入などによる衛生管理体制の整備や生産・加工水準の高度化を進めており、水産物の輸出増はこうした企業努力の効果の表れとみられる。工業製品では、繊維・縫製品、履物が世界市場の需要低迷と激しさを増す国際競争の影響を受け、それぞれ同2.0%増、5.2%増と低い伸びにとどまった。
 
表1-(1)ベトナムの主要商品別輸出
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
原油 3,414.6 3,076.3 20.4 △9.9
繊維・衣類 1,847.8 1,884.9 12.5 2.0
水産物 1,459.0 1,723.8 11.8 18.1
履物 1,395.6 1,468.1 9.7 5.2
コーヒー 482.1 355.5 2.4 △26.3
553.8 317.4 2.1 △42.7
野菜 197.8 237.6 1.6 20.2
美術品 227.4 227.1 1.5 △0.0
ゴム 162.3 151.0 1.0 △7.0
57.8 33.1 0.2 △42.8
合計(その他含む) 14,308.0 15,100.0 100.0 5.5
出典)JETRO貿易投資白書2002年(べトナム統計総局、関税総局)
 
表1-(2)べトナムの主要商品別輸入
(単位:100万ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
機械機器部品 2,479.7 2,736.6 17.1 10.4
石油 1,915.5 1,752.4 11.0 △8.5
繊維・衣類・革原材料 1,409.9 1,567.5 9.8 11.2
鉄鋼 761.3 931.5 5.8 22.4
オートバイ部品 772.1 788.2 4.9 2.1
コンピュータ・電子部品 881.1 664.2 4.2 △24.6
肥料 439.0 344.1 2.2 △21.6
医薬品 289.6 275.0 1.7 △.5.0
自動車部品 105.3 229.5 1.4 118.0
自動車 116.3 196.9 1.2 69.2
合計(その他含む) 15,200.0 16,000.0 100.0 5.3
出典)JETRO貿易投資白書2002年(ベトナム統計総局、関税総局)
 
 輸出を国・地域別にみると、1位は日本で25億980万ドル(シェア16.6%)、2位は中国で14億1,810万ドル(同9.4%)で、両国の順位は前年と変わらなかったが、いずれも前年比4.3%、7.6%減少した。対日輸出に関しては、縫製品(5億9,151万ドル、シェア23.6%)、原油(3億8,469万ドル、同15.3%)がそれぞれ前年比4.5%、76.6%減少したことが大きく影響した。対中輸出でも、41.7%を占める原油(5億9,144万ドル)が前年比21.0%減少したことが大きな要因となった。
 一方、米国向け輸出が前年比45.4%増の10億6,530万ドルと大きく増加し、前年の6位から3位に順位を上げた。99年の5億400万ドルからわずか2年で倍増したことになる。品目別にみると、対米輸出の45.3%を占める水産物が前年比58.5%増の4億8,242万ドルで、国別で前年1位の日本(4億7,475万ドル)を抜き、水産物輸出の最大相手国となった。また、2位の原油、3位の履物もそれぞれ前年比146.4%増、30.1%増と増加し、これら上位3品目で対米輸出77.1%を占めた。2002年上半期の輸出も、引き続き農産物、原油価格低迷の影響により、前年同期比3.6減の73億2,720万ドルとなった。品目別では、原油(18.9%減)、コーヒー(42.7%減)、野菜・果物(33.3%減)が大きく減少している。国・地域別でみても、日本(17.6%減)、中国(17.7%減)、シンガポール(18.6%減)、オーストラリア(12.1%減)など総じて落ち込んでいる。
 こうしたなか、唯一大幅な伸びを示しているのが米国(62.2%増)である。2001年12月に発効した米越通商協定により繊維・縫製品の関税率が大幅に引き下げられ、2002年に入って対米繊維・縫製品輸出が急増していることが主な要因である。2002年上半期の対米繊維・縫製品輸出は前年同期比10倍の2億2,340万ドルと急増し、対米輸出全体に占める割合も2001年の4.4%から2002年上半期には27.4%に跳ね上がっており、水産物に次ぐ2番目の対米輸出品目へと成長した。今後は対米輸出をにらんだ外資企業の進出増加が期待される。
 輸出と同様に、2001年の輸入も前年比5.3%増と低い伸び率にとどまった。特に、2000年に前年比7.8倍の19億1,550万ドルで2位の輸入品目となった石油は、数量ベースでは前年比5.9%増加したものの、金額ベースでは8.5%減の17億5,240万ドルと減少した。最大の輸入品目である機械機器部品は、設備投資の増加に伴って10.4%増の27億3,660万ドルとなり、前年の28.1%増に続いて堅調な伸びを示した。また、国内需要の拡大を反映して、鉄鋼が22.4%増の9億3,150万ドル、自動車部品が118.0%増の2億2,950万ドル、自動車が69.2%増の1億9,690万ドルと増加した。
 ベトナムの貿易は原油など一次産品を輸出し、石油、資本財、工業製品を輸入する構造であり、輸入代替産業の育成、工業製品の国産化が求められている。現在、ベトナム初の製油所建設が北部クアンガイ省で進められている。計画どおりに進めば2004年には操業開始、年間650万立方トンを精製する予定である。また、北部タンホア省に第2の製油所を建設する計画もある。
 輸入を国・地域別にみると、最大の輸入相手国であるシンガポールが前年比9.7%減、第2位の日本も1.6%減と減少に転じた。シンガポールからの輸入減は、全体の46.8%を占める石油が前年比18.3%減少したことなどによる。日本からの輸入減は、コンピュータ・電子部品が同34.5%減となったことが影響した。
 中国からの輸入は、2000年に前年比122.9%増と大幅な伸びを記録し、2001年も14.5%と伸び率は低下したものの、引き続き拡大している。主な輸入品目は、オートバイ部品(3.3%増、シェア26.6%)、石油(76.0%増、14.2%)、機械機器部品(31.8%増、13.4%)である。
 特に99年以降、圧倒的な低価格により中国製二輪車が大量に流入した。2000年には100万台、2001年には200万台の中国製二輪車がベトナム市場に流入したとみられ、シェアは99年の13%から2000年には65%、2001年には80%に達したといわれている。しかし、2002年に入って中国製二輪車輸入は急減しており、2002年第1四半期は前年同期の約1割以下となった。
 これは、(1)2002年初めに導入された新関税算定方式により、組立用部品の輸入関税率が引き上げられたこと、(2)ホンダが従来の最廉価モデルの半額で新型車を年初から投入したことなどにより、ベトナム市場で中国製二輪車離れが進んだことが原因とみられる。
 2002年上半期の輸入は前年同期比10.2%増の86億2,660万ドルであった。機械機器部品(30.8%増)、鉄鋼(9.7%増)、自動車(12.7%増)、自動車部品(26.5%増)が増加したが、石油(10.5%減)の減少で相殺されたかたちとなった。国・地域別では、石油輸入の減少でシンガポールが0.1%増と微増だったのに対し、日本、中国はそれぞれ12.1%、20.1%増加した。
 国際市場の競争激化に伴い、ベトナム政府は市場シェアの確保や新規市場の開拓のため、新たな貿易振興策を打ち出している。2001年4月には、2001年から2005年までの5年間の貿易管理制度に関する首相決定が発表された。同年5月には、コメ、コーヒーなどの輸出不振に直面している企業への市場開拓・拡大支援として、輸出支援基金の拠出が決議された。また、同年8月には法令改正により、貿易業者が登録品目にかかわらず商品を輸出することが可能となった。同年12月に首相令により2002年の貿易振興政策が公表されたが、おおむね2001年にとられた輸出振興策を踏襲、拡大するものであった。これによると、2002年の輸出は前年比10〜13%増を見込んでいる。
 一方、輸入管理政策については一部で混乱をきたしている。最大の問題は、外資系企業を含む二輪車メーカーに対する輸入関税率の変更である。二輪車メーカーは現地調達率に応じた関税率の適用を受けていたが、政府は2001年末、現地調達率の算定方式と適用関税率の変更に関する政令および施行細則を発表した。日系二輪車メーカーの現地調達率は、巨額の設備投資による内製化と国内部品メーカーからの調達により、おおむね50〜60%に達していた。しかし新制度では、自社が30%以上出資している部品メーカーからの調達を除いて、国内部品メーカーからの調達額の4割しか現地調達率に算入されなくなった。これにより、日系メーカー各社の現地調達率は高いところでも20%台にまで下がり、関税が50〜60%に跳ね上がった。
 この制度変更の目的は、中国からコンプリート・ノックダウン(CKD)部品を輸入して組み立てるだけの国内二輪車メーカーの「輸入ビジネス」の横行に歯止めをかけ、公正な競争環境をつくりだすことにあった。また、国内には28社の組立メーカーが乱立しており、商社経由で輸入した部品を現地調達部品と偽るなどの不正も恒常化していた。
 しかし、今回の新制度導入は、(1)突然の制度変更(2001年11月に公布、2002年1月より施行)、(2)不正を取り締まるのではなく、乱暴な制度変更で結果的に地道なコスト削減努力を続けてきた外資系メーカーに不利益となっていることが問題視されている。
 産業基盤が脆弱なベトナムで二輪車産業を進めるためには、外資系部品メーカーのさらなる誘致と、既存部品産業の育成が急務となろう。新制度導入は、結果的に部品メーカーのコスト削減努力を無にしてしまう点で、部品産業育成に相反する結果を生み出しかねない。
 ベトナム政府は2003年にもWTO加盟申請を行い、2004年の正式加盟を目指している。2002年初頭にムーアWTO事務局長がベトナムを訪問、2年以内の加盟実現を期待するとともに、国営企業改革、知的所有権問題、法制度整備など、加盟に向けた課題を指摘した。4月には、グエン・マイン・カム副首相がジュネーブのWTO本部を訪問し、加盟交渉期間中はWTO設立合意書に従ってベトナムに優遇措置を付与するよう加盟国に訴えた。これに対してWTO事務局側は、べトナムの加盟にあたっては十分な準備、法制度整備が必要と指摘した。







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更新日: 2019年9月14日

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