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 タイは自由貿易圏(RTA)構想に積極的であり、現在オーストラリアと交渉を進めている。ほかにも、中国、インド、米国、日本、ニュージーランド、バーレーン、英国などにも二国間のFTAを提案しており、中国・ASEAN自由貿易地域も積極的に支持している。こうしたタイの積極姿勢の背景には、国内経済の立て直しのため、輸出や外国投資を活用していきたいという狙いがある。外需活性化の起爆剤としてFTAへの期待は高い。
 タイ政府はFTAにより、短期的には輸出拡大効果を、中長期的には投資拡大を狙っている。現在最も研究が進んでいるタイ−オーストラリアFTAの場合、両国経済は自動車、繊維産業などで相互補完的な関係にあり、互いにFTAによる恩恵が享受できるとしている。特にタイの輸出では小型自動車、農産品、繊維などでメリットが大きいとされているほか、規格の標準化、技術移転などの非関税分野での両国間協力にも貢献するとして期待されている。
 
表1-(8)タイの対日主要商品別輸出
(単位:100万ドル、%)
  輸出
2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
コンピュータ・同部品 904 778 7.8 △13.9
IC 418 466 4.7 11.5
半導体等 401 433 4.3 8.1
水産缶詰 415 417 4.2 0.4
家具・同部品 351 327 3.3 △6.8
輸送機械・同部品 194 300 3.0 54.7
天然ゴム 353 293 2.9 △16.9
TV受信機・同部品 276 292 2.9 5.7
FAX・電話機・同部品 210 270 2.7 28.6
冷凍チキン 211 267 2.7 26.9
冷凍エビ 317 264 2.6 △16.8
プラスチック製品 200 192 1.9 △3.7
エアコン・同部品 94 192 1.9 103.8
鉄・鉄鋼製品 185 173 1.7 △6.8
衣料品 187 172 1.7 △8.3
冷凍イカ 187 171 1.7 △8.3
冷凍魚 170 170 1.7 △0.3
プラスチック樹脂 173 165 1.7 △4.5
冷蔵庫・同部品 163 153 1.5 △6.4
ペットフード 163 145 1.5 △11.1
合計(その他含む) 10,232 10,007 100.0 △2.2
出典)JETRO貿易投資白書2002年(タイ商務省)
 
 水産物缶詰、冷凍エビ、冷凍チキンなどアグロインダストリーはタイの主要な輸出産業の一つであり、タイの輸出競争力は従来高いレベルにあった。しかし、近年、競合国との価格競争や輸入国の求める標準規格への対応などの諸問題に直面している。水産缶詰の代表的なものとしてツナ缶詰があるが、最大輸出市場である米国は、ペルーやコロンビアなどアンデス諸国の麻薬対策として同製品に対する特恵関税を付与しているため、相対的にタイの価格競争力が低下している。また、自然保護運動におけるイルカ保護キャンペーンの影響や、ツナ缶詰に使用される大豆油の遺伝子組み換え作物問題などもあり、タイのツナ缶輸出には課題が山積している。一方、冷凍チキンについては、BSEや口蹄疫の影響で鶏肉への需要が高まったことに加え、同産品の競合国である中国や米国で鳥インフルエンザが発生したため、タイ産冷凍チキンヘの需要が高まったことなどから、2001年には36.9%増と大幅に増加した。ところが、2002年に入りEU向けタイ産冷凍チキンなどから欧州で使用が禁止されている抗生物質(ニトロフラン)が検出され、EU向け輸出を一時自粛したことから、一転して減少している。こうした事態に対し、タイ政府は検査機器を導入して検査体制を強化するなど、輸出食料品を輸入国の標準規格に適合させる体制づくりを急いでいる。食品産業の育成を目的とする「タイ食品産業振興機構」では、食品加工業者に対し、規格、安全性、品質などに関するチェック体制の強化を促し、タイの食品・同加工業における輸出競争力の低下防止に努めている。
 
表1-(9)タイの対日主要商品別輸入
(単位:100万ドル、%)
  輸入
2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
産業機械 2,788 2,790 20.2 0.1
電気機械・部品 2,196 1,880 13.6 △14.4
IC 1,695 1,526 11.0 △10.0
化学品 1,267 1,141 8.3 △9.9
鉄・鉄鋼 1,302 1,097 7.9 △15.7
輸送機器部品 1,052 991 7.2 △5.7
金属製品 986 905 6.5 △8.2
医療機器 617 575 4.2 △6.8
プラスチック製品 314 280 2.0 △10.9
鉱石・スクラップ 273 250 1.8 △8.5
コンピュータ・同部品 295 245 1.8 △16.8
ガラス・セラミック 245 221 1.6 △9.8
インク・印刷機器 136 166 1.2 21.6
ゴム製品 164 153 1.1 △6.7
家電製品 207 150 1.1 △27.6
TVブラウン管 250 132 1.0 △47.3
紙等 118 119 0.9 1.0
金属パイプ 85 103 0.7 20.8
乗用車 139 87 0.6 △37.8
織物 98 78 0.6 △20.1
合計(その他含む) 15,378 13,832 100.0 △10.1
出典)JETRO貿易投資白書2002年(タイ商務省)
 
(A)保有状況
 タイ船主の保有(支配)船腹量(1,000G/T以上の鋼船)は、ロイドの統計World Fleet Statisticsによると2001年末現在258隻1,444,423G/Tである。
 これを船種別に見ると次の通りである。
 
表2-(1)タイ船主の保有船腹量の種類
(1,000G/T以上の鋼船)
船種 隻数 G/T 平均船齢
LNG運搬船 - - -
LPG運搬船 18 27,604 24
原油タンカー 7 22,045 25
プロダクトタンカー 45 102,733 25
ケミカルタンカー 5 12,272 25
その他液体運搬船 1 1,572 33
バラ積み貨物船 27 368,398 15
バラ積み貨物・油兼用船 - - -
揚げ荷装置付バラ積み貨物船 - - -
その他バラ積み船 2 11,876 26
一般貨物船 90 549,310 25
貨客船 - - -
コンテナー船 28 279,146 9
冷凍貨物運搬船 21 36,362 28
RO/RO貨物船 - - -
RO/RO貨客船 - - -
クルーズ客船 1 5,145 39
客船 - - -
その他乾貨物船 - - -
漁猟船 5 7,292 20
その他漁船 - - -
オフショアー補給船 - - -
その他オフショアー関連船 - - -
調査船 - - -
曳船・プッシャー - - -
ドレジャー 9 19,579 19
その他 1 1,089 15
合計 258 1,444,423 22
出典)ロイド統計 World Fleet Statistics 2001
 
 一方、タイ船籍として登録されている船腹は、同じくロイド統計資料によると2001年末現在568隻、1,771,382G/Tである。
 
表2-(2)タイ籍として登録船腹量の種類
(100G/T以上の鋼船)
船種 隻数 G/T 平均船齢
LNG運搬船 - - -
LPG運搬船 50 51,307 26
原油タンカー - - -
プロダクトタンカー 5 4,347 28
ケミカルタンカー 9 14,710 25
その他液体運搬船 5 4,145 27
バラ積み貨物船 28 390,099 15
バラ積み貨物・油兼用船 - - -
揚げ荷装置付バラ積み貨物船 - - -
その他バラ積み船 1 1,542 31
一般貨物船 145 818,435 26
貨客船 1 2,637 37
コンテナー船 13 136,759 7
冷凍貨物運搬船 28 42,138 20
RO/RO貨物船 - - -
RO/RO貨客船 7 5,726 31
クルーズ客船 1 5,145 39
客船 9 3,239 23
その他乾貨物船 - - -
漁猟船 46 18,668 31
その他漁船 2 5,621 31
オフショアー補給船 3 1,110 22
その他オフショアー関連船 - - -
調査船 - - -
曳船・プッシャー 13 2,909 20
ドレジャー 12 21,534 22
その他 12 4,068 22
合計 568 1,771,382 24
出典)ロイド統計 World Fleet Statistics 2001







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