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表1-(4)シンガポールの主要商品別輸入
(単位:100万シンガポール・ドル、%)
  2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
鉱物性燃料(石油製品) 27,987.3 26,119.3 12.6 △6.7
非石油製品 204,187.8 181,572.9 87.4 △11.1
食料品 5,122.5 5,244.6 2.5 2.4
飲料品・たばこ 1,951.3 1,955.1 0.9 0.2
非食品原料 1,773.5 1,318.9 0.6 △25.6
動植物製油脂 383.0 334.4 0.2 △12.7
化学品 13,282.5 12,181.4 5.9 △8.3
原料別製品 16,359.4 15,249.0 7.3 △6.8
機械・輸送機器 141,067.5 123,932.5 59.7 △12.1
その他工業製品 21,693.9 18,521.5 8.9 △14.6
その他 2,554.2 2,835.6 1.4 11.0
合計 232,175.1 207,692.1 100.0 △10.5
出典)JETRO投資貿易白書2002年(シンガポール貿国際企業庁)
 
 また、米国・シンガポールFTA交渉では、インドネシアのビンタン、バタム両島(リアウ州)で生産された特定のエレクトロニクス製品(具体的な品目名は未公表)をシンガポール産と同格とみなし、シンガポール経由で米国に輸出された場合、米国での免税措置を享受できる計画が検討されている。こうしたシンガポールの二国間FTAに対し、マレーシアのラフィダ通商産業相は2001年7月、AFTAへの「裏口」になり得るとして批判したが、シンガポールは原産地規則が明確に規定されているとして、これに反論した。
 また、中国・ASEAN自由貿易地域(FTA)構想に対しても、ゴー・チョクトン首相は前向きな姿勢を示しており、2002年4月、シンガポールを訪問した中国の胡錦涛国家副主席との会談では、交渉の早期開始が必要との認識を示していた。
 なお、FTAの貿易面での効果については、現時点で十分な検証は困難であるが、2001年1月に協定が発効したニュージーランドとの貿易をみると、2001年の輸出は石油および歴青油の増加などから、前年比13.1%増の7億2,152万Sドルとなり、輸入は酪農品の輸入が増加したものの、メタノールなど有機化学品の輸入減少などから、2.6%減の3億2,301万Sドルとわずかながら減少した。これまで、シンガポールの貿易振興に取り組んできた貿易開発庁(TDB)は2002年4月、従来の輸出振興に加え、シンガポールで事業を行う企業の海外事業展開を支援することを目的として、国際企業庁(IEシンガポール)に改組された。
 2001年のシンガポールの対日貿易は、輸出入ともに減少した。特に、日本からの輸入が大幅に減少したが、進出日系メーカーからは、生産拠点の第三国への移管などによる影響も聞かれる。
 2000年に輸出入ともに前年比20%台の大幅な伸びを示した対日貿易は、2001年は一転して、輸出入ともに減少した。2001年は、輸出が前年比6.9%減の167億1,230万Sドル、輸入が27.9%減の287億9,410万Sドルで、対日貿易赤字は2000年の220億630万Sドルから、120億8,180万Sドルヘ縮小した。
 
表1-(5)シンガポールの対日主要品目別貿易
(単位:100万シンガポール・ドル、%)
輸出 2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
食料品 493.2 518.5 3.1 5.1
飲料品・たばこ 331.6 294.0 1.8 △11.3
非食品原料 198.1 166.7 1.0 △15.8
鉱物性燃料 1,230.4 919.9 5.5 △25.2
動植物製油脂 15.1 14.1 0.1 △6.5
化学品 821.1 906.8 5.4 10.4
原料別製品 311.0 340.5 2.0 9.5
機械・輸送機器 10.603.2 9,565.1 57.2 △9.8
その他工業製品 3,623.3 3,628.2 21.7 0.1
その他 321.7 358.4 2.1 11.4
合計 17,948.7 16,712.3 100.0 △6.9
出典)JETRO投資貿易白書2002年(シンガポール貿国際企業庁)
 
 対日輸出の内訳をみると、地場輸出が前年比9.0%減の105億408万Sドル、再輸出が3.1%減の62億817万Sドルとなっている。対日輸出を品目別にみると、最大の輸出製品である集積回路(IC)は前年比1.8%増の29億2,560万Sドルと僅かながらも増加したが、コンピュータ用記録済みディスク・磁気テープ等は4.4%減の22億2,986万Sドル、ディスクドライブが29.4%減の9億545万Sドル、ナフサが50.3%減の3億2,311万Sドルと減少した。
 一方、対日輸入は、エレクトロニクス製品に対する需要の低迷から、第1位のICが前年比33.7%減の43億8,798万Sドルと大幅に減少、また、データ処理機械・周辺機器用部品が17.9%減の13億4,237万Sドル、ディスクドライブが19.3%減の7億9,235万Sドル、コンデンサーが39.4%減の6億7,605万Sドルなど主要輸入製品が軒並み減少した。
 日本からの輸入が大幅に減少した理由について、エレクトロニクス製品の需要低迷に伴う生産縮小に加え、
(1)シンガポールでの生産が第三国ヘシフトしたこと、
(2)生産コスト削減のための現地部品調達への転換、
 などがあげられる。特に、
(1)日立製作所による中国福建省およびインドネシアヘのテレビ生産移管(2001年9月)
(2)同・モニター用ブラウン管生産の中止(2001年7月発表)
(3)松下電送によるファクシミリ機生産工場の閉鎖(2002年3月)
(4)松下寿電子工業によるHDDの生産中止(2002年5月発表)
 などの動きが見られた。
 
表1-(6)シンガポールの対日主要品目別貿易
(単位:100万シンガポール・ドル、%)
輸入 2000年 2001年
金額 金額 構成比 伸び率
食料品 150.4 132.9 0.5 △11.6
飲料品・たばこ 62.7 228.6 0.8 264.5
非食品原料 68.3 46.1 0.2 △32.5
鉱物性燃料 114.4 49.3 0.2 △56.9
動植物製油脂 15.4 12.8 0.0 △16.6
化学品 2,149.5 1,634.9 5.7 △23.9
原料別製品 3,238.3 2,559.7 8.9 △21.0
機械・輸送機器 29,863.1 20.8322 72.3 △30.2
その他工業製品 3,688.3 2,726.1 9.5 △26.1
その他 604.7 571.5 2.0 △5.5
合計 39,955.0 28,794.1 100.0 △27.9
出典)JETRO投資貿易白書2002年(シンガポール貿国際企業庁)
 
 2002年1月13日に、ゴー首相と小泉首相がJSEPAに署名した。同協定では、往復貿易額(2000年ベース)の約98%が無税化されるとともに、サービス分野を含む幅広い協力関係の構築について合意をみた。一方、対日貿易上の問題としては、
(1)シンガポール農食品・家畜庁(AVA)が2001年5月、正規の申請手続きを踏まずに製品が輸入されていたことを理由に、日本からの肉(神戸牛を除く牛肉、豚肉、鶏肉)を使用した加工食品およびそのエキスを使用した商品の輸入、販売を禁止したこと、
(2)環境省が2002年3月、日本からのラーメンやスナック製品の一部に、シンガポールでの使用が禁止されている甘味料ステビアが含有されていたことを理由にこれら商品の輸入・販売を禁止したこと、があげられる。







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