1. テキストブックについて
事務局より、本件については、宇部興産海運(株)より成果物として提出済みの船舶管理に係る研修用教材を充てることとし、表紙は当会名で差し替えて製本するという事務局案を説明し、承認を得た。
また、宇部興産海運(株)・今澄氏より、本事業において研修用テキストの取りまとめを受託したことで、従来社内的にも未整備だった教本作成を併せて行うことができた旨、謝辞があった。
なお、従来、事務局において進めていた船舶保守管理手法の取りまとめについては、留意点のみ実施報告書に掲載する旨説明し、了承された。
なお、本字業実施にあたり貴重な資料・ノウハウの提供及び原稿執筆並びにプログラム作成補助をいただいた嶋形委員に対し謝辞があった。
2. 遠隔診断カルテ標準フォーム標準の普及について
事務局より資料5-2に基づき、遠隔診断カルテ標準フォーム(最新版)について、パソコンを用いたデモを行い、前回からの変更点について説明し、了承された。
事務局より、遠隔診断カルテ標準フォームは今後各位にご使用いただくなかでご意見・ご要望を寄せていただきたい旨、また、9日付をもって当会ホームページにインストール用ツールを無償ダウンロードできる体制を整えた旨、付言した。
3. 普及説明会の開催結果について
また、事務局より資料5-3に基づき、船舶管理のアウトソーシング及び遠隔診断カルテ普及のため2月23日及び3月5日に開催した説明会について、主席者、質疑内容等について結果報告があり、了承された。
なお、資料5-2には、前項のインストール用ツールのほか、普及説明会に使用したプレゼンテーション資料が併せて収納されている旨、付言した。
4. 事業実施報告書のとりまとめについて
事務局より資料5-4に基づき、本事業実施報告書は普及説明会資料、協定書、事務局による留意点、部会議事録等をとりまとめて編集・製本する旨説明し了承された。
5. 事業成果物の検収について
本日は吉田部会長が欠席のため、審議により決定された成果物の製本が完了した時点で確認のうえ検収書をいただくこととし、了承された。
6. その他
船舶管理について、次のような意見が交わされた。
・ 船舶では主機関、減速機、Cppにトラブルが発生しやすい。
・ Cppはラック発信器からデータを採るが、発信器のトラブルもある。
・ フラッシングをきちんとやらないとゴミがパイロットバルブにキズを付けるためである。
・ 操舵機関連には、トラブルはほとんど無いが、操船上重要な部分なので、2系統持つことが望ましい。
・ Mゼロ船、超近代化船では、電気・電子系統のビスの緩み、接触不良、ハンダの抜け等が起こりやすい。これは船舶の振動が原因となっている。
・ 故障原因を見つけるには、1カ所だけに集中していてはだめ。全体をプラントとして考える必要がある。
・ 電気関係のトラブルは、高度化された部分だけに対応が難しい。
・ 造船所で育った人は電気関係がよく分からないのが実情。つい電気の部署または下請けに任せてしまう。一方、海運出身の人は電気もよく分かる。
・ 電気関係は、近年ブラックボックス化されており、ほとんど分からないので、実際にはメーカーを呼ぶ以外に手がない。そこで当社船舶では、オートとマニュアルの2系統を搭載している。
・ 交流/直流インバータのノイズが電子機器を狂わせる原因になるので、ノイズフィルターを取り付けている。
・ 光ファイバーも経年変化でヒビが入りやすくなる。ファイバーの端末もメーカー毎に規格がバラバラで対応しにくい。
・ 一部ではあるが、船舶全体を整備する職制を整えている海運会社もある。
・ ヨーロッパ式の液晶モニタは最近ようやく古野電気で製品化した。中国・韓国に、は売り込んでいるが、日本ではあまり普及しないようだ。
・ 海上技術安全研究所で、最適航路を割り出し、航海計画図を作成し、承認されれば自動運航するシステムを研究している。主機関、操舵もコントロール可能となっている。
・ ポッド式推進装置でも入渠には特に問題ない。しかしSMGTはメーカーに送るしか整備のしようがない。
・ 日本初のポッド推進内航船「千祥」の発電機は主機関か、補機か。もし補機扱いならメリットがある。
・ ポッド式推進は1基では直進安定性に問題があるので2基付けにしなければならない。
・ 船舶用主機関は、おおまかには毎分300回転以下が低速タイプ、400〜700回転が中速タイプ、700〜1900回転が高速タイプといえる。
・ 4サイクルは潤滑油の心配さえしておけばよい。2サイクルはピストンリングの摩耗に注意が必要。
・ 電動コンプレッサ、同期調速機は振動計で状態把握・故障診断を行っている。
以上により本日の審議及び事業実施項目は全て終了し、東議長は出席者各位に対し謝辞を述べるとともに閉会を宣した。
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