3. 乗船実務研修について
議長依頼を受け、宇部興産海運(株)・岩本殿より乗船研修の実施日程について説明があり、本船都合により11月10日頃〜概ね1ヶ月の乗船予定とされた。対象船舶のうち、第5興栄丸には向島ドック(株)及び(株)三和ドックの研修者、興春丸には神戸船渠工業(株)及び西武造船(株)の研修者が乗船することとされた。
なお、乗船中に会社からの緊急連絡等は携帯電話が通じること、内航船は頻繁に入港するので、すぐに下船・帰社が可能であることなどが確認された。
4. 工務監督業務研修について
議長依頼を受け、宇部興産海運(株)・岩本殿より工務監督業務研修については、第5興栄丸が下松市・新笠戸ドック(株)に1月13日〜22日の間入渠予定であるため、本船の工事に同行して業務研修を実施したい旨説明があり、部会はこれを了承した。
5. 遠隔診断カルテ標準フォームについて
東議長より、前回嶋形委員より提示された主機関診断項目を作業の簡便化のためにソフト化してみたが現在開発途上である旨前置きし、資料3-5に基づき内容の説明があった。また、今後データフォームのメール機能等を付加することも検討する旨付言した。
審議の結果、部会はこれを了承した。
6. 委託契約の締結について
事務局より、本事業に係る外部委託発注契約を宇部興産海運(株)との間で締結した旨、報告があった。
7. その他
船舶管理について、次のような意見が交わされた。
・ 今後5〜7年で優秀な船員・機関長が定年を迎える。そういう人を早めに船から降ろして(陸上勤務にして)複数の船舶を集中管理することを検討せざるを得ない。
・ 管理船舶にトラブルがあれば問題点に関連するデータを2時間おきに船−陸間通信で入手する。
・ 船舶の経年変化と管理コストの関係は船齢とともに上昇することは間違いないが、関数的にシミュレートすることは事実上困難である。
・ 船舶の管理を引き受ける場合、事前に3ヶ月くらいの時間を掛けて相手の船会社の管理レベルを調査して管理手数料を決定する。
・ 船舶管理を引き受ける以上は最低1割のコストダウンを提示し、それ以上の効果が上がれば船主に喜んでもらえると考えている。
・ 一般論だが、管理レベルの高い会社は、船舶管理を外注してもコストダウンの幅は小さくなりがちである。
・ 船会社の問題意識と管理会社のそれは大きくかけ離れていることがある。事前に問題点を3項目提示されて、実際に調査すると10項目くらいになることも珍しくない。事前調査は欠かせない。
・ 抽出した問題点を全部一度に解決することは現在の船主経済からして困難もあるため、優先順位をはっきりして3〜4年掛けて解決する計画を立てて取り組む。
・ その際、足廻り関係(主機関、シャフト、シーリング、ラダー等)は最優先とする。
・ 損害保険会社との交渉も代行することがある。自社のフリートを持っている場合、それを交渉の材料としてより有利な条件で契約し、船主にメリットを提供する。
・ 船舶管理については、「月いくら」という契約ではなく、不具合時や入渠時の対応を1件として契約している。
・ 一般に荷役装置のトラブルが多い。
・ 管理の実務には、ベテラン(人件費高い)と新人(安い)を組ませ、ベテランは頭を使い、新人は手足となって動くようにさせている。全員ベテランにしてはペイしない。
・ 2年半のドック期間中に合いドックをしないようにするのはメリットがある筈だが、オペはそういう場合に用船料を減らそうとするため判断が難しい。
・ 船主等の合理化努力が収益に直結しない今の海運業界の体質には問題がある。製造業では生産ラインの合理化が進み、次の手だてとして物流の合理化にやっきになっていることも一因と考えられる。
事務局より本事業の部会開催は当初4回の計画であったが、最終回は3月に開催するとして、その前にもう1回開催した方が審議の都合上望ましく、ついては日本財団の了解が得られれば乗船研修終了後に次回の部会を開催したい旨説明し、了承された。なお、開催日程は後日各位のご都合を伺って決定することとされた。
以上により本日の審議は全て終了し、東議長は閉会を宣した。
日時:平成16年2月23日(月) 13:00〜14:50
場所:港区虎ノ門 海洋船舶ビル5階 (社)日本中小型造船工業会会議室
出席者:(順不同、敬称略)
嶋形 清 新潟原動機(株)・カスタマーサポートセンター
技術サポートグループディーゼル機関チーム長
細谷 俊彦 向島ドック(株)・技術グループ統括マネージャー
笹井 稔雄 (株)三和ドック・造機部造機課課長代理
小川 和彦 西武造船(株)・工務部機関課機関係長
今澄 敏夫 宇部興産海運(株)・取締役船舶部長
宮崎 和博 〃 ・主任部員
東 伊一郎 (社)日本中小型造船工業会・常務理事
八木 繁 事務局
配布資料:
4-1 前回議事概要
4-2 座学研修実施報告
4-3 乗船研修実施報告
4-4 入渠工事研修実施報告
4-5 船舶保守管理手法テキスト
4-6 船舶保守管理に係る技術コンサルタント協定書(例)
4-7 「遠隔診断カルタ」の完成について
4-8 遠隔診断カルテ標準フォーム(パイロット版CD)
資料4-6の協定書例文も本CDに収納
(議事概要)
本日は部会長が欠席のため、東常務理事が議長として進行を努めることとされ、挨拶、配付資料及び前回議事録(資料4-1)の確認の後、審議に移った。
1. 保守管理技術に係る研修実施結果について
指示により、宇部興産海運(株)・今澄氏より資料4-2〜4に基づき、10月に行われた座学研修、11月〜12月にかけて行われた乗船研修、1月に行われた入渠工事研修について、実施経過の説明があった。
部会はこれを了承した。
2. テキストブックについて
事務局より資料4-5に基づき、船舶保守管理手法をとりまとめたテキスト原案について進捗状況の説明を行うとともに、最終部会までに研修テキスト等に事務局コメントを付け加え、テキストとしてとりまとめる旨説明し、了承された。
引き続き事務局より、資料4-6に基づき、宇部興産海運(株)殿より提供された協定書を基に作成した「船舶保守管理に係る技術コンサルタント協定書」の例文を紹介し、本件もテキストの巻末に収録することが了承された。
なお、本字業実施にあたり貴重な資料・ノウハウの提供及び原稿執筆並びにプログラム作成補助をいただいた嶋形委員に対し原稿料の支払いを行うこととされた。
3. 遠隔診断カルテ標準フォームについて
事務局より遠隔診断カルテ標準フォーム(パイロット版)について、パソコンを用いたデモとともに内容説明を行った。また、資料4-8には本件のインストール用ツール及び前項の技術コンサルタント協定書例文が収納されている旨付言した。
事務局より、本件は各位にご使用いただくなかでご意見・ご要望を寄せていただきたい旨付言した。
続いて嶋形委員より資料4-7に基づき、遠隔診断カルテに関するコメントが寄せられ、報告書に収録されることとされた。
4. 普及説明会の開催について
事務局より船舶管理のアウトソーシング及び遠隔診断カルテ普及のため、説明会を2月23日(本日)及び3月5日に開催する旨説明し、各位に出席を求め了承された。
5. 事業実施報告書のとりまとめについて
事務局より、本事業実施報告は研修用テキスト及び説明会資料、協定書、事務局による留意点、部会議事録等をとりまとめて編集する旨説明し了承された。
6. その他
船舶管理について、次のような意見が交わされた。
・ 機関のトラブルはよほどのことがない限り船員のマニューバリングミスと考えられる。
・ 平常状態の判断については、公試の際の結果・データを基にするのがベストと考えられる。しかし公試データを念頭に置いている人は少ないのが実情。
・ 機関メーカーにも問題点はある。ボンド制等には消極的である。
・ ユーザーとメーカーが同じ位置に立ってやりとりすることがポイントである。上下関係にあるのはおかしい。
・ 舶用機関では初物に飛びつくなと言われる。逆にメーカーはインセンティブを用意することもある。
・ 製品保証といっても実際には部品提供くらいである。作業はユーザー側の負担になることが多い。
・ 中国等で建造される船舶には欧州の機器が搭載されている。日本のメーカーはエンジニアリングに弱い傾向があり、採用されにくい。
・ 洋上メンテナンスを行うのは日本人である必要はない。場合によっては外国人のチームを編成し何隻かの船を任せるケースもある。
・ 当社では顧客船舶の修繕時にカルテを作成してお渡ししている。
事務局より本事業の部会開催は当初4回の計画であったが、最終回(第5回)を3月に開催することとして日本財団の了解が得られたため、事前打ち合わせの通り3月11日に開催することとされた。
以上により本日の審議は全て終了し、東議長は閉会を宣した。
日時:平成16年3月11日(木) 13:00〜15:30
場所:港区虎ノ門 海洋船舶ビル8階 第2会議室
出席者:(順不同、敬称略)
嶋形 清 新潟原動機(株)・カスタマーサポートセンター
技術サポートグループディーゼル機関チーム長
細谷 俊彦 向島ドック(株)・技術グループ統括マネージャー
笹井 稔雄 (株)三和ドック・造機部造機課課長代理
今澄 敏夫 宇部興産海運(株)・取締役船舶部長
岩本 米三 〃 ・船舶部海務グループリーダー
東 伊一郎 (社)日本中小型造船工業会・常務理事
八木 繁 事務局
配布資料:
5-1 前回議事概要
5-2 遠隔診断カルテ標準フォーム(最新版CD)
普及説明会資料も本CDに収納
5-3 船舶管理に係る普及説明会開催報告
5-4 「船舶修繕業における保船管理体制の調査研究」事業実施報告書
(議事概要)
本日は部会長が欠席のため、東常務理事が議長として進行を努めることとされ、挨拶、配付資料及び前回議事録(資料5-1)の確認の後、審議に移った。
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