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はじめに
 近年、人的要因による海難事故が増加したことにより、船舶及びそれを管理する会社の総合的な安全管理体制を確立するための「国際安全管理規則(ISMコード)」が導入された。これにより、海運業は安全運航管理体制を確立することが求められているが、中小海運業においては人手不足等、種々の理由から体制は充分に整備されておらず、それを補う意味から一部に船舶管理代理業が誕生し始めている。
 なかでも、船社が協業的に設立した船舶管理会社については、船員配乗から集荷まで行うケースも見られ、今後の中小海運業のあり方に大きく関わってくるものと考えられる。
 一方、我が国の中小型造船業のうち、船舶修繕業を営む造船所も経営基盤の安定化を図るため、ハードウェアとしての船舶の保守管理業へ参入することが検討されている。
 本事業では、船員配乗、集荷等については扱わないが、ISMコード時代に即したカタチで顧客の船舶を保守管理していくために必要と思われる技術的知識・情報の調査及び修得、将来の船舶管理スキームの提案を行うものであり、本事業の成果が新規事業の開拓、及び船舶安定航行の一助となれば幸いである。
 
社団法人 日本中小型造船工業会
船舶保守管理技術研究部会
部会長 吉田 信一
 
(順不同、敬称略)
区分 氏名 所属
委員 吉田 信一 神戸船渠工業(株)・船舶グループリーダー
細谷 俊彦 向島ドック(株)・技術グループ統括マネージャー
濱田 泰典 (株)三和ドック・造機部次長
小川 和彦 西武造船(株)・工務部機関係長
浅海 通弘 浅川造船(株)・取締役品質管理本部長
嶋形 清 新潟原動機(株)・カスタマーサポートセンター
 技術サポートグループディーゼル機関チーム長
協力者 今澄 敏夫 宇部興産海運(株)・取締役船舶部長
事務局 東 伊一郎 (社)日本中小型造船工業会・常務理事
  八木 繁 事務局・技術部
 
事業名 船舶修繕業における保船管理体制の調査研究
 
(1)助成事業の目的
 人的要因による海難事故が増加したことにより、船舶及びそれを管理する会社の総合的な安全管理体制を確立するための「国際安全管理規則(ISMコード)」が導入された。これにより、海運業は安全運航管理体制を確立することが求められているが、種々の理由から体制は充分に整備されておらず、一部に船舶管理代理業が誕生し始めている。
 一方、我が国の中小型造船業のうち、船舶修繕業を営む造船所も、内航船・漁船等の建造需要の激減から、経営環境が悪化している。そこで、船舶修繕業が経営基盤の安定化を図るため、船舶保守管理業へ参入することが検討されている。
 本事業では、新規参入に必要と思われる技術的知識・情報の調査及び修得、将来の船舶管理スキームの提案を行う。
 
(2)助成事業の遂行に関する計画
(1)事業計画の内容
a. 船舶管理業の実状調査
 運航管理と保守管理の連携、船−陸間の業務分担、洋上での保守管理等について調査し、中小型造船業が参入する際の技術課題を抽出する。
b. 保守管理業に関する研修会の開催
(a)内容:エンジンメンテナンス、保船管理等に関する座学・実務研修
(b)開催時期 2003年11月〜2004年2月 延べ4回
(c)参加者 約15名
(d)テキスト作成 A4版 約100頁 25部
c. 遠隔診断カルテの作成
 入渠予定船舶の保守に必要な技術情報(主機関・補機類等)を事前に収集するための遠隔診断カルテ標準フォームを作成する。
d. 普及説明会の開催
 内航海運業に対して遠隔診断カルテ標準フォームを周知するため、普及説明会を開催する。
(a)開催時期 2004年2月(2回)
(b)開催場所 東京、広島
(c)参加者数 約150名
(2)実施の方法
 社団法人日本中小型造船工業会内に部会を設置して実施する。
(3)事業の実施の予定表
(注)事業実施の過程で、普及説明会の開催場所のうち広島を今治に変更し、また、部会開催回数は4回のところを審議都合により5回(全て東京)とした。
 
(4)事業成果の公表の方法
 この事業は、競艇公益資金による日本財団の助成金を受けて実施した旨を明示するとともに、報道機関、機関誌等を通じて、一般に公開し、機会あるごとに利用者関係者に対して周知徹底させる。
(5)助成事業の開始及び完了の時期
開始 平成15年4月1日
完了 平成16年3月15日
 
(3)事業経費(円)
総額 4,400,000
助成金額 3,500,000
その他負担額 900,000
経費内訳(明細別紙)
費目 金額
人件費 900,000
旅費 400,000
調査研究費 2,400,000
物件費 268,000
事務費 72,000
会議費 340,000
雑費 20,000







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