終わりに
「企業とNPOのパートナーシップの推進」というミッションを掲げるPSCの諸活動の中でも、特に設立当初からじっくりと温めてきた企画が、この「パートナーシップ大賞」です。
これまで、2000年度に「PSC評価検討委員会」で構想を練り、2001年度は「パートナーシップ大賞準備委員会」として、評価基準の検討や審査委員の委嘱、全国の事例の発掘等の準備を進めてきました。アメリカのドラッカー財団との交流の中で学ぶことのできたコラボレーション評価の考え方も参考にしつつ、PSC独自の評価テーブルで「NPOと企業の協働で実施され、社会にインパクトを与えた特色ある事業」を全国から発掘し、PSCのミッションのベスト・プラクティスとして世に問うこと、モデルとなる事業をより多く社会に示すことを念頭に、まさにPSCのシンボル事業として、満を持してのスタートでした。
本当に応募があるだろうか?―そのためにも審査委員の人選や、賞の出し方が大切。マスコミや全国のNPO支援組織にも呼びかけて、そして何よりも資金の捻出―とやるべきことはあまりにも多い。
しかし、一歩前へ進まなければ何も始まりません。そこで「走りながら考えよう」と募集開始。おおかたの関係者は、20件も応募があれば“大成功”との思いでしたが、締め切ってみるとなんと35件。うれしい誤算でした。
そして、いざ審査となるとこれがまた大変。応募書類だけでは実態がつかめず、1次審査は延々2日がかりとなりました。幸い審査委員各位は全国の情報をお持ちの経験・識見豊富な皆さんであり、公平な立場から11件を選出。準備委員会のメンバーを中心とした調査員による訪問インタビューでの詳細調査となりました。その実態調査をもとに2次審査で6件の事業を選出していただき、プレゼンテーションによる最終審査。そして栄えある第1回の「パートナーシップ大賞」の決定となりました。
まさに構想5年、PSCが自信を持って世に問う「大賞」です。しかしこれはPSCの新たなスタートでもあります。大変革しつつある世の流れの中で、NPOは、期待されるような大きな役割を果たせるか。営利企業とのすみ分けはうまくいくのか。何より、基盤を確固たるものにして社会的責任を果たし続けられるか―。さまざまな疑問の答えは、おそらく、企業と行政とNPOが本当にお互いを分かり合えた上で“よい関係”が作れるかどうかにかかっているのでしょう。
PSCの「パートナーシップ大賞」は、そのための第一歩を踏み出したところです。
パートナーシップ・サポートセンター監事
面高俊文(デンソーユニティサービス)
PSC
パートナーシップ・サポートセンター
Partnership Support Center
パートナーシップ・サポートセンターはすべての人が個人として尊重される豊かな市民社会の実現をめざして地域における企業とNPOのパートナーシップを中心に社会のさまざまな場におけるパートナーシップの形成に貢献します
PSCの3つの約束
■パートナーシップを通じて地域に貢献します
■パートナーシップに関する各種事業を進めます
■企業とNPOの積極的な人的交流をはかります
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PSCの歩み
1996 ●第1回 米国スタディツアー(サンフランシスコ・ニューヨーク)(8月)
●パートナーシップ研究所準備会発足(11月以降1回例会)
1997 ●パートナーシップ基礎講座(全3回)(2月)
1998 ★パートナーシップ・サポートセンター(PSC)設立(1998年7月17日)
●設立総会「NPOと企業市民活動」田代正美氏(経済広報センター)(7月)
●PSC Report 創刊号発行(隔月刊)(9月)
●NPOアイデア交流会スター卜 (日本ガイシ、アイシン精機、トヨタ自動車)(INAX・デンソー)(11月)
●行政&企業市民懇談会(愛知・岐阜・三重県・名古屋市)(11月)
●特定非営利活動法人パートナーシップ・サポートセンター設立 総会・認証申請(12月)
1999 ●パートナーシップ連続講座(1〜3月)
●NPOアイデア交流会(4回)(2〜12月)
●企業市民フォーラム(3回)(関西電力・アイシン・富士ゼロックス)(2〜12月)
●三重県NPO室受託事業シンポジウム(企業&市民パートナーシップ・フォーラムinみえ)(3月)
●特別研修会「財団によるNPO評価」(トヨタ財団)
●TMCC連続講座「企業(人)ボランティアの秘伝教えます」(6回)(5月〜)
●PSC設立1周年記念シンポジウム「交流 生まれたもの 生み出すもの」 (日本電気、大阪ガス他)(7月)
★NPO法人格取得(1999年9月)
●(財)名古屋市都市センター「平和公園・東山公園におけるグラウンドワークの可能性」研究参画 (10月〜)
2000 ●企業市民フォーラム(3回)「企業の社会的評価の意味」(1〜9月)
●三重県「少子化問題啓発事業」(1〜3月)
「日本人がいなくなる?−今、少子化社会を考える−」ビデオ&報告書
●NPOアイデア交流会(3回)(5〜8月)
●PSC定時総会・特別講演会「NPOが社会を変える」水谷研治氏(東海総合研究所)(6月)
●「2001年ボランティア国際年記念事業調査」検討委員会(3回)(日本福祉大学 野崎泰志氏)(7月)
●第4回 米国スタディツアー(ワシントンDC、ニューヨーク)(10月)
●日米シンポジウム「NPO評価と企業評価−その社会的責任」開催 (ワシントン・ニューヨーク)(10月)
●日米シンポジウム「NPO評価と企業評価−その社会的責任」開催(名古屋・東京)(11月)
●パートナーシップ講座(3回)(トヨタ自動車、安田火災 他)(10〜12月)
●名古屋市東山の森づくり研究活動会(名古屋市都市センター)(11月〜)
2001 ●名古屋市東山の森づくり研究活動会・協議会(名古屋市都市センター)(1〜12月)(全14回)
●「磐田NPOリーダー養成講座」(3月〜)
●淡海ネットワークセンター未来塾運営委員参画(4回)(4月〜)
●『第1回パートナーシップ大賞』準備委員会発足(全12回開催)(5月〜)
●厚生労働省「勤労者マルチライフ支援事業」 (愛知県経営者協会・名古屋市社会福祉協議会との3者合同事業)(5月〜)
●ビジネスマナー研修(デンソーユニティサービス)(5回)(5〜11月)
●プレゼンテーション講座「上手なプレゼンテーションの仕方」(6月)
●NPOアイデア交流会(3回)
●「企業とNPOお見合い大作戦・プレゼンテーション講座など」(1〜9月)
●愛知県「企業とNPOのマッチング意向調査」企画・実施/報告書&普及用ガイドブック作成 (7〜02年2月)
●名古屋市「風致地区制度見直し検討研究会」事務局(全5回)(7月)
●企業市民フォーラム(4回)(3〜11月)
●NPOリスクマネジメント講座(10月)
●「緑区歴史のあるまちづくり」会議(3回)(11〜12月)
●勤労者ボランティア体験プログラム「平和公園の溜池再生プロジェクト」(10月)
2002 ●企業市民フォーラム(1月〜10月)
●NPOアイデア交流会(1月〜11月)
●名古屋市東山の森づくり研究活動会(1月〜)
●小牧青年会議所「市民が輝くまちづくり政策研究会議」コーディネート(2月〜全7回)
●勤労者マルチライフ支援事業(愛知県経営者協会・名古屋市社会福祉協議会との合同事業)
●『第1回パートナーシップ大賞』の決定・表彰(6月)
●愛知県「緊急雇用対策NPOに関する雇用状況調査事業」受託(6月)
●勤労者マルチライフ支援事業 勤労者・退職者のための「炊き出し」と「障害者避難サポート」ボランティア体験(8月)
●歴史のあるまちづくり「緑区ルネッサンスフォーラム」(芝隆史会長)発足(10月)
●愛知県職員研修インターン受入れ(10〜11月)
●厚生労働省委託訓練3ヵ月コース「NPO起業・就労科」講座(9〜12月)
●ドラッカー財団へ「パートナーシップ大賞」報告・アメリカ視察(10月)
●勤労者マルチライフ支援事業 社会貢献担当者連絡会議(11月)
●エコプラットフォーム東海(EPT)設立総会・フォーラム(12月)
2003 ●PSC新春合宿研修会(恒例6回目、1月)
●あいちNPO交流プラザ(愛知県)オープニングイベント・コーディネーター(1月)
●災害ボランティアコーディネートマニュアル作成(1月〜)
●NPOフェスタあいち2003(コンソーシアム)(2月)
●NPOアイデア交流会(3月)
●愛知県委託事業「NPOに関する雇用状況調査」報告会(3月)
●日本NPO学会発表「NPOと企業のパートナーシップ、その評価への挑戦『パートナーシップ大賞』経験が示唆するもの」(3月)
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