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II. 調査結果と調査項目のあらまし
◇第1回アンケート調査
 第1回アンケート調査では、障害者本人、親・家族、相談窓口担当者、地域行政担当者を対象に実施した。
●障害者本人、親・家族へのアンケート調査結果
 
1. 現行の制度にあるグループホームや福祉ホームの認識度
(1)グループホームのことは「知っている」が大半でした。しかし、福祉ホームについては「知らない」との答えが比較的多く、グループホームと福祉ホームの違いについては大部分が「知らない」の答えであった。
 グループホームや福祉ホームと言う言葉は聞いたことはあるが、制度の内容については具体的にはまだ知られていないことが多くあるように思われます。
 
2. 「重度身体障害者グループホーム」に対する障害者本人の考えと親の考え
(1)自立訓練や親亡き後の生活等のために、また、重い障害を持つ人も、親からの自立を考え、住み慣れた地域で、多くの人と関わりを持ち、多くの人たちに支えられ生活をしていく一つの選択肢として、重度身体障害者グループホームが必要です。
 
(2)医療的ケアの問題や重度の障害を持つ場合、設備の整った施設の方が良い等の課題もあります。また、現在の生活に満足している、一人で暮らしていきたい、施設は嫌い等、グループホームを必要としない場合もあります。
 
(3)アンケートに回答いただいた人で、既にグループホームに入居している人は極少数でほとんど人が利用していない状況です。
 既にグループホームを利用している人の入居を決めた理由は、自分のためと親の介護負担を減らすため、親・家族からの自立と将来一人で暮らすためのステップとして等様々な理由でした。
 
(4)将来、地域にてグループホームを利用して自立を考えている障害者本人の考えは半々でまだわからないのが現状かと思われます。また、グループホームでの生活がイメージできないことや身近に情報がないこと等が考えられます。
 親・家族はグループホームを利用して自立を考えている場合が大半です。しかし、障害者本人も身近にグループホームがあれば利用を考えることも推測されます。
 
3. 身体障害者グループホームヘの取り組みと各地域の基盤整備の状況について
(1)重度身体障害者が利用できるグループホーム的制度への取り組みを行っている地域はまだまだ少なく、都道府県や区市町村単位での取り組み、助成を行っている自治体はあります。
 
(2)地域におけるホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービス等の基盤整備についても、利用できる選択肢としてのサービスの不足、身体障害者に対してのホームヘルパーの質、量の不足など課題は多く残されています。
 
4. 重度身体障害者グループホームをつくるのに、何が妨げとなるのか
 
◇行政
・理解と協力が得られない
・人的支援がされない
・財政面の厳しさ
 
◇介護
・24時間介護体制を取るのが困難
・障害が個々に違うため、介護が難しい
・安心して任せられる介助者がなかなかいない
◇お金の問題
・行政から補助金の支援が得られない
・設備費がかかる
・家賃補助がない
・運営費が高額で公的援助だけではまかなえない
◇親の意識・本人の考え
・子離れ・親離れができない
・親が作ろうとする考え、気持ち、行動に出てこない
・障害が重いため、グループホームは無理とあきらめている人が多い
◇地域
・住民の理解と協力が得られない
・障害者への認識がない
・地域性
◇法制度
・法的根拠がない
・現行の制度にない
・支援費の対象外
◇医療
・医療面の受け入れ体制が難しい
(医療ケアの問題)
・医療機関のバックアップが必要
・医療との連携が難しい
◇グループホーム
・グループホームの役割に対して理解不足
・サポートできるスタッフの不足、スタッフを育成する場がない
 
◇不動産・住宅
・家主の理解が得られない
・住宅、物件の確保が難しい
・バリアフリーの問題
・身体障害の場合車いすでの移動を考えるとスペースの確保が難しい
◇サポート
・知的障害者グループホームと違い民間でのサポートでは簡単にできない
・人的、設備等大きなサポートを要するため、経済的負担も大きい
 
◇人材の確保
・世話人の確保が困難
・ボランテイアの確保が困難
◇バックアップ体制
・法人格の取得が難しい
・バックアップ施設が必要なこと
◇利用者
・経済的な負担が大きいこと
・地域で人数が揃わない
 
 
 多くの要因が考えられますが、実際に都道府県市町村の単独事業として身体障害者グループホーム事業に取り組んでいる地域もあります。
 
●相談窓口担当者へのアンケート調査結果
1. グループホームに関しての相談の内容と重度身体障害者グループホームの今後の必要性
 
※社会福祉協議会では、相談窓口を置いていない場合がほとんどで、回答は極少数となりました。また、福祉事務所に関しても、支援費制度に移行し、相談窓口が市町村に変わっている場合が多く、ここでも多くの回答を得ることができませんでした。ご協力いただきました社会福祉協議会、福祉事務所の担当者の方々にはお詫びと訂正をさせていただきます。但し、回答いただいたものでの集計をさせていただきました。
 
(1)グループホームに関して利用方法、補助金等について相談があります。
 
(2)地域で肢体不自由者グループホームは必要とされており、重度身体障害者グループホームも親亡き後の生活のため、QOLの向上など今後、必要とされています。
 
(3)重度身体障害者グループホームは現時点で、必要とされるほど相談もなく、ニーズとしてとらえるまでに至らない等の現状で必要ないとの考えもあります。
 
(4)グループホーム、福祉ホームが作られる計画はほとんどなく、福祉ホームの需要も少ない状況です。
 
2. 重度の身体障害を持つ人が、自己の生活を築こうとしたときに必要な情報とどのような相談がされるか。
<情報>
[医療情報] [サポート情報] [福祉サービス内容] [ネットワーク情報]
[住宅情報] [介助者情報] [ボランティア情報] [制度についての情報]
[就労情報] [施設に関しての情報] [公共機関バリアフリー情報]
[ヘルパー派遣]
 
<相談>
[金銭面について] [ヘルパーについて] [施設について]
[人権問題について] [グループホームについて] [就労について]
[ボランティアに関して] [福祉サービス内容に関して] [制度について]
 
●地域行政担当者へのアンケート調査結果
1. グループホームに関しての相談の内容と重度身体障害者グループホームの今後の必要性
(1)グループホームに関して開設方法や設置に向けた補助について、利用方法、グループホームでの支援費制度の利用についてなど相談があります。
 
(2)地域で肢体不自由者グループホームは必要とされており、重度身体障害者グループホームも親亡き後の生活のため、QOLの向上、重い障害を持つ人たちが地域で自立して生活していく場としてなど今後、必要とされます。
 
(3)重度身体障害者グループホームは、医療面、介護面等から世話人が多く必要であったり、ボランティア体制が整っていなければならないことや医療機関との連携など多くの課題もあり、必要性が低いとの考えもあります。
 
(4)グループホーム、福祉ホームが作られる計画はほとんどなく、福祉ホームの需要も少ない状況です。
 
2. すでに一部の地域では身体障害者グループホーム制度を単独事業として実施している。
(1)大都市を中心に身体障害者グループホーム制度の単独事業が実施されています。
 
(2)事業の名称は違うが、身体障害者が利用できるグループホーム的事業が実施されているなど支援がされている地域もあります。
 
(3)グループホーム入居前や一人暮らしの準備のため、体験宿泊や体験訓練等の事業を実施している地域はほとんどなく、モデル的に実施しているケースは一部の地域にあります。
 
3. 各都道府県、市町村障害者プランの施策に身体障害者グループホームに関して組み込まれているか。
(1)身体障害者グループホーム制度が制度化されていないため、障害者プランの施策となるのは難しい状況です。
 
◇第2回アンケート調査
 第2回アンケート調査では、区市町の障害福祉担当者のご協力を得て、支援費制度の施行状況について調査を行った。
 
 支給申請者数、支給決定者数、事業者数等について回答をいただいた。
 
 集計については前に記載。







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