「ホームヘルパーのあるべき姿と目標」
【介護職としての共通目標】
□利用者が満足できる介護サービスを提供することができる。
□ホームヘルパーの職業倫理を正しく理解し、自覚して行動できる。
□利用者の価値観・自己決定を尊重し、生きる力をひきだす支援ができる。(利用者本位・自立支援)
□組織におけるそれぞれの立場・役割を正しく理解し、行動できる。
□プライバシーに配慮した介護ができる。
□救急法などの知識を身につけ、緊急時にも適切に対応できる。
□個人情報について、適切な取扱いができる。(守秘義務・情報公開)
□自分自身の心身の健康管理ができる。
□生涯学習者として、自己研鑽に務めることができる。
※本資料は、平成14年度「ウィリング横浜 業務検討会・ホームヘルパー研修分科会」で、現任者の研修体系化を目的として検討した成果の一部です。
【サービス提供責任者】
あるべき姿:福祉と経営的視点に立ち、介護保険制度におけるサービス提供責任者の役割が遂行できる。
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目標 |
獲得目標
(目標達成のためにしなければならないこと) |
サービス提供
責任者固有
の目標 |
●サービス提供全般の管理 |
□組織におけるサービス提供責任者としての役割を自覚し、事業所の経営方針に従って役割行動がとれる。 |
□介護保険制度のサービス提供責任者の役割を理解して自覚がもてる。
□法令遵守の大切さを理解している。
□経営方針を理解し、具体的な行動計画を立案し、実行できる。 |
□提供するサービスの管理ができる。 |
□サービス内容変更の連絡を正確に行うことができる。
□提供したサービスの記録書のチェックができる。
□提供したサービスの給付管理業務を正確に遂行できる。
□的確に業務シフトを調整できる。 |
□福祉を担う専門職として管理能力を高めるとともに、介護業務の質的向上・業務改善が図れる。 |
□介護業務の現状を把握し、分析できる。
□必要な課題についての解決策を提示することができる。
□管理者とともに改善内容を職員に対して指導できる。 |
□ヘルパーが働きやすい職場環境をつくるための業務管理ができる。 |
□相談しやすい雰囲気をつくるよう努め、ヘルパーの様子に目を配ることができる。
□ヘルパーと状況に合ったコミュニケーションができる。
□自由に意見が言える職場の気風づくりができる。 |
□サービス提供に関する危機管理ができる。 |
□危機を予測し、予防策を立てることができる。
□危機的状況を見逃さず、適切に対応できる。
□危機的状況と事後対応を記録し、報告することができる。 |
●コーディネーターとしての役割 |
□利用者や家族に対し、ニーズに応じた制度やサービス内容等を適切に説明することができる。 |
□制度を理解し、利用者・家族にわかりやすく説明することができる。
□説明責任を果たし、相手の意向を確認したうえで契約をとることができる。 |
□訪問介護計画書の作成後、評価・見直しができる。 |
□訪問介護計画の必要性を自覚することができる。
□介護職として利用者の生活状況を適切にアセスメントできる。
□居宅サービス計画を念頭において介護計画を立案し、適宜評価・見直しができる。 |
□ホームヘルパー個々の特性・能力を知り、適切なコーディネートができる。 |
□利用者や担当ヘルパーの個性と能力を理解し、アセスメントできる。
□適材・適所にヘルパーを派遣することができる。 |
□サービス提供に関する苦情処理ができる。 |
□相手の訴えを聞く技術を身につけている。
□苦情を分析し、正確に把握できる。
□すみやかに適切な対処ができる。
□苦情を職場で共有し、再発を防ぐ。 |
□緊急時・事故時に適切な指示ができる。 |
□緊急時・事故時の連絡体制を周知徹底することができる。
□状況を正確に把握し、冷静な判断にもとづき指示ができる。 |
□地域における事業所の役割を認識し、行政・他機関・他職種と連携を図ることができる。 |
□地域ケアシステムを理解し、現状を把握することができる。
□自他職種の業務を理解し、関係機関と交流の場に積極的に参加することができる。
□相手の立場を尊重しながら、自分の役割遂行のために適切・確実な連携を図ることができる。 |
●スーパーバイザーとしての役割 |
□ホームヘルパー個々の特性・能力を評価し、介護指導・助言ができる。 |
□サービス提供責任者として充分な介護の知識と経験がある。
□客観的にホームヘルパーの能力を見極めることができる
□ヘルパー個々にあわせた計画的な指導ができる。 |
□経営的発想をもって人材育成を考え、職場研修の中心的役割が担える。 |
□人材育成の必要性を理解し、意欲的に職員の研修参加を促すことができる。
□職場研修ニーズを把握すると共に、管理者に研修の実施を提示することができる。
□研修の効果を把握し、管理者とともに業務の解決に向けた検討ができる。 |
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能力開発に必要な機会 |
□ 利用契約時の訪問・面接
・契約書、重要事項説明書の内容説明
(契約内容・援助の方針と目標)
・利用者の生活課題・サービス利用状況等の把握
(アセスメント)
・訪問介護計画、指示書等の作成および内容説明
(具体的な援助の内容・留意点) |
□ 同行訪問、コーディネート・日常業務管理(個別OJT)
・基本介護技術の指導
・コミュニケーション対応の指導
・利用者の生活状況の変化(身体面・生活面・精神面)
・サービス提供・指導内容のふりかえり(モニタリング)
・記録のとり方や記入方法(連絡ノート・申送り等も含む)
・緊急時や苦情への対応(個別評価)
・制度に関する情報(介護保険、支援費等)
・業務シフト管理等派遣するヘルパーの調整
・目標管理面接(意図的・計画的OJT) |
□ 職場内の会議・打合せ(集団OJT)
・朝礼・全体ミーティング
(申送り・経営理念の読み合わせ等)
・事例検討、カンファレンスでの発言・指導
(ニーズ・サービス内容の課題整理と解決方法)
・緊急時や苦情への対応(全体評価・指導) |
□ 職場外のサービス担当者会議への参加
・事業者連絡会
・地域ケアに関する諸会議
・他職種とのカンファレンス |
□ 職場内研修(課題・目的別)の実施
・職場研修推進のためのニーズ把握と企画力の向上
・ケアマネジメントの知識・技術習熟
(訪問介護計画作成等)
・基本介護技術の指導力向上
・制度や地域関連サービス等の最新情報
・スーパーバイサーとしての技術向上 |
□ 職場外研修への派遣
・不得意技術の課題解決(身体介護・家事援助・相談対応)
・新たな知識・技術の習得
(指導にかかる知識・技術/障者対応 等)
・職場研修担当者としての養成・育成研修への参加 |
□ 自己啓発
・1級課程受講への助成・介護福祉士受験対策 等
・自主学習会の運営・参加
・専門誌の購読(医療・保健・福祉全般等)
・地域におけるサービス提供責任者同士の自主学習会の実施 |
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社会福祉法人 横浜市社会福祉協議会 福祉保健研修交流センター ウィリング横浜
〜高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて〜
(課題)
○介護保険施行後見えてきた課題
(要介護認定者の増、在宅サービスの脆弱性、痴呆性高齢者の顕在化、新たなサービスの動き等)
○制度の持続可能性の確保(課題解決の前提)
(目標)
高齢者の尊厳を支えるケアの確立
(実施期間)
早急に着手し、2015年までに着実に実施
(戦後のベビーブーム世代が高齢期に達する2015年までに実現)
介護保険施行後見えてきた課題
(要介護認定者の増加・軽度の者の増加)
・軽度の要介護者の出現率に大きな都道府県格差が存在。その要因について詳細な検証が必要。
・要支援者への予防給付が、要介護状態の改善につながっていない。
(在宅サービスの脆弱性)
・特別養護老人ホームの入所申込者の急増
・重度の要介護認定者の半数は施設サービスを利用。在宅生活を希望する高齢者が在宅生活を続けられない状況にある。
(居住型サービスの伸び)
・特定施設の利用が増加。居住型サービスへの関心が高まっている。
(施設サービスでの個別ケアへの取組)
・ユニットケアの取組が進展。個人の生活、暮らし方を尊重した介護が広がりを見せている。
(ケアマネジメントの現状)
・ケアマネジメントについては、アセスメントなど、当然行われるべき業務が必ずしも行われていない。
(求められる痴呆性高齢者ケア)
・要介護高齢者のほぼ半数は痴呆の影響が認められる者であるにもかかわらず、痴呆性高齢者ケアは未だ発展途上、ケアの標準化、方法論の確立にはさらに時間が必要。
(介護サービスの現状)
・事業者を選択するために必要な情報が十分に提供されていない。
・サービスの質に関する苦情が多い。従事者の質の向上、人材育成が課題。
・劣悪な事業者を市場から排除する効果的手段が不十分。
新しいケアモデルの確立―痴呆性高齢者のケア―
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