帰化植物のある風景
小樽は港だけでなく、街なかにも多くの帰化植物が見られます。5月のセイヨウタンポポ、ハルザキヤマガラシ、6月のフランスギク、ハリエンジュ、8月のオオアワダチソウ、オオハンゴンソウなど、季節ごとにいっせいに咲きそろう帰化植物は、小樽の街の風景の一部となっています。
古くから本来の自然が切り開かれ、都市化の進んだ地域では、植物は土壌の掘り返しや踏みつけなど激しい干渉にさらされるため、帰化植物のように攪乱に強いものだけが生きていくことを許されます。帰化植物の多くは、河川の氾濫原など不規則に環境が変化する場所で生まれ、厳しい環境に適応したさまざまな特徴を備えています。環境の変化に強い性質をもっているからこそ、外来種として新しい土地に定着できたのだということもできるでしょう。
すなわち、帰化植物の豊富さは、どれだけ都市化が進んでいるかというバロメーターであるといえます。小樽に生息する帰化植物は、博物館の調査では約150種類が見つかっていますが、この数字はにぎやかな街として歩んできた、小樽の歴史を物語っているといえるでしょう。
また最近では、住宅地の造成や道路の整備により、郊外の都市化が急速に進んでいます。こうした場所にも帰化植物は確実に分布を広げており、昔ながらの町はずれの風景を大きく変えつつあります。
最近では、道路の法面や、公園などの緑地に用いられる張り芝に混ざって、いろいろな植物が他の土地に運ばれ、多くの外来植物が生まれていることが指摘されています。郊外ではこのように導入された植物が特に目立ち、市街地ではあまり見られないような種類が見つかることも少なくありません。
小樽の6月の代名詞 フランスギク(上)とハリエンジュ(下)
2003年6月16日住吉町 市立病院前
2001年6月23日若竹町 ヒルトンホテルを臨む
勝納川の中州に現れたオオハンゴンソウ 1998年8月 真栄
朝里ダムに咲くさまざまな帰化植物 2002年7月 朝里川温泉 |
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