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“冬” お餅つきとゆっくり、のんびり語り部の話
 
 児童たちにとって、冬休みは遊びの過密スケジュール、とにかくよく遊びます。晴れ間を縫うように戸外での雪遊びに余念がありません。雪合戦や雪像作り、ソリや竹スキー等など。雪はまさに「天恵」、全ての児童たちを遊びへと導いてくれます。そんな児童たちから年末が近づくと、替え歌が聞こえてきます。
 “もういくつ寝ると、お正月”このフレーズが、いつの間にか、“もういくつ寝ると、お餅つき”に変わり始める頃、児童館年末恒例「餅つき&大そうじ」がやって来ます。
 この活動も三世代交流、ふれあい活動の一環で、参加者全員で館内の掃除をした後、祖父母の方々に、お正月の鏡餅や、お雑煮用ののし餅、丸餅等の作り方を習いながら、正月の準備をする、その一連の工程をいろんなお話を交えながら教えてくれるのです。
 「ほんとうに便利な世の中になってねえ・・・昔、餅つき言うたら前の日からほんとに大変やったけど、今みたいに電気やらガスみたいに便利なもんなかったから、朝早くからかまどに火おこして、大鍋の上に何段も蒸籠重ねて、それこそ家中総出でついとったもんやけど、なーんでも便利になって・・・」
 おばあさんの声は決して大きくありません。しみじみと思い出したように、それでいて何処か楽しそうに、お正月の習わしや、お正月遊びを昔話を交えながら、落ち着いた雰囲気の中、とても優しい語り口で話をしてくれます。
 知らず知らずの内に誰もが聞き入ってしまう、『この地に伝わる民話の世界』へ導いてくれる。まさに『語りべの妙技』です。
 異年齢児とのコミュニティー社会児童館、この小さい社会の中で児童は遊びを通して多くの事を学びます。知育、体育、徳育、心豊かな人間性の基礎が養われるこの時期、より多くの体験や経験の機会を与える事が出来る育ちの環境作りが最も重要だと思います。お年寄りとのふれあいは、そのゆっくりと、穏やかな言動からゆとりを得る事が出来ます。
 このゆとりこそが、慈しむこと、敬うこと、耐えること、思いやること等、“心”の育ちにとっても大切な体験の場となります。
 核家族化が進み、お年寄りに接する機会が少なくなった今、児童たちにこの貴重な心の環境を提供する事が出来るふれあい活動は、欠く事の出来ない活動となっています。
 次から次へと並ぶ、折いっぱいのお餅の前には、とっても嬉しそうな顔、素直で優しい目が輝いていました。
 さて、クライマックスは、お母さん方の特製のお雑煮です。大好きなお餅の沢山入ったお雑煮を、とても美味しそうに食べている児童たちを、暖かくて、優しい目なざしが見守っていました。
 
考察と展望
 
 お年寄りとのふれあい活動も回数を重ねるごとに館内活動から地域活動へと変わりつつあります。
 恵まれた豊かな自然と、おしみない地域の協力は活動に幅をもたらし、地域色豊かな活動へと広がりつつあります。
 自然と共存する事によって生かされた感性、それを体験する事によって磨きがかかり、新しい発見が生まれ、新たなる感動を呼ぶ。この新たなる感動を得る、ふれあい活動は地域一環での活動へとなりつつあります。
 
身近なことから環境を考える その(2)
 恵まれた豊かな自然、この環境からの恩恵は計り知れません。しかし恩恵を受ける環境には限りがあります。
 リサイクル等、資源の再利用も環境問題では重要な事ですが、もっと身近な問題として、空き缶のポイ捨て等の清掃問題にも関心をもち、保育園児といっしょの清掃運動に発展しております。
 
家庭ゴミは複雑!!
 
テント設営
みんなで力を合わせて!
 
よーいしょ! よーいしょ!
 







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