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提案要旨
感染症予防と予防接種
山川 佳子(堺市立新金岡西保育所看護師)
I はじめに
 抵抗力のない乳幼児の集団生活の場である保育所において感染症予防は、保育所保健活動の重要課題であり、予防接種は感染症予防対策に欠かせないものです。保育所の看護職は健康管理の専門職として、保育所入所児童の感染症罹患状況や予防接種状況を把握し、免疫のない子どもの保護者には予防接種の勧奨に努めています。また、感染症が発生したり、感染症が疑われる児童が発見されたときは他の子どもへの感染を防ぐための対策を速やかにとれるよう嘱託医や保健所等関係機関と連携し感染症予防に日々取り組んでいます。
これらの感染症予防にむけての取り組みを報告します
 
II 内容
1. 保育所における感染症罹患状況について
当保育所の実情と堺市立保育所保健統計より(別紙参照
2. 予防接種啓発活動について
麻疹ワクチン・BCG接種率
当保育所の実情と堺市立保育所保健統計より(別紙参照
3.麻疹ワクチンに対する保護者の認識
市立保育所におけるフォーカス・グループインタビュー調査結果より
4.子ども、保護者、職員への理解を深めるための啓発活動の実際と問題点
 
III まとめ
 子どもたちの健康や安全な保育所生活のために、保育と保健、それぞれの専門職が密接に連携し、集団保育の中では、いろいろな感染症に感染するリスクが高いことを念頭に置き、保育所の看護職に関わらず保育士をはじめ全ての職員が感染症や予防接種に対する正しい認識をもち、麻疹など予防接種によって感染を予防できるものについては接種するタイミングを逸しないよう保護者に啓発していくことが重要です。
 予防接種未接種児童の背景には、保護者として子どもに予防接種の必要をわかっていても速やかに接種に結びつけない状況があります。
 その原因には、保護者の認識の問題だけではなく保護者の就労状況・予防接種を行う医療体制等社会的な問題もあるように思われます。今後もこれらの問題点にも目を向け、子ども、保護者を中心に保育所・嘱託医・保健所・地域の医療体制とさらに連携を深めながら、保育所における感染症予防のために予防接種の正しい認識の普及と啓発活動に努めていきたいと思っております。
 
(資料)平成14年度堺市立保育所保健統計−堺市健康福祉局児童福祉部保育課
感染症罹患状況及び疾患別免疫状況
市立保育所(園)感染症罹患児数集計報告(平成14年4月〜平成15年3月)
単位:人
 
単位:人
 
年齢別罹患状況(平成14年4月〜平成15年3月)
単位:人
( )内 平成14年度
 
疾患別罹患児年度推移
単位:人







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