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交差反応性とは
・アミノ酸配列が70%以上一致する必要がある。
・30%前後以下では交差性は少ない。
・立休構造や疎水性など種々に影響。
・その他
 
主な食品の交差抗原性
・魚類(サケ):50%メカジキ、シタビラメ(タラの蛋白GadC-1ほぼすべての魚と交差反応
・甲殻類(エビ):75%カニ、ロブスター
・小麦:20%大麦、ライ麦
・牛乳:牛肉(10%)、やぎの乳(92%)、馬の乳(4%)
・メロン:92%スイカ、バナナ、アボガド
(Cicherer: 1997)
 
食物アレルギーの具体策を考えるには
離乳食への配慮はどのように考えるか
離乳食は早くしないほうがよいが、遅くする必要はない
 
食生活の改善
1)和食が中心
2)脂肪と砂糖の取りすぎに注意
3)ミネラル、ビタミンの多い大根の葉、ほうれん草、ごぼう、豆類、ごま、ちりめんじゃこ、ひじき、小魚、煮干、昆布など
4)三十品目以上、時間をかけ噛む
 
脂肪酸とアレルギー
・n-6: 皮膚細胞の形態や保持作用
例:リノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸
マーガリン、月見草油、鳥肉、マヨネーズ、豆類、穀類
・n-3: 抗炎症作用、免疫抑制作用、抗酸化作用
例:αリノレン酸→EPA→DHA
シソ油、エゴマ油、魚介類、
 
n-6/n-3=3以下
 
妊娠中の食物制限は意味があるか
 
臍帯血中の食物アレルゲン特異lgE抗体
研究者 年度 出現頻度 食物抗原
Michel 1980 3/136(2.2%) Milk
Buccino 1983 1/101(1.0%) Egg
Delepesse 1983 2/96(2.1%) Milk
その他 最近 0.4%以下  
 
母乳中は抗原は出てくるか
 
 
[食物アレルギーの臨床診断]
◆詳細な病歴
◆食物日誌
◆スクラッチテスト
◆皮内反応
◆特異的lgE抗体
◆抗原刺激リンパ球増殖反応:遅延型アレルギー対象
◆ヒスタミン遊離試験(HRT):確定試験および除去試験
◆IL-2反応性試験:即時、遅延型反応
◆誘発試験、除去試験
 
 
検査はいつ受けたらベストか
乳児でも十分検査の意味はある?
特異lgE抗体−血液か皮膚テストか
 
食物除去・負荷試験
・疑わしい食品の除去−完全に除去できたか
・除去期間−2週間−症状の変化が重要
・食物日誌−上記の除去内容の確認
・環境整備を十分に
・2週間後の原因食品を負荷し、症状を48時間観察する
・具休的な方法は年齢、症状などによる
 
負荷試験の方法
・オープンチャレンジ
・シングルブラインドチャレンジ
・ダブルブラインドプラセボコントロールチャレンジ(DBPCFC)
 
[経口誘発試験の具体例−卵白]
材料:凍結乾燥卵白または加熱卵白粉末8g
方法:
負荷前2週間は卵除去
薬物投薬中止−基本的には4日前より(抗ヒスタミン薬)24-48時間の観察
投与方法は15分ないし30分間隔
上記粉末をマスキングする媒体(ジュースなど)に溶解
粉末量として
0.02g-0.2g-1g-2g-残り
必要に応じ検査(尿中N-methyl-histamine、血中histamineなど)
 
食物アレルギーの治療
・除去食
厳格除去食
低アレルギー食品:加熱、酵素処理など
回転食
・薬物療法
抗アレルギー薬
対処療法
 
食物除去療法
 
 
 
食物除去実施での注意事項
1)専門医と栄養士のもとで定期的管理が重要
2)除去食品に対する栄養学的配慮と最小限の除去食品
3)必要に応じ薬物療法を考慮
4)加工食品は避け、新鮮な材料で調理
5)離乳食は一般に遅らせる必要はない。
6)家族、患者への精神的心理的サポート
7)環境指導も同時に実施
 
[食物アレルギーの食事療法]
卵:1歳未満でRASTが1以上ではまず卵及び加工品を除去
つなぎに片栗粉、小麦粉 アピライト
1歳6ヵ月以降は負荷テスト
牛乳:牛乳アレルギーはカゼイン分解乳(MA-I、エピトレス)
乳清蛋白加水分解乳(のびやか)
さらに強い場合アミノ酸混合乳(エレメンタルフォミュラー)や大豆乳(ソーヤミルク、ボンラクト)
アトピー素因が強い乳清蛋白加水分解乳(E赤ちゃん)
ペプチードヨーグルト
大豆:大豆類の除去−ほかの蛋白源
non大豆味噌、non大豆醤油
米:低アレルゲン米(ファインライス、ケアライス−AFTライス、−Aカットライス)
小麦:粟、ヒエ、とうもろこし、タピオカ粉、など
 
 







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