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ユキとタクミの希望の子育て(3)
「タクボウの誕生日、ユキノスケの卒ヒモ」
西平賢哉
 
イラスト・松村 隆
 
 十二月一日はタクボウの一歳の誕生日だったので前日の日曜日に家族でパーティーを開催した。パーティーと言っても、プレゼントを買って、ケーキを食べて、親は子の誕生日を口実にちょっとおいしいお酒を飲むだけだが。
 その日は一年前のタクボウが生まれた日と同じようにちょっと肌寒いながらも時々は薄日が差す日だった。「一年前のタクボウが生まれた日は・・・」などと感慨に耽るゆとりもなく、私はプレゼントを買いに行き(伝い歩きが上手になったのでウォーカー)、その後妻がケーキと夕食の材料の買出しに行く。帰ってくるとシェフ・ユキノスケ(白いフリル付のエプロン着用)と妻がケーキ作りを開始。シェフは実際はハンドミキサーに手を添えていただけなのに、すっかり自分が作った気になって、焼きあがったケーキを見て「このケーキはママとユキちゃんが作ったのよ〜」と、鼻高々でご満悦。
 食事の後、「ハッピーバスデー♪」を歌いながらケーキのろうそくを代理のユキノスケが吹き消して、二人は口いっぱいにケーキをほおばって、ただでさえ立派な頬をさらに大きくしていた。その顔(生まれて初めて〜というような顔)を見ると、毎日の経験が新鮮な二人を本当に羨ましく思った。
 続いて前々回の稿でちょっと触れていたユキノスケの「ひも」について紹介しよう。ユキノスケは生後一年弱の時にベビーベッドの枕元に気を紛らわすために結びつけたひもを手で遊びながら眠る習慣がついた。その後三歳十か月になるまで、眠るときにはひもを右手でたぐりつつ、左手の親指を吸いながらじゃないと眠れなくなっていた。外出の時には常にひも持参で、また夜中に起きるたびに「ひも〜」と言いながら泣くユキノスケに起こされてきた。
 さすがにもう四歳が目前になったユキノスケは、そろそろ「卒ひも、卒親指」してもらわないと、という親の心を知ってから知らずか、遂に先日、ひも無しで眠れるようになった! 遊び疲れてひも無しで眠ってしまう日が二日ほど続いた翌日にひもをせがまれた妻が「もうひもはお化けにあげちゃったの。欲しいならおばけを呼ばないと」と言うと怖がりのユキノスケはその日は諦め、翌日からはめでたくひも無しで眠れるようになった。
 「四歳になったらひもはやめるの」という言葉を半信半疑で聞いていたが、やはり子どもは日々成長しているのだなぁ、と実感した。
 末尾になるが、実は我が家に三人目の子どもが今年生まれることに(!)前々回の稿で「三人目ができたら名前はどうしよう」と書いたが、まさかこんなに早く悩むことになるとは。
 
事務局から
▽日本保育協会は平成十五年十二月五日付で、日本学術会議(黒川清会長)より広報協力学術団体として指定されました。今後は学術会議活動の周知と、関係学術分野(登録学術研究団体との連絡・協力関係を維持・強化するための広報活動)に協力することになります。
 この指定は、学術研究の向上発達を図ることを目的とし、今後とも関係分野における学術団体として活動していくことなどについて、審査され認められたことによるものです。
 
平成16年1月10日 保育界 第352号付録
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局保育課
〔1 保育所の待機児童ゼロ作戦の推進〕
(1)保育所の受入れ児童数の増大 39,311百万円
○保育所運営費(9,382百万円)
 待機児童ゼロ作戦を推進するため、新エンゼルプランと合わせて保育所の受入れ児童数を約5万人増加させる。
 
※公立保育所の運営費(1,661億円)については、三位一体の改革(国庫補助負担金見直し)の平成16年度における対応として一般財源化を図ることとされたが、その際に、官房長官、総霧大臣、財務大臣、厚生労働大臣、自民党政調会長及び公明党政調会長の6者の間で「公立保育所については、地方自治体が自らその責任に基づいて設置していることにかんがみ一般財源化を図るものであり、民間保育所に関する国の負担については、今後とも引き続き国が責任を持って行うものとする」と合意された(平成15年12月10日)。
 
○保育所緊急整備(29,929百万円)
 新エンゼルプランに基づく多機能保育所等の整備及び待機児童ゼロ作戦による保育所受入れは、平成16年度に終了するが、昨今の保育需要等に鑑み、平成17年度以降についても都市部を中心に一定程度の待機児童が存在することが想定されることから、引き続き多機能保育所等の整備に加え、保育所受入れ児童数の増大を図るための保育所の整備の推進を図る。
 なお、平成15年度税制改正に関連した「少子化対策の施策」として、待機児童の多い市町村を中心に緊急整備を行うため、平成16年度限りの経費として150億円を計上する。
 
(2)特定保育事業の拡充 2,552百万円
 週2、3日程度又は午前か午後のみ必要に応じて柔軟に利用できる特定保育事業の対象年齢を3歳未満から就学前まで拡大する。
 
・対象児童数 11,100人→28,800人
・補助単価(月額)
3歳未満
週2日程度 18,500円→18,320円
週3日程度 26,300円→26,000円
3歳以上
週2日程度 9,400円
週3日程度 13,500円
 
(3)送迎保育ステーション試行事業 101百万円
20か所
 
(4)駅前保育サービス提供施設等設置促進事業の拡充 900百万円
 設置場所に関し駅から近い場所の要件を緩和し、市町村が保育サービスの供給に効果的と判断した場所に設置する場合も補助対象とする。
30か所→450か所
 
(5)認可化移行促進事業 128百万円
移行促進事業 160か所
環境改善事業 32か所
 
(6)家庭的保育事業 614百万円
2,500人
 
〔2 必要なときに利用できる多様な保育サービスの整備〕
(1)延長保育 31,755百万円
11,500か所→13,100か所
 
(2)休日保育 381百万円
500か所→750か所
 
(3)乳児保育促進事業 870百万円
2,310か所→2,310か所
補助か所数確保のため、補助対象期間を6か月→3か月に重点化
 
〔3 在宅の乳幼児を含めた子育て支援の推進〕
(1)地域子育て支援センターの整備 5,051百万円
2,700か所→3,000か所
 
(2)一時保育促進事業 2,565百万円
4,500か所→5,000か所
 
(3)保育所地域活動事業 1,220百万円
9,948事業→10,048事業
・保育所分園推進事業の推進 200事業→300事業
 
(4)ベビーシッター育児支援事業 352百万円
 
〔4 保育所の施設整備〕
(1)社会福祉施設等施設整備費(再掲) 130,351百万円
うち保育所緊急整備分 29,929百万円
 このうち、平成15年度税制改正に関連した「少子化対策の施策」として待機児童の多い市町村を中心に緊急整備を行うため、平成16年度限りの経費として150億円を計上する。
(2)社会福祉施設等設備整備費(再掲) 1,841百万円
 
(3)社会福祉施設整備共通改善事項
 
○公共工事コスト縮減の実績や建築単価の動向を総合的に勘案し、▲3.5%の補助基準単価の改定を行う。
 
○社会福祉施設等設備整備の社会福祉施設等施設整備への統合による国庫補助申請事務の簡素合理化
 
(4)特別保育事業等推進施設の助成 75百万円
 
〔5 保育所運営費の改善 266,521百万円〕
(1)受入れ児童数の増
 待機児童ゼロ作戦を推進するため、新エンゼルプランと合わせて保育所の受入れ児童数を約5万人増加させる。
 
(2)主任保育士専任加算対象施設の拡大
(特別保育事業等複数実施保育所 定員46人以上→全施設)
6か月分→満年度分
 
〔6 その他の保育サービスの充実〕
(1)障害児保育環境改善事業 83百万円
200か所→250か所
 
(2)家庭支援推進保育事業 1,144百万円
 
(3)保育士養成確保関連 1,406百万円
・保育士養成所費 70百万円
・保育所保育士研修等事業 50百万円
・産休代替保育士費等補助金 1,286百万円
 
(4)へき地保育所費 1,717百万円
 
(5)子育て支援サービス事業 1,176百万円
・事業所内保育施設等運営適正化事業
・企業委託型保育サービス事業
・駅型保育試行事業
 
 
15年度予算
16年度予算内示
保育対策関係
4,902億円  →
3,507億円
 
(参考1)新エンゼルプラン(保育関係部分)
・平成12年度を初年度とする新エンゼルプラン
  15年度 16年度 16年度目標値
低年齢児受入れ 67.4万人 70.4万人 68万人
延長保育 11,500か所 13,100か所 10,000か所
休日保育 500か所 750か所 300か所
乳幼児健康支援一時預り事業 425市町村 500市町村 500市町村
多機能保育所等の整備 268か所
(14'補正 48か所)
累計 1,522か所
268か所
累計 1,790か所
総計〔2,180か所〕
累計 2,000か所
地域子育て支援センター 2,700か所 3,000か所 3,000か所
一時保育 4,500か所 5,000か所 3,000か所
(注1)待機児童ゼロ作戦を推進するため、16年度においては、保育所の受入れ児童数を約5万人増加。
(注2)低年齢児の受入れの16年度については、公民含めた児童数。
(注3)多機能保育所等の整備の16年度目標値累計2,000か所及び16年度総計〔 〕については、少子化対策臨時特例交付金による計画数390か所を含む。
 
(参考2)
保育所の待機児童ゼロ作戦







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