日本財団 図書館


―談話室―
百代の過客
 今年の八月は、実家の初盆(ハツ盆あるいはショ盆)。この辺(関東)では、新盆(アラ盆あるいはニイ盆)と云うとは、ちっとも気が付かなかった。業務の繁忙期だったが、無理を云って、三日間の夏休みを頂戴した。土日を入れ、五日間の休み。この間、田舎で過ごした。これほど長い間、過ごしたことはない。わが田舎の初盆は、お通夜と同じ程度の祭壇や盛り花等の飾り付けにて、お迎えのセレモニーをする。いろんな地方の出身の方に聞いたが、そんなに豪華にはしないとのこと。二日目も三日目にも盆義理に来る人に、御礼とお茶で接待。こうして三日間はうち過ぎ、盆の行事も無事終了。
 滞在四日目にして、中学の同窓会に出席。中学は村から町になりたての農村の中学。あの世から「帰省」していた母親を再び送った日の翌日の夕方、海辺の割烹旅館に、同学年一三〇人のうち四九人が集合。一三〇人といっても物故者が十人近くいる筈で、それにしては出席率の良さに改めて、感激。
 これまで学校の同窓会の類は、中高いずれも卒業直後に一度出席しただけ。意趣有ってのことではない。日程が合わなかっただけのこと。今回出席できたのは母親のお陰と空に向かって、感謝。中学卒業以来、ウン十年は、軽く四半世紀を超過。但し、中学といっても旧制中学ではないので、念の為。ヨワイ(年齢)の程が分かってしまうので、これ位でご勘弁を。
 かつての純粋(?)な少年少女達は、今やそれこそ中高年。如何なる身体的・心理的な変貌を遂げているのかと期待に胸膨らませて、旅館に到着。受付に行くと、その辺りで屯しているオジサン・オバサン達に一瞬たじろいだ。事前に、名簿やアルバムにて「予習(復習?)して来れば良かった」と悔やむ。当時の呼び名(あだ名)や名前を確認しながら、何人かが声を掛けてきた。ああ、やっぱり、自分もオジサンなのか。
 受付を済ませ、会場に入って行くなり、可愛くオバサン(失礼)している女性から「私、分かる?」と満面の笑み。一瞬、正直申し上げて、頭がパニクった。レディに違う方のお名前を言おうものなら、どのような事態になるのかと、動物的「勘」が働いた。結局、隣の席の女性が声をかけて来て、とりあえずは笑顔で、危機を回避。やっぱり、龍宮城から帰還した浦島太郎かと、あんぐり。気を取り直して、会場をズイーッと見回した。見慣れて来ると、昔の面影を宿した面々が、いるいる。ほのかに小さき胸をときめかせた当時のマドンナ(カミさんご免)も、劇的に別れた遊び友達もいた。次第に、ウン十年前にタイムスリップ。
 幹事のH・K君の挨拶があり、遊び友達だったT・K君の乾杯で、会は出発進行。時間が経過し、会話もハズんで来た。と共に、昔の一コマ一コマが思い出されて来た。自己紹介をきちんと聞きたかったが、ざわめきで殆ど聞こえず、口惜しい。
 昔のマドンナやプレイボーイの変貌状況も様々。ある程度同じ状態を保っている者、少しくたびれ掛けている者、全く面影を無くしている者と、各々。それこそ目立たなかったが、今や、パリッと決めている紳士や貴婦人と化していらっしゃる淑女や、昔の状態に年齢を刻んだ状態の人(失礼)など、各々。
 一番変わったと云えば、全校一の優等生と目されたK・K君だ。彼とは高校も一緒だったが、頭は白髪、顔中髭だらけで、上下白づくめでまとめ、まるで鉄腕アトムの天馬博士のようだった。当時の「マジメ」さがウソのよう。誰かが囁いていたのを小耳にしたが、どうも本当の博士になったらしい。当時の悪餓鬼(失礼)で、大勢の人を使い、手広く会社を経営している者もいる。話は尽きなく、追われるようにして、宴会を終了。名残を惜しみながら、十人程度が自宅や実家に帰還。
 宴会終了後は、十畳程の部屋に布団を折り畳んでの座談に、宿泊者の全員が集合。修学旅行や臨海学校等々が、思い出された。「枕」こそ飛び交わなかったが、当時のいろいろな懐かしいエピソードや知らないエピソード、更にはその後の各々の人生の旅路にと、話しがあちこち飛んだ。あれからウン十年、皆さんもいろいろなことがありました。
 かくして、その夜は、あっという間に過ぎた。「月日は百代の過客にして・・・」の言葉が、しみじみと味わえたひとときでした。
 同窓生の皆さん、介護保険のお世話に余りならないように元気で、又、せいぜい長生きして(ちょっと早いかも知れませんが)余生を大いに楽しみましょう。
(S・O)
 
―お知らせ―
社会連帯による次世代育成支援に向けて
「今後の保育のあり方」に関するシンポジウム
主催 厚生労働省
趣旨 次世代育成支援施策のあり方に関する研究会のまとめを踏まえて、行政関係者、保育関係者、保護者、学生等を対象として、保育のあり方について検討を深める。
日時 平成15年10月21日 13時〜17時
場所 日本教育会館 一ツ橋ホール
〒101-0003 千代田区一ツ橋二−六−二
Tel 03(3230)2831
内容
第1部「利用者本位の保育サービスの提供を目指して」
(1)基調講演「保育の質の確保―保育所第三者評価の推進―」
石井哲夫(白梅学園短期大学学長)
(2)待機児童解消に向けた取組
・横浜市(鈴木隆 子育て支援事業本部長)
・神戸市(根来司 児童福祉部保育課長)
・仙台市(猪又淳一 こども家庭部待機児童ゼロ対策室長)
第2部「社会連帯による次世代育成支援に向けて」(1)基調講演 柏女霊峰(淑徳大学教授)(2)シンポジウム柏女霊峰(コーディネータ)、新澤誠治(東京家政大学教授)、鈴木眞理子(岩手県立大学助教授)、奥山千鶴子(NPO法人びーのびーの代表)、伊原和人(厚生労働省企画官)
〆切・申込方法 10月10日(消印有効)定員400人になり次第〆切る。(参加費無料)
名前・住所、TEL・FAXを記入のうえ、保育課あてFAXで申込むこと。
申込先 厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課保育係
Tel 03(5253)1111
 (内線7947)
Fax 03(3595)2674
 
 
 
―子ども総研から―
日本子ども家庭総合研究所
「保育と保健」第九巻第二号、二〇〇三年七月、二九〜三三頁、「保育園児の生活実態(1)保育形態からみた園児の生活時間」中村喜美子(岐阜大学医学部看護学科)、堀江京子(社会福祉法人池内福祉会かわらまち夜間保育園)、藤原辰志(学校法人愛知江南学園愛知江南短期大学現代幼児学科)
 
 本研究は、睡眠不足で登園する園児が目立ち始めた状況を受け、園児の生活時間に焦点をおいた質問紙調査を実施し、また保育園において登園・降園時間及び昼寝時間を観察記録したものをもとに分析を進めている。調査対象は、愛知県小規模保育所連合会に所属する十八保育園の園児である。対象児数は、九四一人(男が四六六人、女が四七五人)であった。
 結果のところでは、成長により生活時間に変動が見られるゼロ、一歳児を除いて、保育形態により比較を行っている。なお、ここでいう保育形態は、子どもの保育時間を基準としているものではなく、利用している保育所の保育終了時間により区分されたものである。ちなみに、普通保育群は十九時前後に終了するもので十四園(六七八人)、延長保育群は二一時三〇〜四五分で終了するもので、三園(二三一人)、夜間保育群は午前一時に終了する一園(三二人)が対象となっている。
 結果の概略を示すと、夜間保育群では夕食時間が早く、入浴、就寝、起床、朝食、出宅のいずれの時刻も遅くなっていた。なお、夜間保育群の平均降園時刻は二〇時二分、就寝時刻が二二時十九分、起床時刻は七時十七分であった。
 ただし、在宅での起床時間を比較すると、普通保育群が五時間一分(在園時間は九時間十七分)、延長保育が五時間十二分(在園時間は九時間六分)、夜間保育群が三時間五一分(在園時間は十時間五三分)と、違いが見られた。
 そして、睡眠時間についての結果では、平均九時間となっており、夜間保育群が、就寝時間と起床時間で三〇分ほど遅くなっている程度で、保育形態別夜間睡眠時間に統計的な差は見られなかった。
 筆者らは、考察において、先行研究を見ても、本調査結果を見ても、望ましいとされる二二時以前の就寝をしている子どもは半数程度であり、一歳児の時期に早寝早起きの基本的生活習慣を身につける必要性を訴えている。また、在園時間が長くなりがちな夜間保育群をはじめ、園内で生活リズムを整えるような工夫が求められていることを訴えている。
 
「保育と保健」第九巻第二号、二〇〇三年七月、三四〜三七頁、「保育園児の生活実態(2)園児の生活実態と父母の育児意識」中村喜美子(岐阜大学医学部看護学科)、堀江京子(社会福祉法人池内福祉会かわらまち夜間保育園)、藤原辰志(学校法人愛知江南学園愛知江南短期大学現代幼児学科)
 
 この前に紹介した「保育園児の生活実態(1)保育形態からみた園児の生活時間」と同じ調査対象について、生活実態とあわせて、父母の育児意識の調査結果を紹介したものである。父母の意識に関する調査項目は、(1)望ましいと思う就寝・起床時刻、(2)望む時刻に寝かせられない理由、(3)朝食に多いメニューの型、(4)朝食を誰と一緒に食べるか、そして、(5)子どもの生活を守るために工夫していること(自由記述)である。
 まず、睡眠との関係であるが、就寝時刻については、五か月までの子どもでは、実際に寝た時刻と父母の理想とに差は見られなかったが、五か月を過ぎると有意に理想に比べ実態が遅くなっているという結果であった。そして、起床時刻では、五か月までの子どもについては、理想よりも早くに起きている実態があり、一歳を過ぎたあたりから、統計的に有意に遅く起きる傾向が見られた。実態と理想の時刻の差は、二〜五歳児の平均で見ると、就寝時刻は四四分、起床時刻は十五分遅いという結果であった。
 このようなことが生じる理由としては、「子どもがいつまでも遊ぶ」「父母の帰宅が遅い」という二つが記述されることが多かった。
 次に、朝食についてであるが、ほとんどの子どもが家族と朝食を摂っているが、個食の子どもが一四%を占めていた。そして、朝食の型については、主食のみ、あるいは主食のないメニューの子どもはほとんどいなかったが、「主食+おかず+汁物」の揃った朝食を摂っている子どもは三分の一であった。
 最後に、子どもの生活を守るための配慮としては、二八九人の記述のうち最も多かったのは「規則正しい生活リズム」であった(七六人)。そのほか、「ゆったり過ごす時間の工夫」(五三人)、「十分な睡眠の確保」(四二人)、「子どもの生活に合わせる」(四二人)が多くなっている。
 考察としては、生活習慣の確立は子どもにとって重要な課題であり、父母と協力しながらこれを進めることが大事であるとしている。
 
「保育年報2003 変革の時代の保育を考える」、二〇〇三年、四三〜五〇頁、「規制改革による保育制度の動きと保育所経営―『費用対保育の質』の観点から―」網野武博(上智大学文学部社会福祉学科)
 
 規制改革に関わる動向が顕著に見られるが、そこで行われている議論を整理していくための観点をわかりやすく整理した論稿である。
 保育所経営は、公的介入、直接公的契約、間接公的契約、間接私的契約の四段階から構成されるが、憲法の規定とも関連して、第一・第二段階の規制は譲れないものである。本当に保育に欠ける子どものための「公の支配」(憲法八九条)は、福祉の根幹に関わる部分だからである。そして、第三段階に該当する一時保育や病児保育などの特別保育への公的関与を検討し、第三段階と第四段階の境界をはっきりさせることが、公私関係を整理する上で重要であると考える。
 このように、保護的福祉という観点から公的関与の重要性を認める一方、なぜそこであえて民間参入が検討されているのかを真摯に分析する作業が必要であろう。その焦点は、保育サービスにかかる費用とその保育への質的効果にあると思われる。というのも、これまでの保育所経営論においては、子どもたちの生存権保障に十分な経費が保障されているかというところで議論がなされ、効果的に経費が使用されているかを議論することは、聖域を侵すものとして敬遠されてきたためである。現在は、保護的福祉から、より高次の健幸(ウェルビーイング志向の福祉が目指される時代であり、そのために実際に人々のニーズに応答している認可外保育に注目が集まるようになっている。そして、その流れの中で、費用対効果の観点から経営主体別比較がなされ、認可保育所の圧倒的コスト高が問題にされるようになっている。
 しかし、良質の保育と関連させて、保育経費に関して客観的にアプローチしていく方法は確立されておらず、今後の課題とされている。このアプローチの詳細を論ずる代わりに、筆者は、乳児保育の効果に関する研究から、この時期の子どもたちにとって最も重要なことは、家庭養育及び保育環境におけるケアの質、そして対人関係における応答性・感受性豊かな相互作用であるとし、保育の質を論じるにあたっては、根本に乳幼児との心理的相互作用があることを忘れるべきではないとしている。
 
「発達」第九四号、二〇〇三年、十〜十七頁、「『保育の質』がなぜ今問題になるのか」小林紀子(小田原女子短期大学)
 
 少子高齢社会が進む中で、利便性の高い保育サービスが目指されるようになっているが、それと並行して、安易に集団施設保育が進められる傾向が見られる。現在、子どもと環境との豊かな関わりに付き添う大人・地域のネットワークは希薄になり、遊びもメディアが作る情報を消費する傾向が強まっている。求められる保育を考えるとき、こうした変貌する社会状況を踏まえた議論が必要である。
 一方、政策状況を見ると、急場しのぎとして行われたはずの待機児童解消策(たとえば認証保育所)が既成事実化し、規制緩和が促進されている。規制緩和が促進されることは、市場原理が保育に導入されることを意味するが、それは正職員配置を抑制し、臨時職員を増大させることに帰結させるものである。また、園の規模も大規模化することになろう。
 しかし、こうした動向を見ると、子どもへのサービス(保育の質)という視点が含まれていないという大問題に気づく。変貌する社会状況を踏まえた保育実践とその子どもへの影響(子どもの権利保障状況)という観点から評価をしていくべきである。
 加えて、消費社会に生きる保護者は、市場原理に基づく保育サービスが推進される中で、容易に保育の消費者として組み込まれることとなり、結果、所得に応じた保育を消費するようになっていく。経済的視点にのみ基づいた安価な集団施設保育を保護者が望んでいるとは思えない。
 保育者には、自らの専門性を高め、安価な保育という考え方を打破し、保育の質という観点から新潮流を作っていくことを期待する。 (澁谷昌史)
 
平成十四年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)報告書(主任研究者 高野 陽)保育所における保健・衛生面の対応に関する調査研究 四二三頁〜四三二頁、「保育所の虐待に対する認識と対応・連携に関する研究」 小山 修・安治陽子(日本子ども家庭総合研究所)
 
 近年増えつづける児童虐待に対し、保育所はどのような役割をもつべきであろうか。本稿では保育所における虐待対応の実態や保育所職員の意識、そして課題を明らかにすることを目的に都内三箇所の保育所職員百十四人と園長に質問紙調査を行った。さらに各園二人ずつ計六人の保育士に対しては、半構造的面接を行い、質問紙調査だけではなく、現場の生の声を併せて考察している。
 調査結果から「保護者からの相談」については、子どもの発達段階に応じて発達課題に関連した相談内容が多くなり、二歳児まででは連絡帳が日常的な相談手段になっていた。「気になる子ども」や「気になる親」に対して、保育士は子どもへの発達支援とともに保護者とのかかわりにも配慮していた。虐待への対応に関しては、各園長の回答によると三園で計四人の被虐待児がおり、二五人の保育士が保育所内に被虐待児がいると回答していたが、同じクラスを担当する保育士によって回答が異なっており、保育士の虐待に対する認識の違いがあった。しかしながら今回調査対象となったいずれの園においても被虐待児がいるということは、どの保育者も日常の保育の中で被虐待児およびその保護者と関わる可能性があるということを示しており、保育士の認識に違いがあった点も含めて虐待の理解と対応について保育士の知識と技術の向上を図る必要があろう。保育士の虐待に関する研修へのニーズも高く、虐待の早期発見や的確な対応に関することが求められていた。また、保育者の意識は個人のスキルアップや園内での対応や連携に向けられ、園外との連携はあまり行われていなかったことから、今後は地域の中での保育所の役割を視野にいれながら職員の研修等を強化していかなくてはならないと指摘している
 保育士は子どもの専門家であり、子どもの異常を早期に感じる目を養わなくてはならないだろう。そして、「気になる子ども」や「気になる親」へのケアによって育児不安や虐待を未然に防ぐ、予防機能としても期待していきたい。
 
平成十四年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)報告書(主任研究者 高野 陽)保育所における保健・衛生面の対応に関する調査研究 四五五頁〜五〇六頁、「インターネット上のデータベースを利用した保育園感染症実態に関するコホート研究」春日文子・他(国立医薬品食品衛生研究所)
 
 保育園などの集団生活の場において、子ども達間の感染症発生は、ある程度は仕方のないことかもしれない。しかし発生は予防できなくても、保育士の対応によっては子ども達に蔓延するのを予防することは可能であり、本稿ではその具体策を示している。近年、腸管出血性大腸菌による保育園での不幸な事件が発生していることからも保育関係者には是非読んでもらいたい報告である。
 本研究は、まず保育園は感染症に関するリスクが高いこと、重症者をだす可能性があること、軽度な感染症でも接触感染を主として長期的、大規模的感染をおこしうること、そして物理学的環境と免疫学的環境の整備によってはこれらの問題を回避できる可能性があるという仮説に基づいている。そこで、保育園における園児間の感染症伝播の把握を迅速に捉え、そのリスク要因を明らかにし効果的な対策を提言することを目的にインターネット上のデータベースを利用して園児の健康状態を六ヶ月間、毎日、症候群サーベイランスとして観察した。
 調査期間中、伝染性紅斑(りんご病)、結膜炎、インフルエンザなどの感染症発生に遭遇し、クラスを超えての感染症伝播が把握された。これらの感染症については、調査者らが疾患の特徴や保育園における注意点、予防法を保育園側に伝えており、その資料は是非参考にしたい。また、調査保育園を訪問し衛生環境調査も行っており、玩具やオムツ交換マットが伝搬の原因となりうること、消毒薬の使い方への指摘をしている。
 一方、方法としてインターネット上のデータベースを利用することでリアルタイムにかつ離れたところからも園児の健康状態が把握でき、それらに対する指導・助言が迅速に行われた。個人情報保護に関することや、入力方法に関する検討課題もあるが、このような連絡体制が自治体と保育園の間で制度化されれば地域小児保健における新しい情報伝達のモデルともなろう。
 インターネットの有用性に着目し、保育園における感染症発生をリアルタイムに捉えた本研究には、学ぶところが多くあり考えさせられるものである。また資料として保育園における感染症発生のニュースが集められており、多くの人に保育園における感染症の重要性を認識してもらいたい。
(門脇睦美)







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