日本財団 図書館


パパとママとあき(34)
「Max&はやてに乗る」
石川賢司
 
イラスト・松村隆
 
 我が家に飾られた写真の一つに、「Max」と書かれた新幹線の車体の前で、ニッコリ笑って立っているあきの写真がある。これは、先日、あきの念願かなって、初めて新幹線に乗った時に撮ったものだ。
 あきは昔から新幹線が大好きだが、本やビデオで、あるいは駅で停車しているのを見るだけで、実際に乗ったことはなかった。そんな折に、幼稚園入園のお祝いということで、義母があきを新幹線に乗せてくれることになったのである。
 義母が「どの新幹線に乗りたい?」と聞くと、あきの返事は、東北新幹線の「Max」と「はやて」の二つだったそうだ。ということで、「Max」に乗って埼玉県の大宮駅を出発して仙台まで行き、「はやて」に乗って帰ってくるという「ばばとあきの日帰り東北の旅」が決行された。
 出発する前、あきは妻と二つの約束をしていた。一つは「義母の言うことをよく聞くこと」であり、もう一つは、義母が肩を痛めていることもあって、「自分の荷物は自分で持つこと」。あきは普段から、外出の際に荷物をたくさん持って行きたがる。近所に買い物に行くだけなのに、何冊もの重い絵本を手さげ袋に入れて持って行くと言って聞かない。当然のごとく、歩いているうちにだんだんつらくなり、「おーもーいー」とぐずることも多々あるため、そういうことがないよう、あらかじめ固く約束したようである。
 旅の様子は、義母が撮ってきた写真壮や話からうかがい知ることができた。それによれば、新幹線の長い車中でのあきは、妻が持たせた、幼児教室に通っていた頃の残った教材に義母に手伝ってもらいながら取り組み、折り紙を折って貼ったり、迷路や数字遊びをしたりしていた。また、トンネルに入る度、外が真っ暗になる様子にケタケタ笑って喜んでいたらしい。
 仙台では、あきの「水族館!」というリクエストにより、在来線に乗って、松島海岸のマリンピアに行ってきたそうだ。写真を見ると、魚やカニや亀やペンギンなどを興味深く見つめたり、アシカショーに見入ったりしていて、とても楽しそうにしている。普段、食事にひびくので妻に制限されているお菓子をたくさん、うれしそうにほおばっている写真もあった。
 義母の話によれば、あきはその日の最後まで、良い子にしていたようだ。帰途、疲れて眠そうなあきの荷物を義母が持ってあげようとすると、義母の肩を気遣いながら「ママとの約束を最後まで守るんだ」と言って、自分で荷物を持って歩き通したらしいし、「『はやて』に乗る時に突然、『ばば、いつもありがとう』と言われて感激した」という話も聞いた。いつまでも小さいままと思っていたが、親のいない場での様子を聞くと、ちゃんと成長しているようで安心した次第である。
 
 
 
事務局から
▽七月十八日の衆議院予算委員会で、幼保一元化について小泉総理と民主党の岡田議員とのやりとりがあった(衆議院のホームページ「衆議院TVのビデオライブラリーで検索)。総合規制改革会議の資料の一部のみを引用しての質問である(本誌六月号の八頁〜十二頁に掲載した改革会議委員の発言に注目)。調理室がなければ幼保の壁がなくなり一元化できるという論法だ。そこで提案だが、子どものためには幼稚園にも調理室を設置したらいかがか。
 
 
 
日保協 活動日程
7月(報告)
17日(木)10時〜13時 保育内容に関する調査研究員会
〈日本保育協会資料室〉
18日(金)14時〜17時 日本保育協会予算対策常任委員会
〈千代田区:日本保育協会予算対策会議室〉
29日(火)13時〜8月1日(金)12時30分 平成15年度地域子育て支援センター担当者研修会A型(保育ソーシャルワーカー研修会)
〈豊島区:サンシャインシティー・プリンスホテル〉
8月(予定)
1日(金)15時〜17時 保育所の運営管理に関する調査研究及び改正保育制度施行の実態に関する調査研究事業研究委員会
〈日本保育協会資料室〉
20日(水)13時30分〜16時 第1回保育所職員生涯学習プランに関する検討会
〈日本保育協会資料室〉
27日(水)13時〜28日(木)12時 日本保育協会北海道・東北地区青年部研修会
〈札幌市:かでる2、7 720研修室〉
27日(水)11時〜15時 日本保育協会栃木・山形・福島県支部(三県)合同中央研修会
〈千代田区:自由民主会館〉
29日(金)12時30分〜30日(土)11時30分 平成15年度福岡県日本保育協会研修大会(会員のつどい)
〈福岡市:西鉄グランドホテル〉
 
第九回日本保育園保健学会のお知らせ
 
会期    平成十五年十月十八日(土)〜十九日(日)
会場    福岡国際会議場 福岡市博多区石城町二−一
  tel 092-262-4111
会頭     松本壽通(福岡県小児科医会会長)
参加費   六千円(交流会 六千円)
基調講演 横山正幸「保育園と子供の心の育ち」 会長講演 巷野悟郎「保育所と家庭との連携」 特別講演 サラ・フリードマン「保育園児にとって家庭の大切さ」 橋本信男「小児虐待の予防に関する保育園の役割」
分科会(一般演題)
シンポジウム 「子どもの視点に立った保育をめざして」
市民公開シンポジウム 「アトピー性皮膚炎・食事アレルギーの原因、治療をどう考えるか」
事務局・問合せ先 福岡地区小児科医会 担当:梅根、高木
〒814-0002 福岡市早良区西新4丁目八−十六 松本小児科医院内
Fax 092-821-6399
E-mail hoikuen-9th@k6.dion.ne.jp







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