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III、夫婦の出生力
 
1、完結出生力
(1)子どもを生み終えた夫婦の平均子ども数は二・二人で変化なし
 ほぼ子どもを生み終えた結婚持続期間十五〜十九年の夫婦の平均出生子ども数(完結出生児数)は、戦後大きく低下した後、第六回調査(一九七二年)において二・二人となり、以後三〇年間ほぼこの水準で安定している。今回の調査においても完結出生児数は二・二人と、同様の水準を維持しており、この世代の夫婦(一九八○年代半ばに結婚)の出生力は安定していたことがわかった。
 
表II-1-1
 
調査別にみた、夫婦の完結出生児数(結婚持続期間15〜19年)
調査(調査年次) 完結出生児数
第1回調査(1940年) 4.27人
第2回調査(1952年) 3.50
第3回調査(1957年) 3.60
第4回調査(1962年) 2.83
第5回調査(1967年) 2.65
第6回調査(1972年) 2.20
第7回調査(1977年) 2.19
第8回調査(1982年) 2.23
第9回調査(1987年) 2.19
第10回調査(1992年) 2.21
第11回調査(1997年) 2.21
第12回調査(2002年) 2.23
注:結婚持続期間15〜19年の初婚どうしの夫婦(出生子ども数不詳を除く)について。
 
(2)夫婦の最終的な子ども数は二人または三人が八割以上を占める
 夫婦が最終的に生んだ子どもの数(結婚持続期間十五〜十九年の夫婦の出生子ども数)は、第七回調査以降ほとんど変化がなく、二人ないし三人に集中した構成となっている。すなわち、約八割の夫婦が二人か三人の子どもを持っている。また、子どものいない夫婦は約三%、一人っ子が一割弱、四人以上は四〜五%となっている。今回も子どもを生み終えた世代の夫婦では、こうした構成にほとんど変化はなかった。
 
表III-1-2 調査別にみた、出生子ども数の分布(結婚持続期間15〜19年)
調査(調査年次) 0人 1人 2人 3人 4人以上 平均(標本数)
第7回調査(1977年) 3.0% 10.8 56.9 24.1 5.1 2.19人(1,426)
第8回調査(1982年) 3.2 9.2 55.6 27.3 4.9 2.23(1,421)
第9回調査(1987年) 2.8 9.7 57.8 25.9 3.8 2.19(1,760)
第10回調査(1992年) 3.1 9.3 56.3 26.5 4.8 2.21(1,850)
第11回調査(1997年) 3.7 9.8 53.6 27.9 5.0 2.21(1,334)
第12回調査(2002年) 3.4 8.9 53.2 30.2 4.2 2.23(1,257)
 
表III-2-1 結婚持続期間別にみた、平均出生子ども数
結婚持続期間 第7回調査
(1977年)
第8回調査
(1982年)
第9回調査
(1987年)
第10回調査
(1992年)
第11回調査
(1997年)
第12回調査
(2002年)
0〜4年 0.93人 0.80 0.91 0.80 0.71 0.75
5〜9年 1.92 1.95 1.96 1.84 1.75 1.71
10〜14年 2.16 2.16 2.16 2.19 2.10 2.04
15〜19年 2.19 2.23 2.19 2.21 2.21 2.23
20年以上 2.40 2.29 2.32 2.23 2.23 2.30
注:初婚どうしの夫婦(出生子ども数不詳を除く)について。
 
2、出生途上の子ども数
(1)結婚後五〜九年、十〜十四年の夫婦で、平均子ども数の低下が続いている
 第十回調査(一九九二年)から低下していた結婚持続期間○〜四年の夫婦の平均出生子ども数は、今回調査ではやや上昇した。他方、結婚持続期間五〜九年、十〜十四年の夫婦では、前回調査で見られた平均出生子ども数の低下が継続した。
(2)結婚後五〜九年、十〜十四年の夫婦で、一人っ子を持つ割合が増える
 結婚持続期間ごとに子ども数の分布をみると、結婚後五〜九年では第十回調査(一九九二年)以降、十〜十四年では第十一回調査(一九九七年)から、子ども数二人以上の夫婦が減り、一人っ子が増えている。結婚持続期間五〜九年では同時期に子どものいない夫婦もやや増えた。(次号へつづく)
 
図III-2-1 結婚持続期間別にみた、出生子ども数別夫婦割合
注:表III-2-1に同じ。







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