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保育時評
ドッキドキの海と山に囲まれて
山田貴子
 
 弁天岩に、さわやかな風が吹き、気持ちよさそうに泳いでいる鯉のぼり。能生白山神社の大祭も終わり、過ごしやすい季節になりました。私たちの保育園は、海岸線より約四キロ山間に入った、四季折々の自然の移り変わりを肌で感じながら、健やかな成長を育むことのできる恵まれた環境にあります。
 「海と山」最高の自然環境を保育に取り入れ活動を展開しています。雪が消えれば土の中からはフキノトウ、ツクシ、ヨモギなど次々と顔を出し子どもたちの発見や驚き、喜びは最高です。海ではワカメ採りが始まる時期。路線バスを乗り継ぎ、日本海、百川海岸まで遠足に出掛けました。心地よい五月の風と磯の匂いが子ども達を迎えてくれました。「冷たいけど気持ちいいね」心の中のワクワク感とドキドキ感がいつの間にかみんなを裸足にしています。波と追いかけっこをしたり、海藻を拾ったり。でも肝心のワカメとの見分けがつかず、地元の方に教えて頂き楽しみました。全員の心がキラキラッと輝いたひと時でした。大自然からのエネルギをハートいっぱいに注ぎ込んだ一日でした。
 ちっちゃな一、二歳児は保育園の近くの公園へお散歩です。保育士のリュックサックには、イチゴ・バナナ・グレープフルーツ・牛乳・・・等のおやつをたくさん詰め込んで!木漏れ日が小さな体を優しく包みます。公園の遊具に乗り込み、「せんせーこーんなことも出来るのよーすごいでしょー」と言わんばかりに精一杯、自分を表現しています。子ども達の小さなアピールを逃さず、一緒に感動し合って行きたいものです。そして、畑仕事をしていたおばあちゃんから「おや、かわいいね〜お散歩かね」と又ひとつ、暖かい言葉の栄養を頂き、そして握手。いつの間にか、肌と肌が触れ合い、安心感と信頼感を地域の方々から頂いています。
 いろいろな所へ出掛け、たくさんの方と触れ合い、言葉をかわし、心を開く。相手を受け入れ、私達も受け入れてもらう。一人じゃなくみんなと生きている。そんな、目には見えないけど、とっても大切な何かを一人ひとりしっかりと感じ取れるこのような保育を進めています。
(新潟県能生町 中能生保育園保育士)
 
 
 
――会議:日本保育協会――
 平成十五年度の日本保育協会事業計画等を審議する理事会及び評議員会が去る三月十七日、千代田区のルポール麹町(ホテル麹町会館)で開かれた。
 会議に先だち、菅原常務理事が挨拶を行い「黒木理事長が昨年来体調を崩し、長期療養中のため出席できない旨連絡がありましたので、代わってご挨拶申しあげる。保育を巡る動きが騒々しく、厳しさが増しており、来年度も引き続き幼保一元化、保育所運営費の一般財源化など保育の根幹にかかわる議論が続くと思われる。今後とも保育所の役割、使命を広く訴えていくとともに、子どもを守るため強力な運動を展開して参りたい。本日の議事は、十四年度補正予算案、十五年度事業計画案並びに予算案、新理事の選任等があるのでよろしくご審議願いたい」と述べた。
 評議員会では、議長(山田佳弘群馬県支部長)、副議長(岩井英子札幌支部長)を選出し進められた。上程された議案は、第一号議案「平成十四年度補正予算(案)について」、第二号議案「平成十五年度事業計画(案)について」、第三号議案「平成十五年度予算(案)について」、第四号議案「理事の選任について」、その他報告事項についてとなっている。
 第一号議案は、一般会計の補正について、事業費(全国研修会の参加者増による)及び退臓手当(退職者二名)の関係。
 第二号議案は〈一般会計〉(1)日本保育協会創立四〇周年記念事業((1)記念研修大会一、二〇〇人 (2)永年勤続保育者の表彰五五〇人 (3)日本保育協会創立四〇周年記念永年勤続保育所長表彰二〇〇人 (4)日本保育協会創立四〇周年記念感謝状の贈呈一五〇人)。(2)出版事業((1)月刊誌保育界の発行 (2)保育関係図書の発行)について。 (3)相談研究事業((1)家庭児童相談 (2)経営及び労務相談 (3)保育科学研究)。(4)保育情報・資料等の提供(インターネットから情報を提供)。(5)組織関係(支部組織の強化と支部活動の推進等)。(6)会議関係(役員会、全国支部長会議、全国女性部長会議、全国支部事務局長会議、全国青年部長会議、保育に関する研究委員会、全国予算対策委員会、保育問題検討委員会、研修企画委員会等)。
 
山田議長(左)と岩井副議長
 
 
評議員席
 
 〈特別会計=日本財団助成事業〉(1)保育所保健関係職員セミナー((仮題))(全国二か所・一回概ね三〇〇人)。(2)子どもの感性を育てる表現研修会の開催(全国六か所・一回概ね一〇〇人)。(3)特別保育実践講座作成事業(子育てと仕事の両立支援、地域の子育て支援のために保育所が実施している特別保育の実践事例集を作成)。(4)保育所子育て相談推進セミナー(全国二か所・一回概ね三〇〇人)。
 収益事業(保育関係図書の出版・販売。保育用品等の販売、斡旋。保育共済年金の加入促進)。
 〈特別会計=国庫補助事業(I)〉(1)保育所長研修会((1)初任保育所長研修会・概ね三五〇人。(2)保育所長ゼミナール・概ね二五〇人)。(2)保育所主任保育士(初任者指導保育士)研修会・一地区二五〇人×五地区。(3)特別保育事業研修会((1)保育所障害児保育担当者研修会・概ね二五〇人。(2)保育所乳児保育担当者研修会、概ね五五〇人。(3)地域子育て支援センター担当者研修会・A型概ね三〇〇人、B型概ね一五〇人。(4)保育所障害児保育特別研修事業(概ね二県以内)。(5)保育所乳児保育特別研修事業(概ね五県(市)以内を予定)。(6)保育所健康・安全保育特別研修事業(概ね五県(市)以内を予定)。(7)研修資料室の設置運営等。
 〈特別会計=国庫補助事業(II)〉(1)企業委託型保育サービス助成事業。(2)保育問題調査研究事業((1)調査研究事業、(2)改正保育制度定着促進事業、(3)新会計基準定着促進等事業)。(3)保育情報提供事業((1)保育情報ファクシミリサービス、(2)保育情報誌作成、(3)情報図書室の設置運営、(4)通信情報整理に関する運営)。(4)事業所内保育施設助言指導事業((1)事業所内保育施設事業主に対する説明会の開催、(2)事業所内保育施設運営に関する指導助言)。
 
評議員席
 
 〈特別会計=子育て支援基金助成事業〉
 地域に開かれた保育所の活動に関する調査研究
 〈特別会計=保育士登録事業〉(1)都道府県との保育士登録事務受託契約の締結(四七都道府県と保育士登録事務に関する受託契約の締結を行う)。(2)保育士登録関係資料の配布(保育士登録に必要な手引書及び登録申請書等を都道府県、市町村及び児童福祉施設に配布する。登録予定者を八十八万人と予定する)。(3)保育士登録申請書、添付書類の点検。確認及び都道府県知事が登録決定のための保育士登録申請者名簿の作成を行う(登録申請書の受付を三一万九千人と予定する)。(4)都道府県の条例に基づく保育士登録手数料の収納及び払い込みを行う。(5)保育士証の交付(保育士登録申請者について、都道府県知事の登録決定に基づき保育士証を交付する(保育士証の交付数を三一万九千人と予定する)。(6)保育士登録制度の周知(保育士登録制度の周知を図るため、国及び地方公共団体等と協力して広報活動を行う)。(7)その他保育士登録に関する必要な事業を行う。等についてである。







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