フォーラムを通じて得た課題
学生
今回学生への広報が全体的に遅れ、結果的に分科会スタッフ以外の学生参加者をあまり得ることができなかった
今後は多様な広報手段・機会を利用して、様々な方面の興味・知識・経験をもった学生にスクールボランティアを認識させ、実践の機会を提供していく
・他団体の開催するイベントへの積極的な参加・交流
・教職課程の講義での宣伝
・今までのネットワークを生かした、県内他大学の学生への広報・交流
・各サークル連合を通じたサークル構成員への呼びかけetc.
学校
吾妻中学校をフォーラムの会場に選んだことで、必然的に先生方とコミュニケーションをとる機会をもつことができた
→学校・先生方と学生側との認識の違い
「総合学習」をはじめとした授業への学生の関わり方
(授業案提案・ゲストティーチャー・調べ学習アドバイザー・学校外部とのつなぎ役etc.)
学生の継続性、実践や打ち合わせのための時間調整・連絡手段
保護者
連絡の方法がはっきりせず、宣伝が遅れた
→学校との連携・信頼関係、広報したい場合には早めの連絡を!
地域・行政
今回はスタッフ個々のつながりを頼りにした広報も多かった
→地域を舞台にした継続的な活動を続けていくためにも、ネットワークの引継ぎ・共有、「顔の見える」交流を常に忘れない
今回のフォーラムを通じて、私達は今後活動していく上での多くの課題を見つけることができました。それはもちろんフォーラムの中で、そして3ヶ月以上に及んだ準備期間の中で、私達が得てきた財産です。様々な人達と出会い、「子ども」「学校」「学生」「地域」、そしてそれらをつなぐ『教育』という大きな課題に対してそれぞれの思いをぶつけあう。そんな中で、私達は何よりも「連帯」の喜び、立場や経験を超えて一つの思いの実現のために理解・協力し合う、そのことの喜びを、多くの場面で感じることができました。そしてその経験は、何よりも私達を一人の人間として大きく成長させてくれたと思います。
今後、この「連帯」の喜びを更に大きく自分達のまわりに広げていけるように、そして、少しでも多くの人達がスクールボランティアという輪の中でつながっていけるように。
そんな思いを胸に、これからも私達は活動していきたいと思います。 |
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スクールボランティアフォーラム以降、いくつかの活動が実際に動き始めました。その実践と経過を報告します。
活動(1)吾妻中学校:「総合学習」への参加
●12月5日(金)・・・1年生の総合学習を見学。参加者8名。
●12月12日(金)・・・1年生の総合学習。参加者5名。
●12月15日(月)・・・1年生の総合学習。参加者3名。
●12月18日(木)・・・2年生の総合学習、中間報告会。参加者4名。
フォーラム後すぐに、吾妻中学校1学年担当の先生から、「総合学習」見学のお誘いをいただきました。“まずは見ることから始めましょう”5日の見学と同時に、各学年担当および教務主任の先生と、スクールボランティアとの連絡や対話のためのメーリングリストを整備してくださいました。そして上記のように、年末までのひと月間で4回の参加が実現しました。現在は、生徒の学習の様子を見学しながら、声をかけて話をし、相談に乗ったり必要に応じてアドバイスをしたりという形態をとっています。
今後、継続的な参加者を増やしていくための広報活動を続けていきます。また生徒の学びをよりよいものにしていくために、具体的にはどんなサポートが可能であるのか、対話を重ねていきたいです。
(参加者の感想) ―2年生の中間報告会を見学して―
今回お邪魔した吾妻中の総合学習は、高校までの教育に不足しがちなout putの作業を生徒に促すものでした。普段子供たちはin putばかり行っているので、発表を受けることには目が肥えているのに、自分のout putの質はそれについてきません。このもどかしさを早くから経験することで、in putとout putのバランス、人としてのバランスを徐々に整えていけるのだと思いました。in putしたものを自分なりにどうout putしていくか、普段から考える癖がつけば、生き方を選択する力もつくのではないでしょうか。 |
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筑波大学芸術専門4年次 田中由恵
<ご案内>
“一緒に学ぼう!!”という「学習サポートボランティア」を募集しています。
●吾妻中学校「総合学習」1年生:金曜日、2年生:木曜日(13:15〜15:20)
●手代木中学校、土浦第六中学校 2年生:水曜日(12:30〜16:00くらい)
<お問い合わせ>
矢口典弘(筑波大学人間学類2年教育学主専攻)
活動(2)神立小学校:一緒に遊ぼう!『この指とまれ!!』
この企画は「小学生と、大学生などの大人が一緒になって遊ぼう!」というものです。外へ出て、体じゅうを使い、自由に遊ぶ。異年齢の集団で遊ぶ。その中で、ひとりひとりが自分の居場所や受け入れられる機会をもてるようにと願い企画しました。スタッフの役割は子どもたちをリードすることではなく、あくまで「遊び」のきっかけづくりと、安全への配慮です。子どもたちは、自由な発想でしだいに遊びをつくっていきます。「子どもたちを見守りつつ、一緒に遊ぶ」これがわれわれのスタンスです。
●12月14日(日)・・・14:00〜16:00、神立公園にて。 大人5名、子ども19名が参加。
●12月21日(日)・・・13:00〜15:00、神立公園にて。 大人4名、子ども26名が参加。
●1月11日(日)・・・13:00〜15:00、神立公園にて。 大人6名、子ども24名が参加。
●1月31日(土)・・・10:00〜12:00、神立公園にて。 (予定)
この企画の実現の背景には、本フォーラムでのひとつの出会いがありました。スクボラ実践団体「ぴあにか」では、以前より「小学生と遊ぼうプロジェクト」を企画しながら、それを実現する場や機会がありませんでした。一方、神立小学校では、スクールライフサポーターが中心となって、休日に外で遊ぶ活動を行っていましたが、スタッフ不足に困っていました。フォーラムで、「ぴあにか」の代表者とこのスクールライフサポーターが出会い、両者の願いとニーズが一致したことで、動き始めました。
子どもたちには大変好評で、参加者が多くなってきていることから、継続的にかかわれる学生や一般の大人の参加者がより多く必要になっています。決められた集団遊びを仕組んで行う形式ではないため、多くの人手が必要です。どの子どもにも目が行き届いていることが重要だからです。そのように努めていても、万が一のけがや事故が決して起こらないとは言い切れません。理解と協力を求めると同時に、責任体制を確立していくことが早急の課題といえるでしょう。一定のボランティアがそろい次第、月2回程度、定期的に土曜日に行ってゆきたいと考えています。また、このほかにも子どもたち(中高生)が気軽に話をする機会としてのフリートーク・イベントなども企画しています。
(参加者の感想)―12/14の活動に参加して―
何年ぶりかに、木登りをした。「学校ではやっちゃいけないことになってるの」と言いながら、とても嬉しそう。高学年の子が、「この樹(桜)はもろいからダメだよ。あっちのしなる木へ行こう!」と、私や低学年の子に教えてくれる。ダンボールでキャタピラ競争。お絵かき。ダルマさんが転んだ。ちょっとした探検もした。けがをしたらということを考えると、ひとりひとりを見ていられない学校では「禁止」という方法をとるのはやむをえない。けれど、やってみたことがなければその「危なさ」もわからない。なぜそれがダメなのかが本当には分からない。「危険」かどうかを判断し、どう対処すればよいのかを自分で考えていける力を子どもたちに身につけさせてやりたい。このような異年齢での「遊び」の場は、そうした力をつけるよい機会になるのではないかと感じた。 |
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筑波大学人間学類3年次 杉浦由美子
<ご案内>
学校仕事人「ぴあにか」では『この指とまれ』のスタッフを募集しています。子どもたちと一緒に遊びたい!という方、お気軽に「ぴあにか」までご連絡ください。もちろん学生でなくても大歓迎です。
代表:茂木景之(筑波大学比較文化学類3年)
―長期的視野のもとに私たちがめざす役割―
(1)スクールボランティアを広める役割
新しくスクールボランティアを望む学校やスクールボランティアをまだしたことがない学生(団体)に対して、スクールボランティアを紹介する。
《窓口部門》
●学校からのスクールボランティアへのニーズを把握する(教科学習補助・総合学習支援・学校行事や部活動でのお手伝い・「遊び」指導etc. )
⇒恒常的な学校・教育委員会との連携が必要
●そのニーズに合わせて学生・NPO・地域住民・公共施設・行政機関などと交渉、それによって人材の派遣・教材支援・情報提供などをコーディネートする
⇒情報収集、ネットワークの強化・引き継ぎ
●授業案・カリキュラム案・授業で使える資料のデータベース化・公開
⇒学校・教員からの相談受け付け、具体的提案
*今回のフォーラムで作成した各分科会の授業プログラムを下記の『いばらきマナビィ・ネット』に載せることを計画しています。
(2)スクールボランティアを深める役割
スクールボランティアを行なう団体や個人の活性化をはかり、学生が教育の現場で主体的に活動できるような場や機会を準備する。それによって、さらに充実したスクールボランティアの実現を目指す。
《研修部門》
●「学生」にスクールボランティアをもっと認識してもらい、活動への参加を促進するためのイベントや説明会・意見交換会、また学校見学・一日ボランティア体験企画などの立案・開催
⇒学校側との協力体制が不可欠
●「学生」の実践的なスキルアップのための講座・研修会等の企画・開催
⇒知識・技術を持った教員・NPOの方々への協力依頼
●「学生」へ向けて、テーマ別の授業案・カリキュラム案募集、またスクールボランティアの活動形態・内容そのものへの提案・意見募集
⇒教職課程の授業でのPR
(3)スクールボランティアを浸透させる役割
スクールボランティアに直接関わらない人たちにもその存在や意義を知らせ、支援や理解を求める
☆保護者を含め広く社会一般へと情報を発信するシンポジウムの開催など。
上記のことを今後の我々のスクールボランティアの活動として予定しています。この報告書に書かれていることで「これについてもっと知りたい」、「自分も学校に行ってみたい」などがあれば下記の連絡先にご連絡下さい。
茨城学生活動支援組織ぐっぴぃ スクールボランティア支援委員会へのアクセス
文部科学省委託事業「NPO等と学校教育との連携の在り方についての実践研究」として、準備がはじめられている学習支援サイトづくり。主な活動は、(1)「学びのQ&A掲示板」(2)ゲストティーチャーの訪問のコーディネート。総合学習などでの生徒の質問に、web上で応える回答ボランティアや、ゲストティーチャーの登録と派遣、授業プログラムの蓄積などを行ないます。今年度は水戸市、取手市などのいくつかの学校で試験的に活用されはじめています。
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