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(2)国際航空路線について
 大分空港では平成4年4月に大韓航空が大分〜ソウル線を開設し、全国で13番目に国際化が実現した。平成14年4月には、第2の国際定期航空路線として、中国西北航空(現:中国東方航空西北公司)により大分〜上海線が開設された。
 
大分空港利用状況
 
ソウル線利用状況
 
 大分〜ソウル線は、一時、韓国の経済危機による運休があったものの、最近では冬季に韓国からの観光客が増加し、また韓国でブームになっているゴルフ客の取り込みなどにより韓国からの観光客の増加を図るとともに、日本人客の送客対策を行っている。
 大分〜上海線は利用者の約95%が日本人である。中国では、訪日団体観光ビザが地域限定で解禁され、上海総領事館でも発給が可能となり、今後、中国からの団体観光客の取り込みが重要な課題となっている。
 このほかにも新たな国際定期便の導入を図るため、台湾をはじめとする東南アジアのエアラインに対するエアポートセールスを行うとともに、チャーター便を誘致し、国際定期便実現への実績づくりを行っている。
 
(3)国内航空路線について
 大分空港では11月現在、5路線20便が就航し、平成14年度は1955千人が利用した。本年9月にはフェアリンクが伊丹線に1日2往復就航し、以後伊丹線の利用客が伸びている。
 また、航空貨物取扱量については年々増加傾向にあり、平成14年度には過去最高の15047トンを記録している。本年9月より大型トラックに最高速度時速90kmのスピードリミッター装着が義務づけられ、地方空港からの航空貨物輸送が注目を浴びており、今後も増加することが見込まれる。
 本県には大分空港のほかに、農産物輸送や大分空港への人員輸送、また県防災ヘリ基地として利用されている大分県央飛行場、公共用ヘリポートとして佐伯ヘリポートがある。
 
3 海上交通について
 
(1)概況
 大分県には、大分港をはじめ5港の重要港湾、19港の地方港湾があり、県内の離島航路や県外とのカーフェリー等を含め17航路の定期便が就航している。
 平成13年度における国内貨物の海上輸送量は、約57百万トンであり、そのうち県外との輸送量は約41百万トンとなっており、最も大きなシェアを占めている。
 
(2)フェリー・旅客船航路
 大分県と他地域を結ぶフェリーの航路数は現在10航路あり、大分〜四国〜阪神航路が2航路、大分〜中国航路が2航路、大分〜四国航路が6航路となっている。本県では四国と短距離にあるため古くから結びつきが強く、同地区には8航路と航路が集中している。旅客数については一時は300万人を超えていた旅客数も、平成14年度には年間236万人となっており、減少または横ばい傾向にある。車輛輸送については、増加に転じる傾向にある。
 
航路図
 
(3)テクノスーパーライナー(TSL)
 大分県では平成5年10月大分県テクノスーパーライナー導入促進期成会を設立し、本県産業の活性化と地域振興に資するためにTSLの本県導入を促進することとした。平成16年度にはTSL実験船「飛翔」が実海域で試験運航を行い、その一環として大分港にも寄港(平成6年8月20日〜21日)し、また、平成7年度には安全航路の確保や高速荷役システムに関する実験等を内容とする総合実験が大分港を含む全国各地で行われ、運航技術が実証された。
 平成17年に東京〜小笠原航路にTSL実用第1船が就航予定であり、本県もその動向を注視しているところである。
 
航路別輸送実績(車両)
 
航路別輸送実績(旅客)







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