第11回
地域伝統芸能フェスティバル
ひろしま
資料編
高円宮殿下記念地域伝統芸能賞について
『高円宮殿下記念地域伝統芸能賞』は地域伝統芸能の保存と継承によせられた高円宮殿下のご遺徳を後の世に永く伝えるため、地域伝統芸能の保存、継承、活用のすべてに抜きんでた功績の認められる個人又は団体を表彰する制度として、平成15年度から新たに設けました。
平成15年度高円宮殿下記念地域伝統芸能賞受賞者
日立郷土芸能(ひたちきょうどげいのう)保存会
茨城県日立市では征隼4月に日立さくらまつりが盛大に実施されている。
この祭りのメインイベントとして曳き回されるのが、「日立風流物(ふうりゅうもの)」と呼ばれる高さ15mの山を背後に聳えた、唐破風造り五層の城郭を模した巨大な山車で、そもそも江戸時代中期より神峰(かみね)神社の大祭典に氏子たちが奉納公開してきたものだ。
この山車には関東地方ではめずらしいからくりの人形が組み込まれており、多数の人達が多くのからくり人形の綱を巧みに操作することによる、早変わりの人形芝居は日本随一と評価されている。
日立風流物は一時期衰退したが、戦後いち早く地元の根本甲子男氏が日立郷土芸能保存会を結成、私財を投げ打ち全国から江戸に遡る繰り人形の頭を収集し、その保存、継承に努めた。その後同会会員が身命をかけて受け継ぎ、「日立ささら」などの伝統芸能などとともに、今日まで守り続けている。
先のさくらまつりには毎年60万人を集客、観光及び商工業振興にも多大な貢献をしている。
『地域伝統芸能大賞』は多年にわたり、地域伝統芸能等の活用を通じ観光の振興又は地域の商工業に顕著な貢献をしたと認められる個人又は団体を表彰することにより、国民の地域伝統芸能の活用に対する認識を高めることを目的に、平成5年度に設けたものです。
平成15年度地域伝統芸能大賞受賞者
第1類(地域伝統芸能の実演に係わる団体又は個人)
白鳥拝殿踊り(しろとりはいでんおどり)保存会
「白鳥の拝殿踊」は岐阜県白鳥町に江戸時代中期頃から踊られている盆踊り。主に白鳥神社の拝殿の中、切り子灯籠の下で手を組み合ったり、肩に手を置いて踊るなど振りが古い姿を残しており、楽器、太鼓を伴わない踊りにも特徴がある。白鳥拝殿踊り保存会は昭和22年に設立された。以後50余年に渡り「場所踊り」「源助さん」等古い踊り種目の伝承を守り、毎年8月17日、9月22日の夜は自鳥神社拝殿で、8月20日夜には貴船神社拝殿で白鳥の拝殿踊りを行っている。これに加え、新たに音色を取り入れた「白鳥おどり」を整備し、毎年お盆を中心に20日以上踊られ、本来躍動的な振りの楽しさ、明るさが若い人達に大人気で、郡上踊りに退けを取らない。
第2類(地域伝統芸能を活用した行事の実施主体)
八王子(はちおうじ)まつり実行委員会
東京都八王子市は江戸時代、甲州街道の宿場町として、江戸後期以降は織物の町として繁栄してきた。同街道に面した旧市街地にある2つの鎮守社ではいつの頃からか各々の祭礼で山車が曳かれていた。昭和30年になると、これら2社を併せた八王子市民祭がスタート、同41年には山車が参加し、同46年には「八王子まつり」と改称された。この祭りは山車17台と神與、獅子舞、祭囃し等を中心に、市民参加型イベント、花火大会を加えた総合的な夏祭りとして実施されてきたが、昨年度から花火大会を切り離し、地域伝統芸能の彩りをより高めた祭りとして、8月初旬の3日間で40万人を集客する。ここに至る八王子まつり実行委員会の貢献は大きい。
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