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10月12日(日) 地域伝統芸能公演・体験プログラム 15:20〜17:50
   司会 吉川 精一(フリーアナウンサー)
       玉田 陽子(フリーアナウンサー)
 
 最終日の地域伝統芸能公演は、小学生から高校生までの構成による沖縄エイサー太鼓の演奏で始まった。子供たちとは思えない一糸乱れぬみごとな演奏、そしてエイサー太鼓独特のリズムに、会場全体が思わず一緒に手拍子をしたくなるような楽しい雰囲気だった。続いては、地元広島県から2団体の登場。まずは、福山市のひんよう踊り。「ひんよーさー」という特徴ある囃子唄に合わせ、色鮮やかな着物を纏った女性がキリコ(灯篭)を持って囲む中、梵天を高々と掲げながら男性が踊り回る。単調な中にも豊作を祝って踊ったとされる、村まつりの雰囲気たっぷりの伝統芸能であった。次は国の重要無形文化財にも指定されている原田(はらだ)はやし田(た)の登場。稲の豊穣を祈る田植えの風習で、第1日目の壬生の花田植と同様に中国地方に残された数少ない伝統芸能。比較的ゆっくりとした田植え唄に、バチを振り回しながらの太鼓のお囃子と色鮮やかな衣装の早乙女による田植えの演技。20数名によるリズムにのった演技は、初夏の青空のもとでの田植え風景を想い起こさせるものだった。続いては、アリーナ席の端から韓国独特の鉦と太鼓のリズムにあわせて蜜陽百中ノリ(みりゃんべくじゅんのり)の登場。韓国の国指定無形民俗文化財にも指定されている古くからの風習で、農作業が一段落した時期に豊年を祈り、使用人たちが様々な遊びを繰り広げた風景を描いているとされる。ストーリー仕立てになった演技であったが、個性豊かな踊りが多く、会場からは珍しさもあって大きな拍手が湧いていた。また、演技終了後、体験プログラムとして、沖縄エイサー太鼓のメンバーが入場し、密陽百中ノリのメンバーとともに沖縄と韓国の太鼓のリズムを相互に演奏仕合い、その違いと共通性を見出して、観客とともに文化交流の一端を楽しんだ。続いては、東北の北上市からの鬼剣舞(おにけんばい)。赤と黒の鮮やかな衣装と鬼の面に身を包み、刀をもちながら一糸乱れぬ激しい舞を舞う。大きく首をふる舞にも特徴があり、また、刀を持って回転するなど曲芸のような舞もあり、時間のたつのを忘れさせる見ごたえのある演技だった。最後は、地元広島から、阿刀神楽保存会による神楽(かぐら)「八ツ花の舞(やつはなのまい)」。神楽の盛んな広島県でも瀬戸内海沿岸地方から伊予地方に見られる神楽で、神楽の古様を伝えているといわれている。芸北地方の神楽とは一風違って、舞台上には古様の衣装に身を包んだ4名が上がり、各々が刀剣の端を持って円状になり、お互いが交差するなどして様々な演技を披露する。派手さはないが神前での古代の舞を想起させる素朴で伝統的な演技に大きな拍手が湧いていた。
 
10月12日(日) フィナーレ 17:50〜18:00
   司会 吉川 精一(フリーアナウンサー)
       玉田 陽子(フリーアナウンサー)
 
 引き続き、出演者によるフィナーレに移った。まず、沖縄エイサー太鼓の面々が太鼓の演奏と共に入場。つづいて、ひんよう踊り、原田はやし田、鬼剣舞、神楽「八ツ花の舞」、と入場し、最後に韓国の密陽百中ノリが、鉦、太鼓の演奏とともに入場。全員で合奏し、最後の舞台を盛り上げた。舞台上の大型スクリーンには、開催期間中の出演団体や会場のスナップ写真が次々と映し出され、様々な感動を思い出させるものだった。舞台に勢揃いの後、今年開催の広島県より来年開催予定の茨城県に幟旗の伝達が行われた。全国大会フェスティバルおよび豊かなまちづくり大会の夫々の幟旗が、大会実行委員長の手を経て茨城県の担当者に手渡され、来年の茨城県での開催に期待を膨らませることとなった。最後に、終演の御礼を述べ、観客の大きな拍手に送られて3日間の閉幕となった。
 
地域伝統芸能公演(10月11日)
 
因島村上水軍陣太鼓(広島県因島市)
 
広島県の民謡・民踊「井口餅つき踊り」
(広島県広島市)
 
福田の獅子舞(広島県竹原市)
 
甲山だんじり仁輪加(広島県甲山町)
 
越前万歳(福井県武生市)
 
和知人形浄瑠璃(京都府和知町)







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