日本財団 図書館


d. オイルフェンスの種類、性能及び展張
 流出油事故の被害を最小限に食い止めるためには、流出油事故発生直後から1時間以内にどのような措置を講ずるかが非常に重要とされている。なぜなら、流出油は急速に拡散するからである。このため、流出油源付近では、オイルフェンスは油を閉じ込める、つまり拡散防止の目的で使用される。
 しかしながら、気象・海象や水深の状況によっては拡散防止の目的が機能しない場合もあり、効率的な回収のための展張や、特定の場所を保護する目的の展張があることを理解させ、それぞれの目的のためのオイルフェンス展張計画等について講義した。
 また、具体的対処方法としてオイルフェンスの種類、性能、展張方法及び係止方法等について講義した。
 
e. 流出油の回収
 機械的回収の代表である油回収船及び油回収装置(スキマー)等の種類、使用方法を教授し、海上浮流油を効果的に回収する方法、使用限界等について講義した。
 また、物理的回収としての油ゲル化剤、油吸着材等の種類、性能限界及び使用条件等について講義した。
 海上浮流油の機械的回収は、タグボート等の作業船とオイルフェンス及び可搬式油回収装置等を組み合わせた油回収システムが世界の主流であることを理解させ、さらに当該油回収システムは、海上における油の回収に効果的であるばかりでなく、海岸漂着油や港内における流出油防除活動においても、オイルフェンスや油回収装置を転用することが可能であることについて理解させた。
 
f. 油分散剤(油処理剤)
 流出油事故初期において、油分散剤を適切に使用することは、沿岸域への浮流油の漂着を阻止し、汚染被害を極小化する有効な方法である。油分散剤の毒性、機械的回収との防除効率の比較、油分散剤の費用対効果、油分散剤に関わる条件、油分散剤を散布することが可能な海域、流出油量に対する油分散剤散布量の総量規制等について講義した。
 
g. 海岸清掃・保管・処分
 浮流油が海岸に漂着した場合、その経済的社会的ダメージは大きく、また、適切な防除活動を実施しなければ、かえって被害を拡大してしまうこともある。機械的清掃方法、人的清掃方法について講義すると共に、回収油や油性塵芥の一時貯蔵及び最終処分等について、わが国及び世界の事例を踏まえて講義した。
 
h. 事故事例
 我が国及び世界のこれまでの油流出事故の概要及び対応について、これらの事故対応から得た教訓を交えて講義した。
 
i. 事前計画・現場の安全
 地区の流出油対応組織における流出油事故の各段階に応じた対応手順及び危機管理について講義した。
 
j. 海上における防除手法の選択
 海上浮流油に対処する油回収船・油回収装置を駆使した機械的回収及び油分散剤散布による防除方法の2つの代表的防除手法に関して、回収効率及び分散処理効率を、気象条件、油膜条件の変化によっていかに勘案し、最適防除手法を選択すべきかを講義した。
 
k. 現場判断
 流出油事故の現場は、時々刻々とその状況が変化し、これに対応するにはその変化に応じた適時的確な判断が要求される。現場監督者等は、この変化する事実を積極的に認識し、認識した事実に基づくあらゆる可能性を探り、自らが使用可能な人的・物的資源の能力を把握した上で、対応のための戦略をたて、戦略を具体化するための戦術を展開し、さらにこの過程を継続的に再調査し、再評価し、新たに戦術・戦略を改訂する。このような判断の過程は防除活動が終了するまで繰り返されなければならない。
 流出油事故に関して、その事故情報の入手、分析、評価、対応の決定、動員、防除活動、進捗状況の再評価、対応手段の変更、終結の決定といった、流出油事故への対応の全過程についての判断のための考え方について講義した。
 
l. 2号業務への対応
 昨年7月に発生した志布志湾での流出油事故の事例を交え、流出油事故に対しセンターの2号業務が発動された場合の対応について講義した。
 
m. グループディスカッション(試験)
 初日に実施した事故想定(試験)について、研修生を4グループに分け、それぞれの想定に対する対応についてグループ内で討議し、各グループ毎に発表させた。討議中は活発な意見交換があり、また、発表中は他のグループから鋭い質問や指摘が飛び出し、発表者が返答に窮するような場面も見受けられた。
 発表終了後は、各研修生毎に再度想定問題に対する対応についてまとめさせた。
 
グループディスカッション1
 
グループディスカッション2
 
(2)実習
a. 各種オイルフェンスの取扱実習
 世界で使用されている著名なオイルフェンスの性能、使用方法、保管方法など防除活動に必要不可欠な基本的技術について実習を行った。
 
オイルフェンスの取扱実習
 
オイルフェンス展張実習
 
各種オイルフェンス取扱実習
 
 
オイルフェンス性能実習
 
オイルフェンス展張実習







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION