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参考文献一覧
業界専門誌:
●Lloyds Ship Manager
January 2002-September 2003,monthly editions
●Containerisation International
October 2002-August2003,monthly editions
●Ship Design
February-August2003,monthly editions
●The Naval Architect
March-August2003,monthly editions
●Shipping Monthly
March 2003, June2003, July2003
 
ウェブサイト:
●International Business Strategies
●MaritimeJapan.com Web Portal
●World Ships & Boats(国際船艇)
●China Shipbuilding
●China State Shipbuilding Corporation
●The China Economic Review
●How China Plans to Dominate the Shipbuilding Industry,(William R. Hawkins),
●Baird's Marine Information
●European Import & Export Business Resource Directory
●The Economist
 
その他のレポート及び統計集:
●日本船主協会「海運統計要覧2003」
●World Fleet Statistics for 2002
Published by Lloyd's Register,April 2003
●"China's Shipyards-Capacity,Competition and Challenges"
Drewry Shipping Consultants Ltd.,July 2003
●「中国の対中政策の沿革とブッシュ・アプローチ」
木内惠、季刊国際貿易と投資、Autumn 2002/No.49
 
欧州舶用関連企業による対中国戦略に関するアンケート調査結果
 本調査に関連して実施した欧州舶用関連企業による対中国戦略に関するアンケート調査結果の概要を以下に述べる。
 
●実施期間:2003年7〜8月
●実施方法:アンケート調査票を各社宛に送付。その後、電話による直接インタビュー。
●調査対象:欧州船社152社、欧州舶用工業事業者849社。
●回収率:5.1%。回答者内訳は、欧州船社17社、欧州舶用工業事業者34社。
 
1. 欧州船社へのアンケート調査
1-1 回答した欧州船社の事業内容
●バルカー運航会社13社、フェリー運航会社1社、タンカー運航会社1社、バルカー及び他船種運航会社1社、バルカー及びコンテナ船運航会社1社。
 
1-2 船社による造船所選択条件
(ランキングは1〜7。1が最重要)
造船所選択条件 平均ランキング
船価 1.5
品質 2.9
船種 4.0
納期 4.3
技術力、設備 5.1
財政的援助、優遇措置 5.6
造船所の評判 6.0
過去の建造実績 6.4
 
●造船所の選択条件としては、第一に価格、次いで品質を重視する船社が圧倒的に多い。
●一方、造船所の評判、過去の建造実績は最も重要度が低い。
●造船所の地理的位置が重要とする船社もあった。
 
1-3 地域別造船所の評価
各地域造船所の優れている点
(複数回答、%)
項目/地域 日本 中国 韓国 西欧 東欧
船価 - 100.0 - - -
造船所の評判 22.7 4.5 4.5 63.6 4.5
納期 30.0 15.0 25.0 30.0 -
財政的援助、優遇措置 33.3 23.8 - 42.9 -
技術力、設備 19.2 3.8 11.5 57.7 7.7
品質 23.1 - 19.2 50.0 7.7
 
●中国は、船価では圧倒的に強いが、品質が優れていると言う意見は皆無。
●船価以外の点では、西欧の造船所の評価が高い。
●1社が、欧州(特に英国)に比べ、日中韓では規制や手続きが少ないことを、利点として挙げている。
●全般的に西欧の造船所が優位(40.6%)。主に経済的な理由で中国が二位(24.5%)、日本は三位(21.4%)。
 
1-4 舶用機器の選択条件
(ランキングは1〜7。1が最重要)
項目 平均ランキング
価格 1.8
技術力 2.3
品質 3.4
造船所の優先サプライヤーであること 4.2
アフターセールス・サービス 4.9
過去の使用実績 6.1
 
●造船所の選択条件と同様、価格が最重要条件。
●過去の使用実績は重視されておらず、価格次第で新規サプライヤーが選ばれる可能性が高いことがわかる。
 
1-5 地域別舶用機器メーカーの評価
各地域舶用機器メーカーの優れている点
(複数回答、%)
項目/地域 日本 中国 韓国 西欧 東欧
価格 55.6 16.7 16.7 11.1 -
技術力 43.5 4.3 - 52.2 -
品質 32.0 - - 68.0 -
アフターセールス・サービス 23.8 - - 76.2 -
 
●舶用機器の価格では、日本が圧倒的優位。
●その他の項目では、西欧メーカーへの評価が高い。アフターセールス・サービスに関しては、西欧メーカーが地理的優位に立つ。
●造船所と違い、中国、韓国メーカーへの評価は低い、または使用実績なし。
 
1-6 中国造船所への発注実績
●回答した17船社のうち、中国の造船所に新造船発注実績があったのはわずか2社。
●うち1社は、大連に10,000トン級RO-RO船を発注。搭載舶用機器はほとんど西欧製品を使用。
●もう1社は、自らが所有する上海の造船所に複数の多船種を発注した実績がある。搭載舶用機器は、エンジン、プロペラ、ボイラーは西欧メーカー、クレーンや荷役装置は日本と韓国のメーカーを使用。
 
1-7 中国造船所への発注実績がない理由
(複数回答)
理由 回答数
実績がない/評判が悪い 4
現在新造船発注の予定なし 4
中国以外の造船所を選択 3
欧州の優遇措置を利用 3
自社のポリシー 2
距離的に遠い 1
納期 1
監督コストが高い 1
 
●中国以外の造船所に発注した3社は、2社が韓国、1社が日本の造船所を選択。
●韓国造船所を選ぶ理由としては、中国より実績があることを重視。
 
1-8 将来的に中国造船所に発注する可能性
●15船社中9社(60%)が、将来的に中国造船所への発注を検討すると答えた。その理由は以下の通り。
●船価の安さに加え、ノウハウ、技術力が日進月歩している。
●西欧の造船所に比べ、コスト・パフォーマンスが高い。
●老化しつつある現役船隊を、もっと「経済的」な船隊にリプレースする必要がある。
●今後、世界的に中国造船所への発注が一段と加速する。
 
1-9 中国造船所での修繕実績
●17船社中、7社が中国の造船所で修繕を行ったことがあった。
●使用した造船所は、上海COSCO、上海LEE SHIN、南通等。
●4社がバルク船、1社がRO-RO船、残り2社はその他船種の修繕を行った。
●修繕内容は、3社が乾ドックを必要とする修繕、3社が小規模の修繕。(1社は修繕内容不明)。
 
1-10 中国造船所に修繕を発注した理由
(ランキングは1〜9。1が最重要)
理由 平均ランキング
価格 1.3
地理的に便利 2.8
造船所の評判 5.0
所要時間 5.0
部品調達が容易 5.7
品質 5.7
技術力 6.5
過去の利用経験 8.2
財政的援助、優遇措置 9.0
 
●中国で修繕を行った理由は、やはり価格の安さが第一。次は地理的に便利だったから。修繕期間、造船所の実績も軽視されてはいないが、順位は低い。
●修繕結果に関しては、1社が非常に満足。(同社は修繕を行った造船所を所有。)
●3社も満足。その理由は、「仕事が効率的、迅速」、「大したトラブルがなかった」、「コストが競争的だった」等。
●1社は、「修繕作業を監視する必要があり、品質に関しても懸念が残る」としている。
●1社は、非常に不満足であると表明。
 
1-11 中国造船所での修繕実績がない理由
●中国は運航地域の「圏外」であるという理由が90%(9社)を占める。
●残り10%は、中国以外に選好する造船所がある。
 
1-12 将来的に中国造船所で修繕を行う可能性
●6社は、将来的に中国造船所で修繕を行う可能性がある、残り3社は、可能性はないと回答。
●可能性があると回答した船社のうち2社は、もしその時、自社船舶が中国に地理的に近ければ使うという条件を付け加えた。
●1社は、今後地理的条件にかかわらず、中国造船所で修繕することが、コストと修繕期間の面で合理的である、と回答。







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