27.6 業務内容
●民用船舶、民用船舶部品の建造・製造・輸出 1994年から積極的に国際造船市場に参入
建造実績のある船種は、4.6万/3.5万/2.9万DWTのばら積み船2.82万DWTの多目的ばら積み貨物船、15.9万/4.6万DWTのプロダクトタンカー等。
●船舶の修繕・解体・塗装
●鉄鋼構造物の製造建造・取り付け、アスファルトタンク車の製造
●原材料、機械設備、計測機器等の輸入
●発電プラント用の機械・圧延加工等
●技術コンサル
27.7 受注・建造実績
表27-6: 主要受注・建造実績一覧表
受注日 |
種類・用途 |
DWT |
船主・ユーザー |
竣工/ 予定日 |
船名 |
その他 |
2000年2月 |
木材運送用ばら積み船 |
2.82万 |
ドイツ PANPACIFIC海運 |
2000年12月 |
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169m×27.2m×13.60m×9.71m、航海速力14.4kt |
2000年6月 |
ばら積み船 |
2.82万 |
ドイツ PANPACIFIC海運 |
2001年3月28日 |
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2000年7月 |
オイルタンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
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2000年7月 |
オイルタンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
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2000年7月 |
オイルタンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
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2000年7月 |
オイル/プロダクト・タンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
2002年6月30日 |
大慶453号 |
船級協会CCS 193m×32.20m×17.20m×11.4m、航海速力14kt |
2000年11月 |
オイル/プロダクト・タンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
2002年12月 |
大慶454号 |
同上 |
2000年11月 |
オイル/プロダクト・タンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
2002年12月 |
大慶455号 |
同上 |
2000年11月 |
オイル/プロダクト・タンカー |
4.6万 |
中国長江航運(集団)総公司 南京長江油運公司 |
2003年5月 |
大慶456号 |
同上 |
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受注日 |
種類・用途 |
DWT |
船主・ユーザー |
竣工/予定日 |
船名 |
その他 |
2001年9月 |
オイルタンカー |
4.6万 |
上海北海船務有限公司 |
2003年 |
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2002年7月25日起工 |
2001年3月 |
オイルタンカー |
15.9万 |
COSCO |
2003年 |
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2002年7月18日船台起工、 船級協会CCS |
2001年3月 |
オイルタンカー |
15.9万 |
COSCO |
2003年 |
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船級協会CCS |
2001年3月 |
オイルタンカー |
15.9万 |
COSCO |
2004年 |
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船級協会CCS |
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出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
27.8 経営・財務状況
27.8.1 資本金、出資者
表27-7: 主要出資者及び出資率
出資者 |
出資率 |
中国船舶重工集団公司 |
70.49% |
中国華融資産管理公司 |
13.15% |
国家開発銀行 |
12.95% |
中国信達資産管理公司 |
3.41% |
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27.8.2 売上げ
図27-3: 近年の売上げ額の推移
27.9 関連企業
表27-8: 主要関連企業の名称及び会社概要
関係 |
関連企業 |
会社概要 |
出資者 |
中国船舶重工集団公司 |
国務院の承認により設立された大型国有造船企業集団。 国家重点企業として中央政府が管理。(「北方集団」とも呼ばれる) |
出資者 |
国家開発銀行 |
1994年3月、国務院の承認により成立。 資本金500億元、l00%政府出資の政策銀行。 主要業務:基礎施設、基礎・中堅産業の設備投資等支援。 国家・地域発展のための政策の支援(融資・外貨手当等三大政策銀行の中では最大規模。中国人民銀行とともに中央省庁と同格の扱いを受けている金融機関。 |
出資者 |
中国華融資産管理公司 |
1999年10月19日、国務院の承認により北京で成立。 資本金100億元、100%国家出資の国有金融企業。主要業務;中国工商銀行関係企業の不良債権の買収、管理、処理。 |
出資者 |
中国信達資産管理公司 |
1999年4月20日、中国人民銀行の承認により北京で成立。 中国初の金融資産管理会社。 主要業務:国有企業の不良債権の買収、管理、処理。 |
子会社 |
葫芦島渤海造船輸出入有限公司 |
渤海船舶重工の子会社。1996年の輸出経営権取得に伴い設立。 |
子会社 |
渤海機械工程有限公司 |
渤海船舶重工の子会社。遼寧省西部地域で最大の大型機械製造基地。 業務は、舶用補機、甲板機械、鉄鋼構造物、大型耐圧合金の製造、クレーンの建造等。 特殊合金鋼の研究・製造、高張力耐圧部品の製造では中国有数の企業。 インド科欣船廠、ドイツ梅塞尓企業、三菱重工等に大型ローラー、高精度切断機、風力発電装置、セメントミキサー、浚渫機械、鋼管切断搬送機、スラグ機械、圧延機械、ガス発生炉、ケーブル装置等を輸出。 |
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出所:上海科学技術情報研究所市場調査研究部
27.10 政府との関係
●葫芦島市政府との関係が緊密。国家重点企業であることに加え、経済発展も限られている葫芦島では、数少ない大企業でもあり市政府も一定の補助金支給をしているが、地方政府の財政予算も限られている中、優遇政策は限られたものとなっている。
●設備調達にあたっては、輸入設備の検査、通関手続きにおいて葫芦島市の政府関連機関が優先処理を行う等の利便を図っている。
●国務院大型企業監督委員会主席範有年、中国遠洋運輸(集団)総公司(COSCO)企画部副総経理王増華、中国船舶重工総経理李長印及び国家外経 部、科学技術部、葫芦島市政府の指導者らが起工式に出席したこともある。
27.11 今後
27.11.1 最近のトピック
1)“大慶454号”進水(2002年5月20日)
南京長江油運公司向けに建造した4.6万Tのオイル/プロダクト・タンカーが進水、“大慶454”号と命名された。渤船船舶重工で建設中の4隻のうちの第2隻目。
2)15万トン油槽船が稼動(2001年12月25日)
中国遠洋運輸(集団)総公司に建造した15.9万Tタンカーが稼動を始めた。
27.11.2 事業計画
●スローガン
“顧客は神様であり、品質は命であり、紀律は保証であり、人材が企業の基盤であり、収益が目的である”(企業方針)
“団結して実務を求め、市場を開拓して高進する”(企業精神)
“軍を主とし、船舶を基盤とし、多種経営をし、海外へ進出し、科学技術をもって企業を振興する”(経営理念)
●問題点
渤海船舶重工の所在地である葫芦島港は外国籍船の停泊が認められないため、船舶の修繕業務には、不向きである。今後は、世界有数の大型新造船企業となることを目指す。
27.12 その他
●設計レベル
技術部と船舶研究所がある。
技術部は、全部で472人、そのうち高級技術者は109人で、技術者は236人。
船舶研究所は、研究員は全部で250人、うち高級技術者が183人。
大 理工大学、中国科学院沈陽自動化研究所、渤海船舶重工船舶研究所・技術部の3社共同で船舶の開発・設計を実施。
●日系・外国企業との提携
アメリカ、イタリア、日本等と友好協力関係にある。
日本との関係も深く、船舶建造設備、舶用設備の40%は日本からの輸入。設計システムは、スウェーデンTRIBON。スウェーデンに設計技術者を派遣して専門のトレーニングを受けた。
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