3.3 業務
3.3.1 業務内容
主に揚子江流域の内陸河川の船舶の建造を行う。製品は、はしけ及び作業船を主とするが、一部の近海船舶の建造も行う。ただし、生産能力の制限があるため、6,000DWT以上の船舶を建造することができない。
主要な製品は、はしけ、曳船、貨物船、油送船等がある。
製品の輸出地域は、日本、東南アジア、欧米等である。主要な輸出製品は、はしけであり、東南アジア地域には上陸用舟艇、コンテナ船等も輸出している。
3.3.2 設備
表3-4: スリップウエイ数及びサイズ
スリップウエイ数:7
長さ(m) |
幅(m) |
DWT |
クレーン |
110 |
19 |
6,000 |
200t×1、50t×1、20t×2 |
100 |
15 |
6,000 |
200t×1、50t×1、20t×2 |
105 |
15 |
5,500 |
200t×1、50t×1 |
60 |
10 |
3,000 |
200t×1、30t×1 |
49 |
8 |
2,000 |
200t×1、30t×1 |
50 |
8 |
2,000 |
200t×1、5t×1 |
50 |
8 |
2,000 |
200t×1、5t×1 |
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出典:MIRU調査
表3-5: 艤装岸壁
長さ(m) |
クレーン |
75 |
35t×1、45t×1 |
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表3-6: その他設備の種類
設備名称 |
能力 |
数量 |
備考 |
固定クレーン |
200t |
2 |
|
固定クレーン |
50t |
1 |
|
固定クレーン |
30t |
1 |
|
固定クレーン |
5t |
1 |
|
門型クレーン |
20t |
2 |
|
移動クレーン |
|
2 |
|
平修正機 |
7つローラー |
1 |
日本から輸入 |
開放式鋼板巻取り機 |
3つローラー |
1 |
中国国内最大の輸入冷間巻取り圧力設備 |
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出典:MIRU調査
3.3.3 受注・建造実績
表3-7 主要受注・建造実績一覧表
種類・用途 |
DWT |
船主 |
竣工/予定日 |
船名 |
その他 |
レジャー船 |
3,868 |
重慶峡江旅游船公司 |
2002年 |
中駅号 |
1階船室、衝突防止船室構造、客室99室、乗客数198人である。 |
レジャー船 |
4,439 |
重慶峡江旅游船公司 |
2003年 |
女王号 |
2階船室、揚子江流域の特徴に応じて建造したレジャー船であり、客室103室、乗客数206人である。 |
ボイラー |
10セット |
東方鍋炉股有限公司 |
2002年10月 〜2003年 |
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2002年10月受注。 |
磔浚渫船(6隻) |
|
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2003年7月 |
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1時間浚渫能力120m3 |
鉄鋼構造物 |
338m |
万州交通開発公司 |
2003年9月 |
万州長江二橋 |
万州長江二橋用鉄鋼横梁 |
オイルポンプ船 |
75m |
重慶市公安消防総 |
2003年10月 |
越州号 |
船型サイズ:全長75m、幅15m、深さ2.6m |
内陸川・近海用貨物船
(2隻) |
800 |
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2003年10月 2004年12月 |
|
船型サイズ:全長115.8m、幅18.4m、深さ8.4m |
レジャー船 |
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重慶峡江旅游船公司 |
2004年3月 |
新長江一号 |
船型サイズ:全長118.8m、幅21.8m、深さ4.5m。 「新長江一号」はこれから揚子江上流流域における最大で最も豪華な海外客向けのレジャー船となる。 |
|
出典:MIRU調査
3.3.4 その他
設計レベル
設計者数は16人であり、基本的な設計レベルを持っているが、研究センター及び研究者を持っていない。特に大型船舶の設計能力においては、技術レベルがほとんどない。設計レベルが高くないため、通常上海708研究所等の設計機関と提携して、船舶の設計を行っている。
日系・外国企業との提携
日系・外国企業との技術提携がない。
日系・外国企業とは業務上の提携がある。1999年、ディーラーを通して日本の船主にはしけを建造した。
3.4 財務状況
3.4.1 資本金、出資者
表3-8: 主要出資者及び出資率(2002年12月31日現在)
3.4.2 売上げ
図3-3: 最近5ヶ年の売上額の推移
3.5 今後
3.5.1 最近のトピック
1)品質を重視し、企業の発展をはかる。(2003年3月)
川東造船所は「品質を重視し、企業の発展をはかり、市場で生きていく」という企業の理念を従業員全員に宣伝し、「品質道徳及び生存発展」の議論を行い、「品質アップ」トレーニング及び特定テーマの講座を通じて、従業員に品質意識を増強させ、「品質が最も上」の生産理念を樹立させた。
2)オイル・ポンプ船を船主に引渡し。(2003年10月)
2003年6月に受注したオイル・ポンプ船を順調に造り上げ、船主に引き渡した。当該オイル・ポンプ船は全長75メートルである。
3)重慶市レール電車の建造に参加。(2003年10月)
川東造船所は重慶市レール電車の建造に参加し、2004年6月に開通する予定である。
4)技術者を派遣し、トレーニングを行う。(2003年12月)
川東造船所は技術を重視し、技術者を派遣し、トレーニングを行う。2003年中、洛陽の河南柴油機廠に技術者を派遣しディーゼル・エンジンの保守技術を学んだ。また、徳州の中国水電第13工程局技術学校に浚渫船技術トレーニングを行った。
3.5.2 事業計画
短期(3〜5年)目標は、次のとおり掲げられている。
1)2003年には、工業総生産額1.2億元、売上額8,000万元を達成し、損益を均衡させる。
2)2004年には、工業総生産額を1.5億元まで到達させ、さらに2億元をめざす。また、売上額1億元以上を達成し、利益を黒字に転じる。
3)2005年には、工業総生産額を2億元まで到達させ、さらに2.5億〜3億元をめざす。また、売上額を1.5億元以上にする。
長期(5〜10年)目標は、単品製品の生産規模を拡大し、3〜5つの主要製品を持つことにより、年間工業総生産額5億元以上、収益1,000万元以上を実現して、企業の生産・経営の安定を保ち発展の道に乗せようとしている。
主要製品の発展方向については、重慶長航集団等、揚子江流域の大手水上運送企業がこれからコンテナ運送率をアップすることに応じて、小型コンテナ船を建造する計画がある。そのため、2004〜2005年の間に、有力技術者及び専門人材を募集して技術力の向上をはかろうとしている。
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