3. バス・軌道事業者へのアンケート調査結果
鹿児島県内の離島の旅客定期航路の発着する港湾までのアクセス手段を運営する可能性がある乗合バス事業者15事業者(道路運送法21条により許可を得て乗合バス事業を運営する貸切バス事業者も含む)および軌道事業者1事業者の計16事業者に対し、アンケート調査を行い、航路とのアクセス手段におけるバリアフリー化の現状、バリアフリー化を推進する上での問題点、今後の取り組みの方向性などを把握した。
(1)調査の概要
対象となる16事業者に対し、鹿児島県バス協会を通じてアンケート調査を配布し、郵送により回収した。回収状況は、有効回答数14事業者、回収率87.5%となっている。
表4-3-1 アンケート調査対象事業者
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事業者名 |
運営地域 |
バス事業者 |
鹿児島市交通局バス事業課 |
本土 |
林田バス(株) |
本土 |
いわさきコーポレーション(株) |
本土 |
上甑島バス企業団 |
上甑島 |
下甑村 |
下甑島 |
奄美交通(株) |
奄美大島 |
(株)岩崎バス |
奄美大島 |
加計呂麻バス(有) |
加計呂麻島 |
大島運輸(株) |
喜界島 |
徳之島総合陸運(株) |
徳之島 |
沖永良部バス企業団 |
沖永良部島 |
南陸運(株) |
与論島 |
桜島町 |
本土 |
まつばんだ交通バス(株) |
屋久島 |
喜界島観光(株) |
喜界島 |
軌道事業者 |
鹿児島市交通局電車事業課 |
本土 |
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注)いわさきコーポレーション(株)のうち、旧鹿児島交通(本土側)については回答が得られたが、旧種子島交通及び旧屋久島交通については、回答が得られなかった。
このうち、桜島町については、離島部(新島)ではバスを運行しておらず、また、まつばんだ交通バス(株)と、喜界島観光(株)は、貸切バス事業のみを運営する事業者であったため、原則としてこれら3事業者を除く13事業者が集計の対象となった。
なお、集計対象外の桜島町、まつばんだ交通バス、喜界島観光についても、バリアフリー化の対応状況や、バリアフリー化についての自由意見があった場合には、参考としてこれを記述した。
いわさきコーポレーション(株)でも、一部対象路線に該当しないバス路線について回答があり、これについては、ターミナル等のバリアフリー対応状況の集計では対象外とし、参考としてこれを記述した。
(2)調査対象事業者の属性
(1)経営形態
回答のあった事業者の経営形態は、民営事業者と公営事業者が約半数ずつとなっている。第3セクターに該当する事業者はなかった。
図4-3-1 バス・軌道事業者の経営形態(n=11)
(2)車両保有台数
■バリアフリー化対応車両は、本土側の3事業者で導入
乗合バスの保有台数は「10台未満」が最も多く、4事業者となっている。次いで「100台以上」が3事業者、「10〜20台」が2事業者となっている。
経営形態別に乗合バスの保有台数をみると、公営では、100台以上の乗合バスを保有する大規模事業者(鹿児島市交通局バス事業課)も1事業者あるが、離島部で運営される保有台数10台未満の小規模事業者(下甑村自動車運送事業、上甑島バス企業団、沖永良部バス企業団)が3/4を占めている。一方、民営では、100台以上を保有する大規模事業者が2事業者(いわさきコーポレーション、林田バス)で、保有台数が20台までの中小規模の事業者が半数を占める。
乗合バスのうち、バリアフリー化に対応した車両の保有については、鹿児島市交通局バス事業課がノンステップバスを24台、桜島町営バスがワンステップバスを12台保有している。
また、軌道車両については、鹿児島市交通局電車事業課が52両を保有しており、そのうち3両が、バリアフリー化に対応した超低床車両である。
図4-3-2 乗合バス保有台数(n=10)
図4-3-3 経営形態別乗合バス保有台数(n=10)
(3)港湾乗り入れ路線の現状
■ほとんどの路線で航路とのダイヤ接続を実施
ここでは、乗合バス路線・軌道路線のうち、港湾の旅客船ターミナルに乗り入れている路線、もしくはこれに近接したバス停・電停を経由する路線を「対象路線」とし、バス・軌道事業と航路との接続状況について整理する。対象路線数は、本土側が12路線、離島内が15路線で、計27路線である。
バスの停留所と港湾との距離についてみると、鹿児島新港、湾港(喜界町)に発着するバスでは、停留所と港湾との距離が約200mあるが、それ以外のほとんどのバスは港湾に乗り入れている。また、1日あたりの運行便数は、「10便未満」が全体の3/4を占め、離島内の対象路線はすべて10便未満である。航路とのダイヤ接続は、本土側の4路線と、喜界島の3路線、上甑島の1路線を除く大部分の対象路線で行われている。
表4-3-2 「対象路線」の概要
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港湾名 |
バス 停留所名 |
両者の 距離 (m) |
バス 路線名 |
バス 運行区間 |
運行 便数 (往復) |
航路と のダイヤ 接続 |
本土 |
鹿児島市交通局バス事業課 |
鹿児島港 |
かごしま水族館前(桜島桟橋) |
0 |
15.東柴原線 |
水族館前〜 西柴原中学校前 |
25 |
なし |
鹿児島市交通局バス事業課 |
鹿児島港 |
かごしま水族館前(桜島桟橋) |
0 |
16.鴨池港文化 ホール線 |
水族館前〜 鴨池港 |
5 |
なし |
鹿児島市交通局バス事業課 |
鹿児島港 |
かごしま水族館前(桜島桟橋) |
0 |
24.伊敷船 |
水族館前〜 緑が丘団地 |
30 |
なし |
鹿児島市交通局バス事業課 |
鹿児島港 |
かごしま水族館前(桜島桟橋) |
0 |
25.唐湊線 |
水族館前〜 唐湊住宅 |
18 |
なし |
林田バス(株) |
鹿児島本港 |
北埠頭 |
0 |
鹿児島市内線 |
花野団地〜北埠頭 伊敷NT〜北埠頭 |
8 |
あり |
林田バス(株) |
鹿児島本港 |
南埠頭 |
0 |
鹿児島市内線 |
花野団地〜南埠頭 伊敷NT〜南埠頭 |
3 |
あり |
林田バス(株) |
鹿児島新港 |
鹿児島新港 |
200 |
鹿児島市内線 |
市内各団地〜新港 |
11 |
あり |
林田バス(株) |
鴨池港 |
鴨池港 |
0 |
花野団地線 |
花野団地〜鴨池港 |
2 |
あり |
林田バス(株) |
串木野新港 |
串木野新港 |
0 |
3号線本線 |
鹿児島〜新港 串木野駅〜新港 |
2 |
あり |
いわさきコーポレーション(株) |
鴨池港 |
鴨池港 |
0 |
鹿児島〜 鴨池港線 |
山形屋BC〜 鴨池港 |
33 |
あり |
いわさきコーポレーション(株) |
鴨池港 |
鴨池港 |
0 |
鹿児島駅〜 鴨池港線 |
鹿児島駅〜 天文館〜鴨池港 |
9 |
あり |
いわさきコーポレーション(株) |
鴨池港 |
鴨池港 |
0 |
西鹿児島駅〜 鴨池港線 |
西鹿児島駅〜 騎射場〜鴨池港 |
14 |
あり |
鹿児島市交通局電車事業課 |
なし |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
離島内 |
下甑村自動車運送事業 |
手打港 |
手打港 |
0 |
手打港・本町・ 片野浦浜田 |
手打港〜 片野浦浜田 |
2 |
あり |
下甑村自動車運送事業 |
手打港 |
手打港 |
0 |
手打港・長浜・ 瀬々野浦 |
手打港〜 瀬々野浦 |
1 |
あり |
下甑村自動車運送事業 |
長浜港 |
長浜港 |
0 |
手打港・長浜・ 瀬々野浦 |
手打港〜 瀬々野浦 |
2 |
あり |
下甑村自動車運送事業 |
長浜港 |
長浜港 |
0 |
長浜港・内川 内・瀬々野浦 |
長浜港〜 瀬々野浦 |
1 |
あり |
下甑村自動車運送事業 |
長浜港 |
長浜港 |
0 |
手打港・長浜・ 芦浜 |
手打港〜芦浜 |
1 |
あり |
上甑島バス企業団 |
里港 |
波止場前 |
0 |
里線 |
|
5 |
あり |
上甑島バス企業団 |
中甑港 |
中甑港 |
0 |
波止〜桑之 浦線 |
|
8 |
あり |
上甑島バス企業団 |
平良港 |
平良港 |
0 |
平良線 |
|
7 |
なし |
奄美交通(株) |
名瀬新港 |
新港前 |
10 |
古二屋線 |
新港〜古二屋 |
1 |
あり |
(株)岩崎バス |
名瀬港 |
名瀬新港 |
0 |
秋名行き |
新港−秋名・龍郷・ 名瀬 |
1 |
あり |
徳之島総合陸運(株) |
亀徳新港 |
亀徳新港 |
20 |
亀津〜空港 |
亀津〜空港 |
4 |
あり |
大島運輸(株) |
湾港 |
農協 |
200 |
北本線 |
島内一周 |
9 |
なし |
大島運輸(株) |
湾港 |
農協 |
200 |
南本線 |
島内一周 |
9 |
なし |
大島運輸(株) |
湾港 |
農協 |
200 |
中央線 |
島内一周 |
4 |
なし |
沖永良部バス企業団 |
和泊港 |
和泊港 |
0 |
和泊港線 |
和泊〜国頭 |
2 |
あり |
その他 |
いわさきコーポレーション(株) |
垂水港 |
垂水港 |
0 |
鹿屋〜垂水線 |
東笠之原〜鹿屋〜 垂水港 |
15 |
あり |
いわさきコーポレーション(株) |
垂水港 |
垂水港 |
0 |
志布志〜 垂水線 |
志布志〜鹿屋〜 垂水港 |
16 |
あり |
桜島町営バス |
桜島港 |
桜島港 |
0 |
白浜線 |
桜島〜白浜 |
25 |
あり |
桜島町営バス |
桜島港 |
桜島港 |
0 |
赤水線 |
桜島〜赤水 |
9 |
あり |
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注)その他の路線については、対象路線ではないため、集計の対象外としている。
図4-3-4 「対象路線」における1日あたりの運行便数(n=27)
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注)同一区間の路線の系統が2系統ある場合は、1路線として集計した。
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