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II 危険物船舶運送及び貯蔵規則(関連抜粋)
 
第2編 危険物の運送
 
第3章 ばら積み液体危険物の運送
 
第2節 液化ガス物質
 
第14款 電気設備
(電気設備)
第236条 引火性の貨物を運送する船舶の当該物質が漏えいし、又は滞留するおそれのある場所には、電気設備を設けてはならない。ただし、船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合は、この限りではない。
(関連規則)
船舶検査心得
236.0(電気設備)
(a)「当該貨物が漏えいし、又は滞留するおそれのある場所」とは、ガス危険区域をいう。
(b)「船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合」とは、本質安全防爆構造の電気設備を備え付ける場合及び附属書[1]「液化ガスばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件」に規定されているガス危険区域において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備を備え付ける場合をいう。
(準用規定)
第237条 船舶設備規程第302条の4及び第302条の5の規定は、液化ガスばら積み船について準用する。
 
第3節 液体化学薬品
 
第11款 電気設備
第300条 告示で定める貨物を運送する船舶の電気設備に使用される材料は、当該貨物のガスとの接触を防止するための適当な保護措置が講じられたものでなければならない。
第301条 火災危険性物質を運送する船舶は、当該貨物から発生するガスが漏えいし、又は滞留するおそれのある場所に電気設備を設けてはならない。ただし、船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合は、この限りではない。
(関連規則)
船舶検査心得
301.0(電気設備)
(a)「当該貨物から発生するガスが漏えいし、又は滞留するおそれのある場所」とは、附属書[2]「液体化学薬品ばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件」に示す電気的危険場所をいう。
(b)「船舶の所在地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えないと認める場合」とは、本質安全防爆構造の電気設備を備え付ける場合及び附属書[2]「液体化学薬品ばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件」に規定されている危険場所において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備を備え付ける場合をいう。
(準用規定)
第302条 船舶設備規程第302条の4及び第302条の5の規定は、引火点が摂氏61度以下の貨物を運送する船舶について準用する。
 
船舶検査心得(危険物船舶運送及び貯蔵規則)
 
附属書〔1〕液化ガスばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件
 ガス危険区域において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備は、次表の「ガス危険区域」の欄に掲げる場所に応じ同表の「ガス危険区域において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備」の欄に掲げるものとする。この場合において、電気設備の備え付けに当たっては、同表の「備考」の欄に掲げるところによること。
 
ガス危険区域 ガス危険区域において使用が認められる
本質安全防爆構造以外の電気設備
備考
・貨物格納設備 サブマージドポンプ用電動機及びその給電ケーブルにあっては、次に掲げる要件に適合するもの。
(1) ポンプ吐出圧力の低下、電動機の電流の低下又は液面の低下時電動機を停止し、貨物制御場所に警報を発するものであること。
(2) ガスフリー作業中、給電を遮断できるものであること。
 
・二次防壁が要求される
貨物タンクの船倉区域
サブマージドポンプの給電ケーブル  
・二次防壁が要求されない
貨物タンクの船倉区域及び
二次防壁が要求される
貨物タンクの船倉区域と
一重のガス密鋼製囲壁
により分離されている区域
(1)通過ケーブル  
(2)内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具 二以上の支回路に分岐すること。すべてのスイッチ及び保護装置は、すべての極又は相を同時に遮断できるものとし、かつ、ガス安全区域に設けること。
 
(3) 電気式測深機、電気式測程機械及び外部電源式陰極防食装置の陽極又は陰極
ガス密の容器に収納すること。
(4) 貨物又はバラスト装置の弁の操作用耐圧防爆構造電動機、耐圧防爆構造の一般警報用可聴装置(二次防壁が要求されない貨物タンクの船倉区域を除く。)
 
・貨物ポンプ室及び
貨物圧縮機室
(1)内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具 二以上の支回路に分岐すること。すべてのスイッチ及び保護装置は、すべての極又は相を同時に遮断できるものとし、かつ、ガス安全区域に設けること。
  (2)耐圧防爆構造の一般警報用可聴装置 貨物ポンプ及び貨物圧縮機を駆動する電動機は、ガス密の隔壁又は甲板により分離されている場所に備え付けること。駆動される装置と電動機間の駆動軸が貫通する隔壁又は甲板には、軸心を調整することができるガス密構造のグランドを設けること。
(3) 電動機が上記の備考の要件によることが困難な場合は、耐圧防爆構造の外被を有する安全増防爆型又は内圧防爆構造
 
・危規則第143条
第3号ロからニまでに掲げる場所及び船首又は船尾の荷役設備を設ける場合は、陸上施設連結箇所から3m以内の区域
(1)内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆型  
(2)通過ケーブル  
・危規則第143条
第3号ホ及びトの場合
(1)内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器 二以上の支回路に分岐すること。すべてのスイッチ及び保護装置は、すべての極又は相を同時に遮断できるものとし、かつ、ガス安全区域に設けること。
(2)通過ケーブル  
・危規則第143条
第3号チの場所
開口が通じる場所の要件に適合すること。なお、エアロック内の区域の電気設備は、当該区域が加圧状態でなくなったとき非電荷状態となるものか若しくは内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆型のものであること。
 
附属書〔2〕液体化学薬品ばら積船の電気的危険場所及び当該危険場所における電気設備の要件
1. 液体科学薬品ばら積船の電気的危険場所は、表1の左欄に掲げる貨物の種類に応じ、同表の「危険場所」の欄に掲げる場所をいう。
2. 電気的危険場所において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備は、表1の「危険場所」の欄に掲げる場所に応じ同表の「危険場所において使用が認められる本質安全防爆構造以外の電気設備」の欄に掲げるものとする。この場合において、電気設備の備え付けに当たっては、同表の「備考」の欄に掲げるところによること。
3. 電気的危険場所を例示すると図1から図3までのとおりとなる。
 
表1 危険場所及び当該場所において使用が認められる電気設備
貨物 危険場所 危険場所において
使用が認められる
本質安全防爆構造以外の
電気設備
備考
引火点が61℃以下のもの
引火点が61℃を超えるものであって引火点以上に加熱されるもの
A
貨物タンク(スロップタンクを含む。以下この表において同じ。)
貨物配管
- -
B
一体型タンクに隣接する空所
一体型タンクの直上又は直下の空所
(1)通過ケーブル 継手がガス密の鋼管であって伸縮ベントを使用していないものの中に据え付けること。
(2) 電気式測深機
  電気式船速距離計
  外部電源式陰極防食装置の陽極又は電極
ガス密の容器に収納すること。
接続されるケーブルは、継手がガス密の鋼管であって伸縮ベントを使用していないものの中に据え付けること。
C
船倉区域(独立型タンクが設けられている船体構造により閉囲された場所をいう。以下この表において同じ。)
(1)通過ケーブル -
(2) 内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具
二以上の支回路に分岐すること。
すべてのスイッチ及び保護装置はすべての極又は相を遮断するものとし、かつ、危険場所以外の場所に配置すること。
(3) 電気式測深機
  電気式船速距離計
  外部電源式陰極防食装置の陽極又は電極
ガス密の容器に収納すること。
D ・貨物ポンプ室
・貨物区域内のポンプ室
(1) 内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具
二以上の支回路に分岐すること。
すべてのスイッチ及び保護装置はすべての極又は相を遮断するものとし、かつ、危険場所以外の場所に配置すること。
(2)耐圧防爆構造の可聴警報表示器 -
- 貨物ポンプ及びその他のポンプを駆動する電動機は、ガス密の隔壁又は甲板により分離されている場所に備え付けること。駆動される装置と電動機間の駆動軸が貫通する隔壁又は甲板には軸心を調整することができるガス密構造のグランドを設けること。
E
貨物タンク開口、ガス又は蒸気の排気口、貨物管装置のフランジ及びバルブ並びに貨物ポンプ室への入口及び通風用開口から3m以内にある開放甲板上の区域及び開放甲板上の半閉囲場所
最前端貨物タンク前端の隔壁から前方に3mの場所と最後端貨物タンクの後端の隔壁から後方に3mの場所の間であって船の全幅にわたる甲板上2.4mの高さまでの範囲
(1)通過ケーブル -
(2)耐圧防爆構造の電気機器  
264.1(a)(7)の規定により機関区域からの脱出経路の設置が禁止されている甲板上の場所であって甲板上2.4mの高さまでの範囲
通過ケーブル  
F
貨物管装置の設けてある閉囲場所及び半閉囲場所
貨物タンク隔壁を共有している閉囲場所及び半閉囲場所(線接触する場所を含む。)
貨物ポンプ室の直上又は貨物タンクに隣接する垂直コファダム上の閉囲場所及び半閉囲場所であってガス密甲板で隔離されておらず、かつ、適当な通風がなされていない場所
貨物ホースの格納区画室
(1) 内圧防爆構造又は耐圧防爆構造の照明器具
二以上の支回路に分岐すること。
すべてのスイッチ及び保護装置はすべての極又は相を遮断するものとし、かつ、危険場所以外の場所に配置すること。
(2)通過ケーブル -
G
上述の場所に直接面する開口を有する閉囲区域又は半閉囲区域
開口が通じている場所に同じ。 開口が通じている場所に同じ。
引火点が61℃を超えるもの(引火点より15℃低い値以上の温度に加熱されるものを除く。)
A ・貨物タンク
・貨物管装置
サブマージドポンプ用モータであって次に掲げる要件に適合するもの及びその給電ケーブル
(1) 引火性ガスと空気の混合気体中におけるモータ及び給電ケーブルヘの通電を防止するものであること。
(2) タンク内の液面が低下し、当該モータが液面上に出るおそれがある場合にモータヘの給電を遮断する装置及び貨物制御場所に警報を発する装置を備え付けているものであること。
-
  B ・貨物ポンプ室
(1) 内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆構造の電気機器
(2) 通常の作動時にアーク又は花火を発しないものであり、かつ、加熱箇所がないもの
-
引火点が61℃を超えるものであって、引火点と引火点より15℃低い値の間の温度まで加熱されるもの
A ・貨物タンク
・貨物管装置
サブマージドポンプ用モータにあって次に掲げる要件に適合するもの及びその給電ケーブル
(1) 引火性ガスと空気の混合気体中におけるモータ及び給電ケーブルヘの通電を防止するものであること。
(2) タンク内の液面が低下し、当該モータが液面上に出るおそれがある場合にはモータヘの給電を遮断する装置及び貨物制御場所に警報を発する装置を備え付けているものであること。
 
  B
貨物ポンプ室
加熱されるタンクの開口から3m以内の区域
貨物ポンプ室に通じる入口及び通風口から3m以内の区域
内圧防爆構造、耐圧防爆構造又は安全増防爆構造の電気機器 -







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